MARUO EYE CLINIC HOMEPAGE
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当院の近況2012
工事進捗状況
当院の近況 2013
診療終了
12月30日
本日をもちまして、2013年の当院の診療を終了させて頂きます。
一年間ありがとうございました。
皆様よいお年を。
借りもの
12月27日
画を趣味にしていらっしゃる患者さん、石川茂子さんから当院の画をお借りしました。
お名前を出してもよいと許可を下さったのでお名前もアップしております。
クリニックの概観が中央に配置されています。
画面左上隅の目玉はたんなる模様ではなく、受付の向かって左の壁にかけてある時計です。
この時計は当院を設計して下さった白石建築士からの開院祝いです。
画面左下隅に立っている2人は当院のトイレの案内板です。
このカップルの頭は視力検査に使うわっかであるランドルト環になっています。これも白石建築士のアイディアです。
我々夫婦は絵心が全くありません。
結婚当初に何かのきっかけでアルプスの少女ハイジを何も見ずに空で描いてみようということになり、2人で描いて「せーの」で見せ合いっこをしたことがある のですが、2枚ともこれをみてハイジと当てられる人間はこの世に1人たりとも存在しないことを確信できるひどい出来でした。
画を趣味にできるのは羨ましいですね。
この場を借りてお礼申し上げます。
tangoの威力
12月26日
前回にアップしたエレックス社のYAGレーザー「タンゴ」でレーザー線維柱帯形成術を施行した患者さんが再診されまし た。
何と眼圧下降効果10oHg以上でした。
レーザーをうっていない方の眼も本日は眼圧が低かったので、日内変動の要素もあるにせよ、それを考慮に入れてもよく下がっています。
通常は2から3oHg程度の効果といわれていますからこれは出来過ぎで、レーザー以外の要素もあるのでしょうが、とにかく眼圧が下がってくれたのは有難い ことです。
経験上このレーザーで大きな合併症を起こしたことも無いので、導入して良かったと思います。
レーザー新規導入
12月20 日
エレックス社のYAGレーザー「タンゴ」を新規に導入しました。
電源を入れると上の写真の様にコントロール部が「tango」と自己紹介してくれます。
上がレーザーの全貌です。
白内障手術をすると術後数か月して一定の率で後発白内障が発症し視力が再び低下します。
後発白内障とは人工レンズを入れた袋(水晶体嚢)が濁ってくるものです。白内障手術をした「後」に「発」症する濁りなので「後発」「白内障」なのです。
レンズそのものの濁りではないですからレンズを取り換えたりする必要はなく、袋の濁りをこのレーザーで切開すると視力は回復します。
色々な会社からYAGレーザーは発売されていますが、エレックス社のこのタンゴは後発白内障切開術に使えるだけではありません。
コントローラーでモードを切り替えてSLTモードにすると、緑内障に対するレーザー線維柱帯形成術にも使えるという優れものです。
一昔前にはレーザー線維柱帯形成術はアルゴンレーザーで行われていましたが、3割から5割に虹彩癒着が生じ、再度の照射もできないので、現在ではアルゴン レーザーで行う施設は無いと思われます。
YAGレーザーでは組織破壊をきたさないので再照射も可能ですし、緑内障治療の選択肢が増えました。
今後も設備投資には努力を続けたいと思います。
インフィニティ水漏れ
12月11日
白内障手術中のことです。床が水浸しになっていることに職員が気づきました。
手術機械のインフィニティから水漏れしていたのです。
それまで手術の進行に問題はなかったのですが、精密機械の水漏れですので、いつ機械が止まっても不思議ではありません。
以前のこの欄でもアップし、「当院の特色」蘭にもある通り当院には同じマシンが2台ありますので、ためらうことなくもう一台のインフィニティを立ち上げ、 その後の手術を問題なく終了しました。
エラーメッセージがマシンから出なかったので、どうやらマシン本体の異常ではなく、カセットパックの異常だったようです。
どちらにせよ、バックアップに全く同じマシンが控えているのはマシントラブルの時に極めてストレスが少ないですね。
投資に十分見合う効果を実感しました。
来年の干支
12月5日
本日来年の干支である馬の置物が届きました。
贈り主は容子医師の白内障手術の師匠である三好輝行先生です。
この置物の作者は運慶、快慶の流れをくむ仏師、松本明慶氏です。
NHKで平成の仏師として製作活動を放映された仏師で、三好先生がその仏像に惚れ込み手術室前に飾っておられます。
我々夫婦にもお二人の鬼手仏心が宿るようにと手術室に飾ることにしました。
三好先生有難うございます。この場を借りてお礼申し上げます。
第22回 KOSの会参加
12月2日
第11回香川県眼科セミナーの翌日11月17日にKOSの会に出席しました。
香川県の眼科手術医が集まり症例検討などを行う会です。
会場は前日のセミナーと同じく東急イン高松で開催されたのでそのまま東急インに宿泊しました。移動しなくてよいのは本当に楽です。
チェックアウト時間から開催時間まではマッサージを受け心身共にリフレッシュして会に臨みました。
合計7題の演題がありました。
以下備忘録です。
睫毛乱生に対するLid splitting法については。
・瞼縁から3ミリにマーキング
・麻酔は瞼結膜から行う。
・挟瞼器で止血と同時にテンションもかけられる。
・眼輪筋はしっかり取らないとローリングしてうぶ毛が当たる。
術中の眼圧測定には
・アイケアプロなら仰臥位でも測定可能。価格は4000ユーロだが日本では倍以上。
眼内レンズ度数ずれに対するピギーバック法については
・必要な眼鏡度数/0.7の度数のレンズをアウトに挿入するとよい。
±5D以内のズレはこれで対応できる。
・逢着で糸がもつれないようにするには2時8時への逢着が良い。
その他眼窩リンパ管腫、眼内レンズ亜脱臼例の片足逢着、コーツ病への乳児期のレーザー症例の発表がありました。
次回が楽しみな会の一つです。
第11回香川県眼科セミナー参加
11月28日
11月16日に上記セミナーに参加しました。会場は松の東急インです。
一般講演は症例報告が2題で、 1題はp.acnesが原因の感染性眼内炎。もう1題は眼付属器由来と思われるアポクリン腺癌でした。
硝子体術後の眼内炎の症例はサルコイドーシスの既往もあったので、ブドウ膜炎の再燃か感染性眼内炎か非常に迷ったようです。
p.acnesは細胞内寄生し、サルコイドーシスの原因となるという論文もあるそうで、ますます頭がこんがらがります。
どちらも珍しい症例でしたが、特に後者は汗腺由来の眼そのものが滅多にない上に殆どがエクリン腺由来らしくアポクリン腺由来のものは極めて珍しいとのこと でした。
腋下、乳暈に発症することが多く眼付属器に発症することは稀だということです。
悪性度が強く一旦増殖しはじめるとその速さは凄まじいようです。
特別講演は鳥取から松浦一貴先生がいらっしゃいました。
このところ白内障手術における術後感染予防の切り札として抗生剤の前房内投与が注目されています。
ベガモックスの前房内投与に関しての臨床研究で日本の第一人者といってもよい松浦先生のご講演ですので、いつもより出席者も多かったようです。
数年前の学会でベガモックス前房内投与の発表に質問をして以来学会で会うたび挨拶する関係になり、互いの論文のやり取りをしたり、先生の研究に筆者が協力 したりでメル友のようになっておりましたので香川に来て下さったのはとても嬉しいことでした。
以下備忘録です。
術中に眼科医ができることとしてヨード剤による点眼、洗浄とベガモックスの前房内投与の話題がありました。
・0.25%のヨード剤、具体的には40倍希釈のイソジンか8倍希釈のPAヨードで洗う方法については原法のように手術開始から終了までかけ続けると一定 の率で角膜障害が出るので、陽圧時のみかける。特にIA終了後はヨードが眼内に入った場合に洗浄される機会が無くTASSのリスクもあるのでかけない。
・前房内に抗生剤を投与した時の半減期は1時間。2時間有効濃度を保てば最近の増殖は阻止できる。
そのためにはベガモックス25倍希釈が適切。
5mlに5滴、3mlに3滴入れれば丁度25倍希釈になる。
・15秒間前房にフラッシュすれば9割方前房は置換される。
・三好先生の10倍希釈の場合の濃度は
投与直後(9割置換とみなして) 450μg/ml
1時間後 225
2時間後 113
3時間後 56
CNSの耐性株のMIC90が32μg/mlなので3時間まで有効濃度を保てる。
・結膜下注射は頻回点眼と濃度は殆ど変らない20μg/ml前後。
・前房内投与はディスポ針を勧める。再滅菌の針でTASSの可能性。
・ヨードは100倍希釈が一番有効。乾かないと効かないというのは都市伝説。原液が効くのに100倍より時間がかかるのでそれが誤って伝わった可能性があ る。
大変興味深いご講演でした。
終わり
大橋裕一 愛媛大学教授就任20周年祝賀会参加
11月25日
臨床眼科学会の翌週に我々の師匠である愛媛大学眼科教授大橋先生の教授就任20周年祝賀会がひらかれました。
若くして教授に就任しない限り20周年はありませんので、これは本当に素晴らしいことです。
ところが来賓の鳥取大学井上教授が祝辞の第一声で「20周年と書いてありますが、21年じゃないかと思うんですが。」と爆弾発言をなさいました。高校から 大学院、留学先まで全て大橋先生のコピーをしていき最後の愛媛大学を鳥取大学に変えると井上先生の経歴になるということで、この点に気づかれたのかもしれ ません。
筆者は全く気づきませんでしたが確かに1992年7月に愛媛大学に着任で、今年は21年目にあたります。決して間違えたわけではなく諸般の事情で祝賀会は 21年目となったとのこと でした。
大橋先生着任前の愛媛大学眼科は事実上崩壊していたらしくその時代には、人員不足のため眼科は研修医一年目のI先生が全科の講師レベルが揃う病棟医長会議 に出席していたとか、筆者が研修医の時の助教授K先生が30日以上連続当直をしていたとか、嘘かまことか物凄い伝説が残っています。
容子医師は大橋眼科の第2期生にあたり、このころは医局崩壊の名残りがあり、初めての手術助手についてくださったのが教授で、研修医との距離も近く、色ん な事を手取り足取りり教えてもらったようです。
1期生や2期生を見ていると教授との距離感が我々世代とは違うことを感じます。混沌から秩序が出来ていく時代のしんどさと熱気を垣間見ることができます。
筆者は7期生にあたり、かなり体制も固まってきており、研修医の手術助手に教授がつくというのは考えられない状況でした。
教授のリーダーシップの下、愛媛大学の眼科はアクテイブな医局とみられるようになりましたが、最初の10年は崩壊した医局の建て直しに使われています。
歴史にifはないというものの、もし他大学の眼科の教授になっておられればどれほどの実績が残されたのだろうか?いやしかし自由人の雰囲気漂う大橋先生に は伝統ある医局を引き継ぐよりも0からのスタートの方が寧ろ似合うなあ。
などと考えているうちに会が終了しました。
器の大きな師匠に恵まれ幸運でした。あと少し我々を導いて頂ければと思います。
第67回 臨床眼科学会総会出席 その4
11月21日
サンライズ瀬戸は特急ですので当然車掌さんによる検札があります。
上記の寝台券を見せると車掌さんから渡されるものが2つ。
一つ目は巾着です。
もう一つはシャワーカード。
サンライズ瀬戸にはシャワールームがあり、このカード一枚で6分間シャワーを使えます。
巾着の中身をベッドに広げてみました。
歯ブラシやタオル、石鹸、靴拭きなどホテルに置いてあるアメニティグッズは一通り揃っています。
サンライズ瀬戸のシングルデラックスは風呂とトイレが部屋に無い点とやや狭い点以外はビジネスホテルの部屋と殆ど遜色は無い部屋です。
アメニティグッズは最近のビジネスホテルでは準備されていないことも多いのでその点ではホテルを上回るといえましょう。
さて肝心の学会ですが、強行軍で疲れ果てメモも出来ず、身に付いたことは余りありませんでした。楽しみにしていた機会展示も何と日曜日には既に撤去されて いて見ることができないまま終わってしまいました。いつもの備忘録も書きにくい状況です。
・眼瞼下垂では術式一つでは対応できない。色々な術式を知っておく必要あり。
・マルチフォーカルのコンタクトレンズ処方では片眼での視力は測らず両眼のみで測り、視力を追及しすぎないこと。いくらやっても駄目な人は駄目。諦めるよ う説明することも大切。
帰りのサンライズ瀬戸に乗り込むと「まるお先生」とどこからともなく声がしました。
びっくりして辺りを見回すと何と指定の隣の部屋で浴衣姿の愛媛大学の後輩がでベッドにねころんでいるではありませんか。彼は卒業後には他大学の眼科に入局 したため、学会以外で会うことは殆どなくなってしまいましたが、まさかサンライズ瀬戸で会うとは。
ホームでは姿を見なかったし、浴衣に着替える時間はないはずなので聞いてみると学会後東京まで行って東京駅から乗ったということです。窓から外を見ていた ら横浜駅のホームに我々が立っているので驚いて声をかけてくれたのでした。
久しぶりにゆっくり話したかったけれども、時間も遅く彼も浴衣でくつろいでいるので挨拶だけして自分の部屋に行きました。
この一連の記事を書いている最中に、北海道新幹線の実現とともに寝台特急を廃止するというニュースが流れました。
人気の北海道行き豪華寝台特急のカシオペア、北斗星、トワイライトエクスプレスが全て廃止ということで、残る寝台特急はJR九州の超ド級の豪華寝台ななつ 星とこのサンライズ瀬戸(出雲)のみとなるかもしれません。
鉄道ファンというわけではない筆者ですがサンライズ瀬戸に乗って寝台特急の良さを知り、いつかトワイライトエクスプレスで北海道に行ってみたいと思ってい たところでしたのでショックです。
サンライズ瀬戸まで廃止にならないように微力ながら関東方面の学会では出来る限り利用したいと思います。
終わり
第67回 臨床眼科学会総会出席 その3
11月6日
サンライズ瀬戸の個室の入口を開けました。
まず正面には鏡付の洗面台と荷物置きがあります。壁側にコンセントがあり作り付けの机と椅子にコップも用意されています。
窓側にはベッドとゴミ箱。
ベッドの上にはスリッパと浴衣まで置いてあります。
ベッドサイドには照明やオーディオ、エアコンのコントロールパネルがあります。
洗面台側から入口を見てみましょう。
ハンガーも用意されています。
オリエント急行というわけにはいかないでしょうが、一晩を過ごすには充分過ぎる設備ですね。
つづく
第67回 臨床眼科学会総会出席 その2
11月14日
さてサンライズ瀬戸の中を紹介してみます。
今回はシングルデラックスという最高の寝台をとりました。寝台料金は下手なビジネスホテルより高くつきます。しかし寝ている間に目的地に到着するのでホテ ル宿泊より時間を有効に使えます。
学生時代なら夜行バスで松山から東京に行ったことも何度かあります。しかし年齢を重ねると体に無理が利かずよく眠っておかないと翌日にひびきますのでここ は奮発しました。
列車は2階建て構造になっており階段の上にシングルの部屋が、下側にはツインの部屋があります。今回は夫婦での参加なのでツインをとりたかったのですが、 往復とも売り切れでした。
列車内部は全体に木が使われている雰囲気です。これは本当の木材から作った樹脂だそうです。完全な合成樹脂の安っぽさは全くありません。
階段を登ると左右に部屋があります。
入口にはナンバー式の電子錠があります。
では開けてみましょう。
つづく。
第67回 臨床眼科学会総会出席
11月11日
11月3日に横浜で開催された学会に出席しました。
眼科のあらゆる学会のうちで最大規模のもので、全国から眼科医が集まり、開催期間も10月31日の木曜日から11月3日の日曜日までと長期にわたります。
八百万の神々が出雲に集まり他の地域からは神様が居なくなってしまうことから十月のことを神無月というのは中学時代に古文の授業でならったことで す。
この臨床眼科学会は毎年10月、神無月に開かれることが多いのですが、学会のある日は地元から眼科医が居なくなり、外傷や網膜剥離などの救急疾患では紹介 先を探すのにいつも困り果てます。
筆者らも2人で木曜日から参加したかったのですが、何せ眼科医の大半が出雲ならぬ横浜に集まりますから代わりの診察を頼むのは事実上不可能なのです。
結局土曜日午前まで2人でフルに外来をして、夜行列車で横浜に向かい、日曜日だけ学会に参加して日曜夜にまた夜行列車で観音寺に戻るという強行軍で参加す ることになりました。
夜行列車はサンライズ瀬戸。絶滅寸前の寝台特急で高松発東京行きです。岡山で出雲市発東京行きのサンライズ出雲と併結運転される列車で、鉄道マニアの間で は有名なようです。四国内では坂出にも停車するので、坂出から横浜までの寝台券を買いました。
観音寺発の特急いしづちに乗ると坂出での乗り換え2分でサンライズに接続できるのでとても便利です。
ところが当日いしづちが13分程度遅れており、坂出での接続は無理な状態になってしまいました。サンライズは岡山で接続を待っているので岡山までは快速マ リンライナーで行ってくれ、と観音寺駅の駅員さんに指示されました。
坂出で乗車出来れば後は横浜に着くまでごろりと寝転んでいられたところを空席や乗り換えを気にしながら快速で行かねばならないのはずいぶん損をした気分で すが仕方ないですね。高い寝台料金を払っているのだからせめてマリンライナーはグリーン車に乗せてもらいたいところです。
マリンライナーも少し遅れた気がしますが、サンライズ瀬戸は岡山で待っていてくれましたので無事乗車出来ました。
本来なら坂出で乗車前の入線時に写真を撮りたかったところですが、時間的余裕がなく到着時に写真を撮ったので背後は横浜の空です。
つづく。
第9回香川県眼科手術シンポジウム 参加 その2
11月5日
ここからはいつも通りの備忘録ですので、眼科医以外には意味不明の点も多いかもしれません。
・顔面にも黄金比のようなものがある。
上図の様な顔を人間は一番美しいと感じるということです。一番勉強になりました。
人気アイドルでもこの比率に当てはまらない人がいて、髪型で工夫をしていると顔写真を例にとり解説しておられました。
・睫毛内反に対する埋没法は分厚い瞼には無理。日によっては二重になるような症例に向いている。あくまでも仮止めに過ぎない。
・セレクト美容塾の眼瞼はお勧め。
・皮膚眼瞼挙筋固定法では固定用の糸は6-0又は7-0のPVDFがおすすめ。クラウンジュンから出ている。徳田先生の眼内レンズ固定用の逢着糸と同じ材 質。
・内側はしっかり、外側はゆるめに掛ける。デザインで8割決まる。輪部より少し内側にかけるとよい。
・眼瞼下垂 定義はMRD<3.5ミリだが日本人なら<2.5ミリと考えて良い
・内眼手術後の眼瞼下垂は平行に開かず内側の開きが大きくなるタイプの開瞼器がハイリスク。
・術前の写真との比較が必要。女性の場合眉毛を書く位置を尋ねることが大事。
・術後の下垂は6か月は待つこと。自然治癒が多い。3年かけてなおったものもある。
・reverse ptosisといって下眼瞼が上に上がるものがある。ホルネルで生じる。
・MGでは上方中止負荷テストとアイスパックテスト(テンシロンの代用。2分アイスパックを当てる)が有用。
・ホルネルでは1%ネオシネジン点眼が有用。ただし中枢性のホルネルは否定しきれない。
・皮膚弛緩症の手術で眉毛下切除をする場合は麻酔のシリンジはロック付にしないと、針が外れて飛ぶ。
・白壁法で皮膚を引きはがすときは助手に押さえさせる。
・真皮縫合では両外側から行いdog earを避ける。止血をしっかり。
5-0PDSで行うと溶けるまでが長いので充分なテンションを保てるし抜糸の必要がない。
マーキングをしておく
↓ ↓
----------------------------
切開線
----------------------------
↑ ↑
・瞼の縫合のカーブを一発で決めるには瞼板を持って実際に綺麗なカーブが出来るところに止める。
・眼窩の脂肪が出てきたときは決して引っ張り出さない。はみ出た分のみを切除。引っ張り出すと3重瞼になる。
以上非常に勉強になりました。
の ま眼科
では眼科医の見学を積極的に受け入れておられるようなので
機会をみつけて一度見学させて頂きたいと思います。
終わり
第9回香川県眼科手術シンポジウム 参加
10月31日
10月5日土曜日に手術シンポジウムに参加しました。
眼形成分野では全国レベルで活躍されている広島の野間先生が特別講演の講師です。
講演のタイトルにもあるように眼形成分野は眼科分野と形成外科・美容外科分野のオーバーラップする分野です。
単純化すると瞼の手術だと思っていただければよいでしょう。
一般の眼科医は眼の球ばかりを見て眼の球を手術しているのでいるので眼形成を専門とする眼科医以外は瞼の手術にはそれほど積極的ではありません。
瞼の手術はたとえ眼科で行うとしても美容的な側面が欠かせないので
どうしても二の足を踏んでしまいがちです。
長い間逆睫毛に悩んでおられた70代の女性の手術をして逆睫毛はしっかりなおり「コロコロしなくなったでしょう。」と尋ねたら「コロコロはしなくなったけ ど、器量が悪くなった。」と言われてがっくりした覚えが筆者にはあります。
美的感覚は個人差が大きいので、この辺を専門家はどのように解決しているのか?タイトルを見ただけでも興味深いですね。
つづく
笠田地区眼科講演会 その3
10月28日
用意されていると思っていたプロジェクターが会場になくて困り果てた筆者です。
HDMI接続のできる大型テレビが事務所にあるのを発見したものの、接続ケーブルがなく、どうするか悩みました。
まよったすえに、まるお眼科までHDMIケーブルを取りに帰ることにしてその間に 公民館事務所の薄型テレビを会場に移動して頂きました。
会場に設置された薄型テレビです。右のホワイトボードか左のカーテンくらいの大きさのスクリーンに投影するつもりだったので、かなり小さな画面になってし まいましたが、これで予定通りの講演ができます。
結局15分程度遅れて講演を開始しました。
白内障、緑内障の説明をし、病気の話ばかりでは集中力がもたないでしょうからこのホームページをネタにして自己紹介などして、さいごに
糖尿病網膜症について話しました。
出席者は50人程度で天気が悪かった割にはそれなりに来て下さったようです。前回の講演会でも思いましたが、眼科の病気に対する関心は高いようです。
今後もこのホームページや講演などで三豊・観音寺地域に眼科についての情報を発信していきたいと思います。
終わり
笠田地区眼科講演会 その2
10月24日
当日はあいにくの雨でした。
講演会の出席者は少ないことが予想されますが外来の患者さんも少ないでしょうから外来が早く終わったら予行を兼ねて全てのスライドのチェックをしようと 思っていました。ところが雨の割に患者さんが多くなかなか外来が終わりません。
終わった後に雑用をしているうちに気づいたら昼ごはんを食べる時間を逃してしまい、軽くせんべい程度を齧って会場に向かいました。
会場はすぐ分りましたが駐車場がいっぱいです。苦労してなんとか空きスペースに止めて窓を見ると
窓に講演会のポスターが貼ってあります。
会場に入ってプロジェクターにパソコンを接続してテストしようとしたら、
プロジェクターがどこにもありません。
副会長さんがプロジェクターを準備しておくと仰っていたのですが、手違いで準備されていなかったようです。
会場に大型テレビはあるのですが、古いブラウン管タイプで入力端子がコンポジットしかありません。
手元に渡す資料は用意してきたので、それに基づいて喋るしかないかなあと思いつつ事務所に行くと薄型の大画面テレビがあります。
横を見るとHDMI入力がありました。これならパソコンに接続できます。
しかし、案の定HDMIケーブルはありませんでした。
講演開始時刻は刻一刻迫ってきています。さてどうするか?
つづく
笠田地区眼科講演会
10月21日
このホームページでも告知したとおり10月5日に笠田地区の公民会で眼の病気の講演会を行いました。
主催は笠田地区の老人会、笠田松寿会です。
老人会が主催で出席者も高齢者メインということだったので、タイトルは「中高年によくある眼の病気」ということにしました。滅多にない病気の話をしても興 味はもてないですからね。。
当然白内障、緑内障は外せません。
約一年前には豊中町女性会議が主催の講演会を下記のように行いました。
この時は女性中心の出席者で比較的若い年齢から高齢者までが対象だったので「よくある眼の病気」という演題にして、若い人向けにアレルギーやドライアイ、 中年以降向けに緑内障そして高齢者向けに白内障について話しました。
緑内障、白内障はネタがかぶりますが、「よくある」以上はしょうがない、まあ似たタイトルなので前回来てくれた人は今回は来ないだろうと思っていたとこ ろ、「また聴きに行きます。」と複数の患者さんから言われてしまいました。
有難いことですので、急きょスライドを作り替え前回になかった話や動画も付け加えることにしました。
また病気を3種類に限定することにして失明原因の第二位である糖尿病について話すことにしました。
つづく
秋祭り
10月17日
10月12日の土曜日の外来中にドンガラガシャン、カンカンと物凄い音が聞こえてきました。
何事かと思いましたが、いつの間にか秋祭りの時期になっていたのですね。まるお眼科の駐車場に祭りの太鼓がやってきたのでした。
子供たちが車寄せのところで太鼓をたたいてくれます。
獅子も舞ってくれました。
まるお眼科の患者さんの病気を獅子が祓ってくれたことでしょう。
第6回讃岐眼科臨床交流会参加
その3。
10月15日
特別講演終了後は症例提示が2題ありました。
まず栗林病院から高周波ラジオ波メスを使った斜視の手術の症例提示です。
ラジオ波メスは眼瞼の手術で最近人気のメスです。金属メスと違って切開と止血が同時にできるので非常に便利です。
ただし同じく人気の炭酸ガスレーザーと比べると止血効果は弱いと複数の医師から聞きます。結局両方購入してラジオ波メスは使っていないという先生も居ま す。
斜視手術に関しては瞼の手術と異なり、炭酸ガスレーザーは使いようがないので、ラジオ波メスの独壇場になります。見ていると確かに出血が少なく画面が綺麗 でした。
2題目は筆者からの症例提示で、中年男性の高校生ころから続く視力低下と頭痛などの症例です。内斜位と弱視を疑わせる視力低下があるので香川大学の斜視・ 弱視外来に紹介した症例ですが、まだ受診してないようなのでこの機会に提示してみました。
紹介先の先生と直接やりとりできるのは有難いですね。蔭山先生からの回答が届くのが楽しみです。
その後は世話人の1人として情報交換会で乾杯の音頭をとることになってしまいました。
自分の感覚としてはついこの間研修医が終わったばかり、という感覚なのですが、世話人になったり乾杯の音頭をとったりと、もはや若手医師ではなくなってい ることを実感した会でした。
終わり
第6回讃岐眼科臨床交流会参加 その2
10月10日
会場の東急インにつくとまだ会場は設営中です。
時間に余裕があるので荷物を預けて、久しぶりに紀伊國屋に行くと本の配置がガラッと変わっていてとまどいました。
本を物色しているとよい時間になったので会場に向かいました。
今回の特別講演は香川大の蔭山先生による「日常斜視弱視診療におけるコツとたまにある落とし穴」です。
つづく
第6回讃岐眼科臨床交流会参加
10月7日
9月28日土曜日に讃岐眼科臨床交流会に参加しました。
香川県の若手眼科医師が出身大学の垣根を越えて親睦を深めるとともに臨床能力の向上を図るという目的で香川大学を中心に結成された研究会で、第5回からは 香川大学以外に岡山大学、川 崎医科大学、徳島大学、愛媛大学出身者から一人ずつ世話人が出ております。
県内の眼科医で愛媛大学出身者は当時は我々2人だけだったので消去法で筆者が世話人の1人となっています。
ふだんなら観音寺駅から特急で高松に向かうところを今回は本山駅まで歩いて行き各駅停車で高松まで行ってみることにしました。
外来後に雑用をしていて昼ごはんを食べる機会を逃してお腹もペコペコですから、ゆめタウン三豊の花まるうどん腹ごしらえをして駅に向かいます。
まるお眼科から本山駅まで歩くのは初めてだったので余裕をもって出発したつもりでしたが、うどんを食べているうちに時間が過ぎてしまい、あせって速足で歩 いてみると15分程度で到着です。思ったより近いことが分りました。
本山駅に着くと、なんとなんと駅のうどん屋が開いているではありませんか。香川に住んで4年。何度も本山駅に来たことはありますが、このうどんやが開いて いるのは初めて見ました。もしかしてつぶれているのか?まだやっているなら機会があれば是非一度食べてみよう、とおもっていたので今日は最大のチャンスで す。
時間的にはうどんの一杯くらい食べる余裕はあります。そうは言ってもさっきうどんを食べたばかり。「食べるべきか、食べざるべきか」とハムレットのごとく 迷いに迷いましたが、時間はともかく胃袋に余裕がなかったので泣く泣く諦めました。ゆめタウンでうどんを選んでいなければ、と後悔しきりです。
さて、予定通りの各停に乗り特急ならそろそろ高松駅に着こうかというくらいの時間が過ぎた気がして、ふと窓から外を見ると城が見えます。まだ丸亀?と新鮮 な気もちになりました。
まるお眼科を開院してからはとにかく時間に追われっぱなしで、ゆっくりものを考える時間がありません。駅まで歩いてみたり、各駅停車に乗ったりした せいで、青春18きっぷを使って鈍行で出雲や津和野を旅した学生時代を思い出しました。もう20年前かと感傷的になり
鈍行だと松に行くのも単なる移動ではなく、センチメンタルジャーニーとなります。
センチメンタルジャーニーといえば「伊代はもう40だから♪」と歌ったギター侍が一世を風靡したのさえ、はや10年くらい前か?
などとあほなことを考えているうちに鈍行でも松に着きました。
つづく
西讃岐眼科研究会参加
10月3 日
9月26日に本年3回目の西讃岐眼科研究会に出席しました。
三豊総合病院、白井病院、こどもとおとなの医療センターが交代で世話役を務めてくれる症例検討会です。
以下備忘録です。眼科医以外には何のことかわからないと思います。
・光学的眼軸長測定のうちIOLマスターではパーソナルA定数を求めるのが簡単なので、是非やるべき。
・同名半盲がありCT,MRで異常がなくても、OCTのGCCでは対応した部分に異常が出ている場合がある。逆行性の変性か?OCTも是非やるべき。
・TS1での角膜障害は角膜上方から中央へ刷毛でこすったようなパターンが多い。
TS1以外の抗がん剤でも角膜障害発症する。肺腺癌用の内服薬。フルオでそまらない線状の濁り。
・通称「眼科窮屈症候群」という病態がある。間歇性内斜視とも言われ、固定内斜位と同じ理屈で内斜視になる。眼窩と眼球の相対的大きさの問題で、強度近視 でなくても眼球がはまり込む。通常は小顔の若い女性に多い。
画像を冠状断で撮影しないと確定診断つかない。
・片眼性の眼瞼下垂にはギランバレーの特殊型の場合もある。動脈瘤とMGは当然考慮。
・FEVRの鎌状剥離もレーザーの適応あり。
・白内障術中、レンズ挿入後OVD洗浄時の虹彩脱出あり。女性で高血圧の既往もない。アーリーでもなく原因不明。対応はオビソート注入、縫合してバイマ ニュアルなど。
・デスメ剥離後の角膜混濁あり。接着はしている。ビスコートが間にはいってしまったか?
手術室の停電対策
その3。
9月30日
建物の設計段階から手術機械だけは発電機を使えるようにしている当院ですが、実際の停電状態では少なからず精神的動揺が あると思われます。
いざという時にスムーズに発電機が使えないようでは何のための設計か分りませんので、職員と停電時のシミュレーションをしてみました。
手術室はご家族が見学できるように窓を大きくとっていますが、ブラインドを全開にしても雨の日はかなり暗く、助手の手元は見えにくいであろうことに気づき ました。
そこで懐中電灯は必須として、手で持たなくてもよい様にランタン型の証明も準備しました。
これまでは筆者がオペレーターの時に停電した場合は術者を交代して、筆者が自家発電への切り替えをすればよいと考えていました。
しかし停電時には水道の自動水栓が働かないし、水道のある準備室は手術室より更に暗いので、出来ることなら交代はしない方がよいと考え直して停電時のマ ニュアルを作製しています。
この作製したマニュアルで職員が切り替えをやってみたところ上手くできました。
たとえ数時間の停電があってもその日の手術は安全に終わらせることができる自信が得られました。
終わり
手術室の停電対策
その2。
9月27日
停電時の手術器械用の発電機を導入している当院ですが、室内では使えない発電機であるため、どうやって使うか?という問 題が あります。
じつは設計段階でこの発電機の使用を考えており、屋外に発電機を繋ぐための電源ケーブルをあらかじめ設置しているのです。
配電盤で切り替えると発電機からの電気が手術室に流れるようになっています。
手術中に停電があっても手術用顕微鏡と白内障手術機械だけは2時間以上使用できるのです。
総合病院では人工呼吸器で呼吸している患者さんがいて、呼吸器は絶対停止させるわけにはいかないので停電時は自家発電に切り替わるようになっています。
東北の大震災以降、自家発電を準備するリニックも増えてきているようですが、ネットで調べる限りでは圧倒的に産科クリニックが多く、眼科ではまだまだ普及 していないようです。
つづく
手術室の停電対策。
9月24日
この数か月で2,3回クリニック周辺地域で停電がありました。
数秒で復帰したので、クリニックの業務に支障はありませんでした。
電子カルテはサーバーを無停電電源に繋いでいるので、数分の停電であれば、特に問題はありません。長時間の停電ではどちらにせよクリニックそのものが運営 不可能となりますので、その日は休診にするしかないでしょう。
問題となるのは手術です。
手術室も顕微鏡と白内障手術機械は無停電電源に繋いでおり、通常の手術であればバッテリーが放電しきる前に終了出来ると思います。
しかし、何が起こるか分らないのが手術であり、えてして長引いたりするときに限って停電したりするものです。
手術は一旦始まったら途中で終了というわけにはいきません。なんとしてでも完遂する必要があります。
その対策として当院は2時間以上連続発電可能な発電機を導入しています。
この発電機はガソリンではなく、カセットコンロ用のガスボンベでエンジンを回し発電するもので、ガソリン式よりも手軽で、しばらく使っていない時にも再使 用がしやすいことが特徴です。
しかし、ガソリン式ではないといっても、これもエンジンではあるので、室内での使用は厳禁です。
手術を完遂するために一酸化炭素中毒になってしまっては本末転倒ですね。
ではどうするか?
つづく
講演会のおしらせ
9月20日
10月5日に眼の病気についての講演会をすることになりました。
主催:松寿会(笠田の老人会)
時間:14時から15時
会場:笠田公民館(笠田小学校隣り)
入場は無料ですので、お気軽にご参加ください。
ガーデニング続報
9月17日
夏の間は少しも雨が降りませんでしたが、9月に入って台風が来たり、梅雨かと思うくらいに雨が降りました。
その時期の職員駐車場の植栽です。
全然水がはけずプールの様に水が溜まっています。
春に植えたアイビーが梅雨の時期に枯れたのはこの水はけの悪さが原因ではないかと推測します。
冬も梅雨も夏も生き抜いたのはハツユキカズラでしたので、新たに植えてみましたが、根付く前に水浸しになってしまいました。
こうなるとハツユキカズラの生命力に期待するしかないですね。
第15回 五国緑内障ラウンドテーブルディスカッション参加その4
9月12日
ワンポイントレッスンのコーナーの備忘録です。
・倒像鏡のグリーンフィルターを使うと、カッピングやNFLDが捉えやすい。
・奥目の眼圧測定には睫毛をセッシでつかんで持ち上げると測りやすい。
・眼圧は右見て、左見て、また右見て。最初は1から2mmHg高く出ていること多い。
・βブロッカー点眼使用前にはSPO2とpulse測るとよい。
pulse<50だとAVブロックの可能性あり。
SPO2<96%、pulse>90はCOPDを疑う。
症例検討会ではレクトミー後の真菌性強膜炎とUGH症候群の報告がありました。
レクトミー眼に真菌が感染すると厳しいですね。主治医の先生の辛さが想像できます。筆者は白内障術後の放線菌による強膜炎を経験し治療に難渋したことがあ りますので、お役に立つことがあればと思い二次会で演者の先生に経験を話しました。
UGH症候群というのはuveitis、glaucoma、hyphemaの頭3文字からつけられた名前で、その名の通り眼内レンズ眼に発症するブドウ膜 炎、緑内障、前房出血を主体とする症候群だそうです。
眼内レンズのループが虹彩に接触して線維柱帯と内皮に障害が発生するという病態です。
前房レンズで起こりやすいが、後房レンズでもループの固定が悪いと起こりやすく、眼内レンズ抜去により治療できるが、抜去自体は侵襲が強いので慎重に適応 を判断する必要があるとのことでした。
この会は非常に勉強になるので、次回も参加したいと思います。
終わり
第15回 五国緑内障ラウンドテーブルディスカッション参加その3
9月9日
特別講演は「長期管理のノウハウ−今すべきこと−」という演題でした。
以下備忘録です。
・ロウティーンのNTGを無治療で経過を見た場合、視野が進行しない場合がある。一方眼圧が下がっていても進行する場合がある。
・PEは眼圧の変動が激しく、進行が速い。
・血管新生緑内障には抗VEGF+レクトミーで対応。
・NTGでも眼圧変動が大きいタイプは進行が速い。
・奥目の患者の眼圧測定には額を押さえるセルロース板の位置をう上から見たときに顎台と一致させるように改造するとよい。
・奥目の場合アイケアで測るのもあり。
・NTGでは眼圧下降治療をしてもMD低下が−1.0dB/年になる割合が25から33%程度ある。こういう例ではDHが多発する。
DHは下耳側が6割、NFLD近傍が8割、無関係が2割。
・DHが一回でもあるだけで、視野の生存率は低下する。
・経過を見ると5年で2割、10年で3割、15年で5割にDHが生じる。
・DHが生じる前には−0.6dB/年がDH発生後は−1.0dB/年で進行。
・DHは頻発する時期とそうでない時期があり、頻発するときにMDスロープが低下する。この間眼圧には変化なし。
・近視のコーヌスはOCTでみるとPPAとは明らかに異なる。
・コーヌスをγゾーンとする解釈あり。
・−8D以上の近視または眼軸26.5ミリ以上の目は13%に視野異常あり。
・乳頭耳側に出現したスクレラルカーブチャーが有意に関係。
・コーヌスとPPAは慣れれば区別できるが難しいことも多い。併発型もある。
・コーヌスタイプはPPAタイプより進行が緩やか。
・コーヌスタイプはDHの頻度が少なく進行しにくい。
・固視点近くの暗転は中等度近視を伴う。
・両眼の視野を重ね合わせると日常の自覚的視野に近づく。
・書類作成にはパピルスが便利。
・韓国からイチョウの葉エキスが緑内障に有効という報告あり。
つづく
ガーデニング
9月5日
以前記事で職員駐車場の草を引いてアイビーを植えた記事をアップしました。
順調に根付いたと思ったら、梅雨の時期にこの一画が水浸しになって根腐れを起こしたのか?アイビーは全滅してしまいました。
そのうち盛夏になり、とても土いじりをする天候ではなくなったので、放置していたら、あっという間に雑草だらけになってしまいました。
しかしご近所さんに頂いたハツユキカズラだけは雨にも負けず、かんかん照りにもまけず元気に生き残っていました。
上の写真では奥の方に緑色の塊となって見えますが、今は葉の先端が白くなって花のように見えます。
季節もだいぶ良くなってきたのっで、職員と雑草を抜き、その後にバークという樹の皮を雑草対策になることを期待してしきつめ、更にハツユキカズラを植えて みました。
今度こそきちんと根付いてくれることを祈っています。
第15回 五国緑内障ラウンドテーブルディスカッション参加その2
9月2日
会が始まるとまずは世代交代のために世話人が変わることのアナウンスがありました。世話人の中で一番若手である徳島大学 のI先生以外の先生は全員引退となりました。長い間お疲れ様でした。
まず最初のセッションは海外の論文の興味深いトピックの紹介です。
今回は2種類以上の有効成分が一つの点眼瓶に入っている合剤についての話題の紹介でした。
以下備忘録です。
・主要国では緑内障点眼の上位10品目のうち半分近くは合剤が占める。
・CAIとアイァガンの合剤シンブリンザがFDAで認可された。
・トルソプトとアイファガンとチモプトールの合剤クリタンテックが存在しメキシコでは使われている。世界でメキシコだけ。
・ルミガンとチモプトールの合剤はガンフォート。
・エイゾプトとチモプトールの合剤はアザ(ゾ)ルガ。近く日本で認可?
・アザルガとコソプト(2%)の使用感の比較を以下に。(効果の比較ではないことに注意。)
眼局所不快感のスコアはコソプトが高く、アゾルガの方がコソプトより患者に好まれる。眼圧下降効果はほぼ同程度。
・エイゾプトとアイファガン(2%)の合剤VSそれぞれの単剤を比較すると合剤の方が眼圧が有意に下がる。(でないと合剤の意味がないが)。
クリタンテック(3剤の合剤)とコンビガン(チモプトールとアイファガン2%の合剤)では眼圧下降効果はクリタンテックが上。(これも当然)
・ザラカムvsキサラタン+アイファガン(0.2%)併用では一日平均の眼圧はほぼ同等。12時間後だけは併用群の方が眼圧が低かった。
・キサラタンからザラカムに点眼を変更すると平均2mmHg眼圧が下がる。
つづく
第15回 五国緑内障ラウンドテーブルディスカッション参加
8月29日
8月23日土曜日に岡山で行われた上記研究会に参加しました。
四国4県と岡山県を合わせた5県の緑内障専門家が一堂に会して、円卓(正確にはコの字型のテーブル)に着き、緑内障について語るという会です。
今回の会場は岡山駅直結ホテルグランビア岡山です。
三豊総合病院のF先生と同じ列車で行くことにしました。
旅は道連れで2人で喋っているうちにあっという間に岡山駅です。
チェックインしたあと、時間に余裕があるのでジュンク堂書店に行きました。
若いころはジュンク堂といえば本拠地である神戸以外では京都にあったかどうかという本屋でしたが、いつの間にか全国展開しています。
香川に引っ越してから第二の故郷愛媛では紀伊國屋松山店の撤退が発表され、引っ越した後で良かったなあ、と思っていたらあと地にはジュンク堂が入っていて 羨しい思いをしました。
色々本を買いあさり、コーヒーを飲んだりしているうちによい時間になったので会場に向かいました。
つづく
ヘッドフォンマイク修理
8月26日
インカム本体に異常は無く、ヘッドフォンマイクのコネクタ部分に接触不良があることは判明しましたので、壊れた方のヘッ ドフォンマイクを自分で修理してみました。
写真上が正常なもの。下は修理したものです。
まずは黒いゴム製のカバーをニッパで剥ぎ取ったところ、プラグは白い樹脂で固められており、配線は全く見えない状態になっています。
ダメ元で樹脂をニッパで割っていき、何とかリード線を見つけました。
しかし断線部がここだけとは限らないので他の配線が生きているのか調べてから修理をと思ったのですが、テスタを持っていないのでどこまで導通があるのか調 べるのに難儀しました。
あるものでなんとかしようと、パソコンで音楽を流してヘッドフォン端子からリード線を出して、断線しやすそうな場所に接触させて音が出るかを確認するとい う方法をとったのでひどく時間をとられてしまいました。
結局他に接触不良部分はなく、手持ちのヘッドフォン端子をはんだ付けしてそこをエポキシ樹脂で固めて修理終了です。
インカム本体につないだところ無事使えました。
かかった時間を考えると、その分を仕事に向ければ新品があといくつか買えたでしょう。
市場原理主義者からしてみればナンセンスな行為なのでしょうが、壊れた物が自分の手で生き返る喜びはプライスレスでした。
インカム不調
8月22日
当院では職員全員がインカムを身に着け、院内の情報を共有するようにしています。
しかしそのうち一台が送信は出来るが受診が出来ない状態に陥りました。
ヘッドフォンマイクの断線を疑い、他の物を取り付けても同じ症状がでるので購入先に修理依頼をしましたが、「本体は異常なし」との回答で、同じ症状がつづ く場合はヘッドフォンマイクごと送ってくれとの指示がありました。
同じ症状がでたのでヘッドフォンマイクも一緒に送ると、コネクタ部が曲がって接触不良になっているとの回答があり、新規にヘッドフォンマイクを購入しまし た。
ところが新品ヘッドフォンマイクでも症状が出ます。
最初に修理依頼をした時に「ヘッドフォンマイクを交換しても同じ症状が出る(から本体の異常だ)。」と言ったのに、と思いつつ色々やり取りし て、結局本体の設定スイッチがいつの間にか動いていて受診だけが出来ない状況になっていることが判明しました。
意図的に動かさない限り自然に動く様なスイッチではないので、当院の職員が動かしたとは思えないのですが、水掛け論になりますし、設定を元通りにして新品 ヘッドフォンマイクを取り付けたら症状は消えたので問題は解決してめでたしめでたしとなりました。
就活
8月19日
8月9日に当院の見学者が3人来院されました。
来院したのは開業を控えた眼科勤務医というわけではなく、医療事務職に就職希望の学生さんです。
スーツ姿が初々しいですね。
筆者は一度法学部を卒業しており、就職活動をしたこともあります。当時はバブルの最盛期で、「就活」という略語はまだ無かったころです。
史上最高の求人で、超売り手市場だったので滅茶苦茶いい加減な活動をした筆者でも複数の会社から内定がでました。
就職なんぞいつでも出来るという雰囲気があり、卒業と同時に結婚した同期の新婚家庭にお邪魔した時、同級生5人中仕事に就いていたのは2人だけで、あとの 3人はフリーターのはしりでした。今と違ってフリーターと言う言葉に肯定的ニュアンスがあった時代でした。
20年後の日本がこんな風になっているとは想像も出来なかったあの頃です。
四国の地には足を踏み入れたことも無く、まさか後に香川の端っこで眼科医になっているとは 個人的にも、これまた想像もできなかった頃です。
バブル最盛期での滅茶苦茶テキトーな就職活動でもそれなりにしんどい思いはありましたので、今の学生さんは本当に大変だろうと思います。
若い3人の就活が上手くいくことを祈ります。
手術用ベッド メプロ 追加購入 その2。
8月16日
超高級椅子タカラベルモント社のメプロの2台目を購入した理由とは。
それは耳側(角膜)切開の時に回転するメプロの方が便利だからです。
白内障手術をするときは患者さんの頭の方に手術する医師が座り、眼の上方(時計でいえば12時)の白目(強膜)に切開を入れるのが標準的です。
しかし緑内障のある患者さんで将来緑内障手術をする可能性があって白目の表面の膜(結膜)に傷をつけたくない場合や、奥目の患者さんで上方から切開するの が困難な場合は耳側に術者が移動して角膜(黒目)を切開することもあります。
右眼の耳側切開ではあまり問題になることがないのですが、左眼の耳側切開では顕微鏡のスタンドとベッドと術者が座る椅子が所狭しと並びます。
実際の手術では更に顕微鏡の操作用と白内障手術機械用のフットスイッチが床に並ぶので窮屈この上ないわけです。
単に窮屈なだけなら医師が我慢すればすむことなのですが、足がベッドに当たったりすると術野が揺れたり、フットスイッチの誤操作につながりますので、手術 の安全性にも問題が生じる可能性があります。
椅子の部分が回転するメプロであれば下の写真のように足元すっきり。余裕をもってフットスイッチを置けるのでより安全に耳側切開が行えます。
開院前の予想より耳側切開をすることも多くなってきたので、今回思い切って新たに回転するメプロを購入したわけです。
元のメプロはどうするか?
処置コーナーに移動しました。処置コーナーの椅子にメプロを使っているのは大学病院でしか見たことがありません。
搬入に来られた業者さんも全国的にも殆どないだろうと仰いました。
浮いた白い処置用ベッドは新規開業予定の友人に開業祝いとして養子に出すことにしました。お別れ前に2台並んだ姿の記念撮影をしておきました。
開院以来1年間頑張ってくれた処置用ベッドで、寝心地も良く別れは淋しい気もするのですが、処置用ベッドを2台置く余裕はないので仕方ありません。
今後も白内障手術の安全性向上のためには惜しまず投資を続けていこうと思います。
終わり
手術用ベッド メプロ 追加購入。
8月8日
眼科クリニックでは手術用ベッドは椅子からベッドに変化するタカラベルモント社のメプロを使うのが一般的です。
歯医者さんにある背もたれが倒れる椅子の眼科用ですね。
総合病院では他科と共通のベッドを使わざるを得ないことが多く、またストレッチャーで患者さんが寝たまま入ってくることもあったりするので、普通のベッド で手術することも多いです。
しかし眼科単科のクリニックでは患者さんが歩いて手術室に入ってくることが大半なので椅子からベッドに変形するタイプが便利です。
当院でも開院当初からメプロを使っておりました。
しかし、今回メプロを新たに購入したのです。
前のメプロとの違いは何か?
今度のメプロはベッド部分が回転するのです。
なーんだそんなことのために新たに椅子を買うなんて無駄使いじゃないの?と思われるむきもあるでしょう。
眼科関係者には常識ですが、なにせこの椅子は定価3ケタを超える超高級椅子なのです。イタリアの高級ブランド、カッシーナのソファ並みですね。
なぜくるくる回るだけで新たに買ったのか?
つづく
第2回アルコンサマーセミナー参加その4。オムレツ理論検証
8月5日
翌朝の朝食会場は15階と52階が選べるようになっています。三豊・観音寺地域に居る限りは縁のない52階を選びまし た。
まあ15階以上の建物も香川県内にどれだけあるのか疑問ですが。
とにかく眺めはよいですね。高層ビルを下に見下ろせるのですから。
流石日本三大都市圏です。
朝食会場を見渡すとありました、オムレツコーナーが。いよいよ友人である
西脇院長のオムレツ理論
を検証するときがやってきました。
ここではオムレツに入れる具材を自分で好きなようにとることが出来ます。貧乏性の筆者は当然全ての具材を入れ物に放り込み、シェフに渡します。
完成。
筆者は魚介類以外の動物性蛋白質はそれほど好んでは食べないのですが、これは見ただけでも美味しそうですね。
食べてみてもやはり中身がトロリとして美味でした。
しかし会場で一番気に入ったのは、中華粥です。
5月29日の当欄でも書いた大好きなコリアンダーが取り放題で入れられるのです。
久しぶりにコリアンダーの味と香りを堪能し 、お代わりまでして大満足で会場を後にしました。
オムレツ理論はこのホテルでも正しかったようです。
終わり
第2回アルコンサマーセミナー参加その3。
8月1日
講演も終了し、情報交換会で知り合いの先生と少し話をした後会場をあとにして、向かいの高層ビルに行ってみました。
42階までの直通エレベーターにのると、吉兆だの福臨門酒家だの、名前は聞いたことあるけど一生縁は無いだろうなあ、という店が目白押しです。
更に展望フロアがあり有料ですが行ってみることにしました。入場料700円を払って、エスカレーターで登ると46階の表示があります。
ドアを開けてフロアに出ると割と強めの風が頬にあたります。夜なので見ただけでは分りませんが、ここは屋上になっていて、屋根がある部分と無い部分がある ようです。
しばらく夜景を見ていると、しゅーっという音とともにスモークが出てきてライトが床から照らされしかも色がどんどん変化していきます。
どうやら夜は定期的にこの演出があるようで、たまたま筆者が登った時間がそれにあたったのです。
なるほど周囲にカップルが多いわけですね。
つづく
停電
7月29日
7月27日の診察中に突然部屋が暗くなり、診察用の顕微鏡のライトも消え、電子カルテの画面も消えてしまいました。
開院して約一年で初めての停電を経験しました。
電子カルテのサーバーには無停電装置を取り付けていますが、端末には取り付けていません。
ほんの数秒で復帰はしましたが、電子カルテが通常どおり作動してくれるのかドキドキしました。
丁度スリット写真を撮影しているときの停電だったので、画像ファイルを確認すると一部は消えましたが、一部は残っています。
つづきを撮影して保存したものを見ようとすると保存が出来ません。仕方ないので諦めてその患者さんの診察は終えました。
念のため一度電子カルテ端末の電源を落とし再度入れ直すと、画像ファイリングシステムが正常に動作し、保存できるようになりました。
今回の停電じは数秒で済んだものの、電子カルテを導入してしまうと本当に心配になります。
まあ内科なら聴診器と血圧計や打診などでわかることも多いのでしょうが、我が眼科は顕微鏡を使って診察するので、紙カルテであっても停電してしまうとお手 上げにはなるのですが。
第2回アルコンサマーセミナー出席 その2。
7月26日
コーヒーブレイクの後の特別講演Vは藤田保健衛生大学の堀口教授によるものです。
黄斑上膜に対して白内障・硝子体同時手術をし、術後点眼の抗炎症効果をフレアセルメーターで調べたものです。
NSAID点眼としては最後発のネバナックと20年以上の歴史のあるじクロード、そしてステロイドのなかでも強力なリンデロンAを比較し、更にはネバナッ クとリンデロンAの併用群も比較対象とする興味深い研究でした。
術前、術後1週間、術後1か月を比較して、基本的には4群間に有意差はなかったということでした。
ネバナック単独群とネバナック、リンデロンA併用群に差が出ないというのは面白いですね。
当院では白内障術後は原則ステロイド点眼を処方しておりません。これはステロイドでヘルペスを誘発したりする可能性を恐れてのことですが、より侵襲が強い と考えられる硝子体同時手術でもステロイド併用の効果は見られないのならば、白内障単独の抗炎症にはNSAIDのみで十分という可能性を示唆する結果でし た。
ただ術前のフレアが高い群に限定すると1週後、1か月後ともにネバナック単独群よりネバナック、リンデロンA併用群の方が有意に炎症が少なかったとのこと です。
炎症眼にはリンデロンを追加したほうが無難なようですが、大学病院ならともかく、フレアセルメーターはどこにでもある機械ではないところが難しいところで す。
高齢者や糖尿病を合併している症例ではリンデロンを追加したほうがよいかもしれません。
つづく
第2回アルコンサマーセミナー出席。
7月23日
7月20日に第二回アルコンサマーセミナーに出席しました。
土曜18時の開始で、場所は名古屋ですので、外来終了後余裕で、とまでは行きませんが、何とか間に合うので参加しまし た。
会場はマリオットホテルで駅の上ですのでアクセスは抜群です。
しかし諸般の事情で遅刻しての参加となりました。
特別講演のUの途中から筆者は参加したのですが、講師は愛媛大学の井上講師でした。
筆者は愛媛大学の出身ですが香川に来てから井上先生が大阪から愛媛に赴任されたので名前は存じ上げていますが、お顔を見たのは初めてで、なかなかのイケメ ンでした。
講演は丁度アカントアメーバについてのところでした。
大学病院の研修医時代にはアカントアメーバの患者さんを複数見ましたが、とにかく治りにくいというのが印象でした。特に大学病院に紹介されてくる時点でか なり時間が経って進行した状態になっているので、延々と数か月入院している患者さんもいたと記憶しています。
診断、治療は当時と大きくは変わっておらず、薬物治療としては抗真菌剤や消毒剤の点眼。外科的治療としては病巣擦過、最終的には角膜移植となるようです。
ただ当時は無かった治療でエキシマレーザーによるPTKが話題になっており興味深く聞けました。
このレーザーは近視治療のLASIKにも使うレーザーで、角膜を削れるので病巣ごと除去できるようです。
削る深さは病気の進行により深くなり1週間遅れるごとに40マイクロメートル深く削る必要があるということでした。
初発で診察するのは我々開業医であることが多いわけですから、初期のうちに正確に診断し大学病院などに的確に紹介することの重要性を再認識しました。
いつ治療方針を切り替えるべきか?という座長からの質問については病変が大きくなっていなければ、自分の診断を信じてしばらく粘ってみてもよいという答え でした。選んだ薬剤が外れていれば必ず病変は大きくなるので大きくなってこなければ、効いている可能性があるということです。
ステロイドの使用は我慢するようにとのことでした。一見よくなるが後で痛い目に合うので感染を疑っているなら使わない方が良いということです。 NSAIDSも角膜上皮障害を起こしやすいので勧められないということでした。
つづく
松漢方セミナー出席 その2。
7月18日
さて、内容はやはり漢方初心者にはかなり高度で正直付いて行くのも困難でした。
自分がどれに当てはまるかを考えながら聞いておりましたが、確実に当てはまるのは前回の歯痕舌です。
これは見たまんまなので疑いはないのですが、その他スコア化された問診では血虚、気うつ、気虚があてはまりました。
気虚の当てはまる問を例示すると
・身体がだるい
・気力が無い
・疲れやすい
・食欲不振
・風邪を引きやすい
・眼光音声に力がない
・下痢傾向
です。
質疑応答の時間に、自分はどれに当てはまるかをシミュレーションしたところ、複数の証に当てはまるのですが、その時はどう判断すればよいのでしょうか?と 質問すると
「自分を診断するのはほんとうに難しい。」
という答えが返ってきました。
占い師は自分を占えないのと同じようなものですね。
西洋医学でも自分で自分を検査するのは基本的には無理です。
しかし何事にも例外というのはあります。
当院の看護師長の腕は採血が難しく、院内の健康診断の採血時に血管を複数の看護師が3回くらい外しました。
点滴にはいささか自信のある筆者がやって少し血はとれたのですが、途中から漏れてダメ。ついには看護師長自らが自分で採血をしたのをこの目で見たことがあ ります。
ブラックジャックは鏡を見ながら自分の開腹手術をしていたような記憶はありますが、まああれはしょせんマンガ。
自分で採血する看護師長の姿を見たときは「ああ、やろうと思えばできるんだ。」と感動しましたね。
麻酔科研修時代に指導医から「何をやらしても上手いねえ。」と言われた筆者のプライドはズタズタになりましたが。
自己診断が無理ならばと会が終了した後に講師の先生のクリニックは予約なしでも診察をしてくれるのかと質問に行ったところ、漢方診断は基本的に予約でしか 受け付けてないとの答えでした。
漢方の初診は物凄く時間がかかりそうなので仕方がないところですね。
やはり自分を治療するには自分で人体実験をするしかないようです。
終わり
松漢方セミナー出席。
7月16日
以前から何度かこの欄で述べているように筆者は骨折後の慢性疼痛に悩まされており、漢方を含めた東洋医学でなんとかなら ないものかと勉強しております。
とはいえ生来の怠け者なので、自分で傷寒論を読んだりははなから諦めており、近くで勉強会があれば出席するという程度です。
今回は、と言っても1か月前のことですが高松クレメントホテルが会場でしたので、出席しました。
講師はしもむら内科クリニックの下村院長でした。
舌診で舌に歯の形がついているものを歯痕舌といい水毒の兆候ということでした。
この写真は筆者の舌で見事に歯痕舌になっています。
つづく。
マジック メルスプラン
7月11日
ずいぶん前のこの欄で国内コンタクトレンズメーカーのトップブランドの一つであるメニコンさんのディスポ−ザブルコンタ クトレンズ「マジック」の紹介をしました。
その時はサンプルでしたが、既に発売されています。
マジックの特徴は何と言ってもその薄さです。
レンズそのものの厚みが薄いわけではなく上の写真のようにパッケージが物凄く薄いので、かさ張らないのです。
このマジックが定額制コンタクト
メルスプラン
でも扱えるようになりました。
付け心地もよいですし毎日使う方にはメルスプランは価格的にもリーズナブルですので、ワンデイタイプ使用の方は検討の価値ありだと思います。
招き猫。
7月8日
少し前のことになりますが、患者さんから自作の竹細工を頂きました。
竹でできた招き猫です。
目、鼻、鈴以外は全て竹でできています。ひげまで竹というのは見事です。
招いている左手は孫の手に似ていますね。
当院は医療機関ですので、「招き」猫はいささか不謹慎な気もしますが、せっかくの頂きものですから院内にかざっています。
来院された方はどこに猫がいるか探してみてください。
開院までを振り返って
7月5日
7月2日に開院1年をむかえましたので、この機会に開院までのまるお眼科を振り返ってみようと思います。
鉄骨が立って建物の大きさが分るようになりました。
建物の2階につける「まるお眼科」の文字の大きさと位置のシミュレーションをしているところです。
ゆめタウン三豊の駐車場からの概観です。完成が近づいてきました。
建物完成です。
2012年6月24日に行った内覧会です。容子医師の白内障手術の師匠
三 好輝行先生
による開院記念講演会は大盛況でした。
入りきれない参加者が多数出たので、急きょ追加講演を2回することになりました。
三好先生の受賞シーンがスクリーンに映っています。
三好先生と並ぶ白内障手術界のトップ術者である徳田芳浩先生からの開院祝いの胡蝶蘭です。
徳田先生からの祝いの花がある院内で、三好先生による開院記念講演会が実現できるのは、白内障術者としてはこの上なくく名誉なことでした。
開院して第一号の患者さんです。
初心を忘れないように、折に触れこの写真はアップしていきたいと思います。
開院1周年
7月2日
2013年7月2日をもって当院は開院1年をむかえることができました。
色々な方から祝いの花や祝電を頂戴しました。
多くの方に助けられこの一年を迎えることができ感謝しております。
今後も三豊・観音寺地区の地域医療に貢献できるよう努力してまいります。
第3回四国ダクリオミーティング 参加 その3
6月27日
そうこうするうちに丁度よい時間になったのでホテルを出たところ、研修医時代の指導医であるS先生も偶然一緒になり3人 でホテルオーベルジュ道後から会場のメルパルクまで散歩がてらに歩きました。
途中には神社のようなところもあります。自分が住んでいるときには見逃していたものが見え新鮮な気分です。
会場では同窓会か何かをやっていて、物凄く賑わっていました。
開院祝いを頂いた先生にお礼を言ったりしているうちに、会もスタートです。
まずは一般講演が4題。一番印象に残ったのは機能性流涙に対してlateral tarsal stripを施行したという愛媛県立中央病院のT先生の発 表でした。
以下備忘録です。
・水平方向の弛緩で外反、内反するのはテニスのネットが緩むと外反、内反するのと同じ理屈。
・垂直方向の弛緩はJones法
・水平方向の弛緩はlateral tarsal stripが理論的
・5-0プロリンが使いやすい。
鈴木先生の講演の備忘録
・前壁を傷つけないように
・TMの意味を考える
・DCR後は内視鏡で確認
・鼻涙管の解剖から3割は下方に向かうタイプなので、内視鏡では見えない。無理をすると前壁を痛める。
・TMHは0.3が平均。しかし0.2が最頻。
・自覚症状はTMHと相関無し。ただし治療効果の目安にはなる。
・閉塞のTMHは0.6.
・流涙はチューブ挿入がベスト。ただ先述のとおり解剖学的に7割が治せる限度。鼻涙管が残り3割は下方に向かうので無理。
・涙嚢炎はDCRが適応。眼表面の菌量が減る。
終わり
第3回四国ダクリオミーティング 参加 その2
6月24日
ホテルオーベルジュ道後で宿泊客でもないのに頂いたウエルカムドリンクの写真を撮ったのですがピンボケでした。
バッチリフォーカスが合ったF先生のオーダーは何とビール。
下戸の筆者には考えられません。緊張感をほぐすための選択だそうです。
ロビーには本棚まであり、洋書やデザイン関係の雑誌が置いてあります。
実用一点張りのスーパーホテルとは全く逆のコンセプトのホテルで、部屋があいているなら泊まりたくなります。
従業員に許しを得て部屋も見せてもらいました。
ツインルームのシングルユースなので広く使えて羨ましいですねえ。
つづく。
第3回四国ダクリオミーティング 参加
6月20日
5月25日(土)に第3回四国ダクリオミーティングに参加しました。
四国4県の涙道疾患に興味を持つ医師の研究会で、症例検討会に加え、涙道のオピニオンリーダーによる特別講演もあります。
今回の特別講演の講師は鈴木亨先生でした。
鈴木先生はこの近況蘭で報告した通り3月27日に見学してきた
鈴木眼科クリニック
の 院長で涙道内視鏡を開発した方です。
会場はメルパルク松山で筆者は2週連続松山は道後に行くことになります。
ゼータの会とIOLアップデートセミナーの会の疲れのせいか?風邪をひき、今回は出席するのを止めようかとも思いましたが、金曜にはかなり回復したので予 定通り松山にでかけました。
筆者が宿泊したのはスーパーホテル松山でしたが、同道した三豊総合病院のF先生はメルパルク近くのホテルオーベルジュ道後です。
昨年末にできたホテルのようで、昔の旅館だかホテルだかを全面改装したということでした。
学生時代にはこんなしゃれたホテルは無かったよなあと感慨にふけりながら写真を撮ります。
1階のイタリアンレストラ ンは2次会の会場となります。
会場であるメルパルクの途中なのでホテルまで付いて行きロビーに居ると宿泊客と思われてウエルカムドリンクのメニューを渡されます。
「宿泊客じゃないんです。」と断ると「構いません。」とドリンクを頂けることになりました。「レストランは後程使いますので。」と言い訳をしつつしっかり カフェオレを オーダーした筆者です。
つづく
職員結婚披露宴 その3
6月17日
ケーキ入刀です。
筆者が結婚適齢期の頃のウエディングケーキと言えば、天井まで届きそうなとまではいいませんが高さ1メートル以上はある作り物で、ごく一部に本物のケーキ の部分があってそこにナイフを入れる、というのが一般的だったように思います。
今は全て食べられるケーキがおそらくウエディングケーキの主流なのでしょうね。
カットされたものが各席に配られましたのでおいしく頂きました。
最後は恒例の両親への手紙と花束贈呈です。
娘を嫁に出す父親というのはどんな気分なのでしょうか?
新郎新婦の末永い幸せを祈ります。
終わり
職員結婚披露宴 その2
6月13日
乾杯の後料理が運ばれ来てました
前菜盛り合わせです。
筆者は和・洋・中にかかわらず前菜的な食べ物が一番好きで、コース料理で延々と前菜が出てきてくれたらいいのにと思います。
アラカルトであればひたすら前菜ばかりをオーダーすることも可能ですが、前菜がメニューにあるような料理店では一人で食べるわけではないので残念ながら実 行したことはありません。
雲丹のスープです。スープと言っても液体ではなく、茶碗蒸しのように固まっています。中学校の英語でスープは「飲む」のではなく「食べる」と習いました が、これなら納得です。
魚料理はオマール海老でした。身がプリプリとして良い歯応えです。
シャーベットを挟んで肉料理です。ジューシーな肉でした。
つづく
職員結婚披露宴
6月10日
6月8日に当院の職員の結婚披露宴がありました。
結婚したのは若き看護師長です。
ブーケはトスではなく、リボンを引っ張っる当たりくじ方式で渡す人がきまりました。
幸運のリボンを引いたのは師長の学生時代からの親友で現在の同僚でもある当院の看護師です。
来週結納の職員もいますし、目出度いことは続くと言いますので、またそう遠くない未来に式があるかもしれません。
院内の白衣姿は見慣れていますが、ドレスアップした姿は初めて見ますので新鮮です。
美男美女のカップルです。
つづく
西讃眼科研究会参加
6月7日
5月23日に西讃眼科研究会本年2回目に参加しました。
三豊総合病院、白井病院、旧国立善通寺病院が交代で世話役を務めてくれる内輪の研究会で、今回の世話役は三豊総合病院、会場は白井病院でした。
以下備忘録です。
三豊総合病院からは皮質盲、結核性網膜静脈炎、瞳孔緊張症の症例提示がありました。
・皮質盲については一過性の浮腫によるものだった可能性が高い。
・結核性静脈炎は現在の感染が無くても生じ、破壊された菌体に対する免疫反応と考えられ、局所、全身のステロイド投与が有効。
・瞳孔緊張症は当院に初診できた症例でした。近見での縮瞳が鑑別のポイントでした。
最後の症例は高速道路運転中に急に左眼の見え方がおかしくなって、さぬき豊中インターで高速を降りてそのまま当院を受診したという患者さんでした。万一の 脳動脈瘤を考えて紹介した患者さんでした。
白井病院からは感染症の専門家宇野院長から眼内炎についての考察が発表されました。
・最近主流のシングルピースレンズでは太いループと嚢の間に細菌がトラップされている可能性がありレンズの裏を洗うだけでは不十分である。
宇野先生による模式図を下に示します。確かに最近眼内炎が多発したレンズはシングルピース形状でした。
当院では3ピースレンズのみを使っており、レンズの裏を洗うのは当然として、タッピングをしながらレンズをグルグル回しているので、はからずも先生の推奨 方法を既に実践していました。その上に、最後の前房形 成時にBSSをレンズの裏や嚢とレンズの間に流し込みますので、洗浄法としては考えられる全ての手を尽くしていると思います。
旧善通寺病院からは
・白内障手術時の上皮下水腫の症例。
・原因不明の黄斑近傍のランドルト環状の色素上皮欠損。
・色素失調症に光凝固をした症例。
が提示されました。全て珍しい症例で、特に最後の症例は旧小児病院ならではの症例でした。
10年ほど前にNICUで未熟児網膜症の患児に光凝固をするところを見学したことがあります。
黄斑が未形成でオリエンテーションもつきにくいところに、室内の温度設定が高くて暑く、赤ちゃんの血液酸素飽和度の低下ですぐにアラームが鳴るしで、見学 しているだけでも物凄い緊張を強いられました。
新生児や乳児の治療をしておられる先生方には本当に頭が下がります。
第4回ゼータの会、IOLアップデートセミナーin松山 その4
6月4日
さて一夜明けてIOLアップデートセミナーの日が来ました。
会場は道後温泉の近く大和屋本店です。泊まったホテルはゼータの会の会場だった全日空ホテルなので普段なら路面電車で大街道から道後温泉駅まで行き駅から 観光気分で歩くところです。
ただあいにくの雨で傘も持っていなかったのでそのままタクシーで会場に乗りつけました。バックパッカーもどきのころには絶対無かった選択です。
セミナーの トピックは多焦点レンズやトーリックレンズなどのプレミアムレンズに関してと眼内レンズの表層混濁(SSNG)についてでした。
以下備忘録です
・多焦点レンズの普及率は施設ベースで6.8%、枚数ベースで0.8%。なお白内障手術施行施設は3800施設、年間症例数は120万件とのこと。
・不満例は予測不可能。IOLによる差はない。片眼手術、両眼手術による差もない。年齢も無関係。
・屈折エラーを地道に少なくし、最後は早期に摘出交換するしかない。
・トーリックレンズはTMSのver.4.2に搭載されているフーリエマップで乱視の非対称成分と高次不正乱視を確認して適応を決める。
・マーキングはスパーテルで仰臥位で6時のみにマーク。色と傷を角膜に付ける。結膜だけや色だけでは行方不明になる。
・上記でも術野で見失ったらドレープ後でも仰臥位にしてそこでマーキング(ファラオの復活)。
・最終の角度調整の時に眼球の位置をプルキンエ像でチェック。ここがまっすぐでないと根本がずれる。
・再手術は1.1%。強度近視で嚢の大きな人がずれる。
・I/Aチップを抜くときに指で押さえながら抜くとBSSが漏れないので、位置ずれしにくい。
・カリキュレーターの予測は0.5Dきざみなので、残余乱視が0.25Dより大きい倒乱視症例は一段階パワーを上げると低矯正を防げる。直乱視はそのまま でよい。
・角膜は10年で0.4D倒乱視化する。
・トーリックはもともと精度が高いものではないので多焦点とは違っておおらかに考える。少なくともマイナスになることはない。
・SSNGはシングルピースでは1年後から発生しはじめるが製造工程の改良により、現在は1年たっても発生しない。
終わり。
幻のオープニングスタッフ
6月1日
巨 人軍幻の名三塁手といえば、星飛雄馬の父一徹のことです。戦争で壊した肩を補うために一徹は魔送球を編み出してランナーをアウトにします。しかし同僚 の川上哲治からビーンボールと同じだ、と指摘を受け巨人軍から身を引いたので幻の名三塁手となってしまったというのは現代日本人の基本知識?です。
当院の開院した日は7月2日ですので、ちょうど昨年の5月頃オープニングスタッフの募集をしておりました。多数応募して下さった方の中で、経歴人柄共に抜 群であったため、スタッフの中心となってくれることを期待して内定を出した方がいます。
ところが諸般の事情でその方は自ら身を引いたため、幻のオープニングスタッフとなってしまいました。
あれから一年。当院に隣接するコンタクトレンズショップ三豊メディカルで職員募集をしたところ、ハローワークを通じて幻のオープニングスタッフが応募して くれました。
勿論即内定で、本日から共に働いてくれることになりました。
結婚や就職は縁のもの、とよく言いますが、幻のオープニングスタッフとはご縁があったのでしょう。幻は現実となりました。
第4回ゼータの会、IOLアップデートセミナーin松山 その3
5月29日
さてたっぷり勉強したあと、出席していた親友の
にしわき眼 科クリニック院長
と食事に出かけることになりました。
松山は学生時代に二人が過ごしたいわば第二の故郷です。西脇院長が久しぶりにハノイカフェに行ってみようといいだしました。
ハノイカフェはタイやベトナムなどのエスニック料理の店です。学生時代から研修医時代にかけてたびたび行って美味しいことは知っていたので賛成しました。 しかし10年近く行ってないので、まだ店が続いているのか少し不安でした。
場所も忘れてしまったのですが、西脇院長はしっかり覚えていて一度も迷わずたどりつきました。
アルコールは殆ど飲めない筆者ですが学生時代を思い出して気分が高揚したのでバーバーバーとシンハービールで乾杯し、次々料理を頼みます。
2人は学生時代に列車でタイの東北地方に行ってみたり韓国経由でシンガポールからマレーシア、タイと陸路を北上したりとバックパッカーの真似事をしたこと があります。
昔は辛い物が食べられなかった西脇院長が、これらの旅を経ていまでは立派な辛いもの好きになってしまいました。
まず頼んだのは定番中の定番である海老のスープ、トムヤンクンです。
本場タイではコリアンダーがガンガン入っていて独特なその香りが受け入れられない日本人も多いですね。タイで出会った本格派バックパッカーの日本のお姉さ んも苦手だと言っていたくらいです。
ここでは日本人向きにアレンジされていて、それほど香りがなくてコリアンダー好きの私には少し物足りません。しかしスープそのものは美味しいし、日本のト ムヤンクンの中では割と本場に近い味でした。
コリアンダーたっぷりのトムヤンクンを日本で望むなら 新大久保あたりで在日タイ人を対象にしたタイ料理店でも探さないとお目にかかれないでしょう。
次はアボガドとカニみそのサラダです。せんべいに乗せて食べると濃厚なサラダがあっさりしたせんべいで中和されて絶妙な味になります。
その後パッガイという恐らく米の麺の焼きそばを頼みました。
普通の白ご飯はあまり好きではないのに、米の麺は小麦の麺より大好きです。
タイでの昼ごはんには屋台で米の麺を選ぶことが多かったですね。当時20バーツ日本円で80円くらいだった記憶があります。どの屋台で食べても外れなしの 美味しいメニューでした。
もう一品何か食べたいという西脇院長の要望で既に満腹状態の筆者はパパイヤサラダくらいなら、と言って頼んだのが下です。
歯応えがたまらないですね。
「学生時代とやってることが変わらんなあ。」と言いながら楽しい夜を過ごしました。
つづく
第4回ゼータの会、IOLアップデートセミナーin松山 その2
5月27日
第4回ゼータの会特別講演「白内障難症例の診断と対処法」の備忘録です。
まず診断です。
・ディフューズで見るときは光量を落とす。
・スキャッタリング?で前嚢を観察。
・臨床眼科の4月号の佐々木教授の記事が参考になる。
対処法です。
・若年者は創が閉じにくいので強角膜切開で。
・近視化のある(核白内障)若年者をみたら
PPV後の可能性と強度近視の可能性を考える。
逆ブロックのリスクが高いのでボトルを低く、無潅流でチップ挿入。
・術中散瞳では液を漫然と前房に入れず虹彩の下に入れる。
・眼軸長が正常なのに浅前房を見たらチン小帯脆弱を考える。(これは
自分が眼科研鑽会で発表した。)
・虹彩癒着の解除では最初に入れるOVDは少なめに。後で剥がす時に入る余地を残す。
・リトラクターは4か所に全てかけてから均等に引っ張る。一か所を引っ張ると後のものがかけられなくなる
・白色白内障で膨隆した皮質は30G針で吸い取るとアルゼンチンフラッグにならない。
・虹彩根部離断の縫合法。下図
つづく
第4回ゼータの会、IOLアップデートセミナーin松山 参加
5月24日
5月18日、19日とたまたま連続して白内障手術関連の研究会が松山で実施されたので、両方に出席してきました。
ゼータの会は容子医師の兄弟子であるS先生を中心に発足した小規模な研究会です。
規模は小さいもののこれまではセッシで有名なI村先生やゆっくりした手術で有名なO木先生など白内障手術界の大御所が特別講演にいらしゃいました。
今回の特別講演は今までとは異なり比較的若手のD医大M島先生が講師です。演題は「白内障難症例の診断と対処法」ということで、手術をやる以上は是非聞い ておきたい内容です。
サプライズゲストでO鹿先生、F田先生が出席されることになり、座長はO橋先生がつとめられます。このメンバーだと手術学会などの全国学会規模の雰囲気が ただよい、いつものアットホームで気楽な会という感じはなくなっています。
会は症例検討会から始まりました。
以下いつものように備忘録です。
・浅前房症例についてはトンネルを短く、開瞼器で開き過ぎないように、サイドポートセッシを使う、などのアドバイスがありました。
・術中トラブル症例ではフックの先が眼内で折れた、という症例があり合併症なく摘出できていました。予防は器具の更新しかないですね。
・LASIK後のLentis挿入例について一番問題となるIOLパワーの決定について大御所F先生が提示されました。ペンタカムのturue net powerの3ミリの値で、ハイジス−L式を使って狙いを達成したとのこと。
つづく
ガーデニング
5月21日
職員駐車場の植栽を植え直したのをきっかけにガーデニングづいてしまい、患者さん用の駐車場も雑草を抜き、枯れた植栽部 分に植物を植えることにしました。
ゆめタウン三豊のヘデラは大人買いして買い占めてしまったので、隣のダイキゆめタウン三豊店に足を延ばすと、ヘデラはありませんが似たような植物のアイ ビーというのを見つけました。
更にヒューケラという葉っぱの色が季節により変化する年中楽しめるという植物も目に留まったのである分を全て、と言っても3鉢ですが買い占めました。
レジで会計をしているときに後ろのご婦人がアイビーを見て、
「あんたこんなもんにお金払うんかいな。うちなんか伸びて伸びて困ってるのに。」
と仰いました。当院は枯れて枯れて困っているのですが・・・・・・。
ご婦人の家に頂きにいきたいのはやまやまですが、そうもいかず会計をすませました。レジのお兄さんは苦笑していましたね。
さてまるお眼科に戻って上の2種類を植えてから、ネットで育て方などを調べるとヘデラとアイビーは同じものだということが分りました。
アイビーといえばハーバードを代表とするアメリカの名門大学群にアイビーリーグがあります。
アイビーリーグのアイビーとは蔦のこと、という知識はあったのですが、自分が植えたアイビーが蔦のことなのだというのはしばらく気づきませんでした。
蔦と言えば壁を垂直に登っていく植物のイメージがあります。、地面を横に這って伸びてくれるのでしょうか?
植栽植え直し
5月16日
職員駐車場の植栽が1本を残してずいぶん前に枯れてしまいました。
近所の方から頂いた名前も知らない植物を植えてみたところ、それは冬を乗り越え元気に緑を取り戻しています。
しかし残りは一面茶色で余りに淋しい上に、、暖かくなってきたので雑草が増えてきて雑草による緑化が始まってきました。
これではいかん、とまずは雑草をすべて抜き、隣のゆめタウン三豊店で「ヘデラ」という植物を大人買いして植えました。
その数28本。店ににあるヘデラはトレーごと買ったので一面の緑になるつもりだったのですが、まだまだスカスカです。
今度こそ枯れずに育ってくれればよいのですがどうなることでしょう。
あじさいのプレゼント
5月13日
5月10日に患者さんから見事なあじさいを頂きました。
入口すぐの風除室に置いてあります。
開院直前や開院直後には色々な方から花や観葉植物を頂戴したものです。
そのなかで現在院内に残っているのは観葉植物だけなので、花のある鉢植えは映えますね。
ただあじさいの花にびら見えるところは厳密には花びらではないということをどこかで聞いたような覚えもあります。
植物学者ではないので綺麗であれば何でもよいですが。
5月11日
テレフォンカンファレンス 参加
4月24日にテレフォンカンファレンスに参加しました。
電話回線を利用してスタジオの講師の講演をリアルタイムで全国に配信するというものです。
今はネット配信になっているのではないかと推測しますが、昔電話回線を使っていた頃の名残りでテレフォンカンファレンスと名前が付いています。
テレフォンカンファレンスの有難いところは、会場が近いことで、今回は昔の勤務先である白井病院が会場でした。
県内での講演会といえばほぼ100%会場が高松ですので、三豊・観音寺地区から平日に参加するのは困難で、いつもぼやいていますが同じ三豊市に会場がある ので非常に参加のハードルが下がります。
演題は「OCTによる緑内障診断の落とし穴とこれからのOCT」でした。
一番勉強になったのは、乳頭周辺部の撮影では血管がノイズになるということでした。
考えてみれば当たり前のことなのですが、今までのOCTに関するセミナーでこのことを明言した講師は初めてです。
また当院が採用するニデック社のOCTはツァイス社と比較して偽陽性が出やすいというのも勉強になりました。これはニデック製品がツァイスと比べて劣って いるというわけではなく、製品の仕様の問題で、ツァイスのものは偽陰性が出やすいということでした。
TSNIT表示にしたときにニデックの場合はデータベースの凹凸が強く、ツァイスのものはデータベースの凹凸が滑らかであるところからくる特徴だそうで す。
素晴らしい講演でしたが、残念なことに「これからのOCT」という内容になって動画を準備しておられたのに、回線の異常のせいか?動画が全く映りませんで した。
音声だけの配信でしたが、ノリノリで講演しておられたので動画を見られなかったのは残念でした。
松会場でも動画は動かなかったようです。恐らく全国でも見られなかった会場が多かったのではないかと推測します。
電話回線時代なら音声だけ電話回線でおくって、スライドについては各会場ごとにCD-ROMやUSBメモリーなどの物理的媒体で全てのスライドを準備し、 講師の合図に合わせて各地の担当者がパソコンを操作してスライドを変えていくというやり方でしたので、複数の会場でトラブルが発生することは回避できまし た。
テクノロジーに頼りすぎると思わぬところで落とし穴に落ちるのですね。
インカム導入
5月2日
4月中旬からインカムを導入し、全職員が身に着けることにしました。
インカムは最近の居酒屋などで店員さんがしているのをよく見かけるトランシーバーのことで、小型のヘッドホンとピンマイクで会話するのが一般的です。
今後は診療中にいきなり職員が独り言を喋りはじめても驚かないでください。職員どうしでの会話をヘッドホンでしている可能性が高いです。
実は開院前に見学に行った大分県のO塚眼科で導入しているのをみて開院後すぐに当院でも導入を検討したのです。
ただ、この規模のクリニックなら大声で話す方が早い、という容子医師の意見に負け導入を見送りました。
けれども筆者は地声が小さいのか?はたまた滑舌が悪いのか?喫茶店などで自分が普通と思える声量でオーダーをしても一発で聞き取ってもらえることはまずな いのです。
当然、診察中に人手が欲しくて職員を呼んでも、来てくれることは殆どありません。かといって呼びに行く手間暇を考えると我慢して自分だけでやった方が早い というような状態もあり、非常にストレスフルでした。
そんな状態で診療を続けていたある日、、最近インカムを導入してもう無しでは過ごせないという評価を、これまた開院前に見学させて頂いた丸亀のS先生から お聞きしたのです。
S先生の能率の良い診療形態には容子医師も筆者も感銘を受けたのでそのS先生が導入なさったのなら当院も使うしかない、ということで容子医師を説得し全職 員分購入しました。
これまでは職員間での情報共有が難しかった面があるのですが、インカム導入後は色々な情報が共有できるので、ミスが減ったように思います。
またインカムを使っていて大声でマイクに向かって喋ると音が割れてかえって聞き取りにくくなるので、筆者がストレスを感じない声量で話すと一番通じるとい う有難い状態になっています。
手術の安全だけでなく、外来でのミスを減らせるように今後も投資をしていきたいと思います。
やましろクリニック内覧会 その3
4月30日
渡部建築士によると設計のコンセプトは「家庭のような雰囲気のクリニック」だということで全体に木材を生かした建築とし ているということです。科の性質上安心感が得られる空間ということが大切なのですね。
見学に行った眼科の中にはコンクリート打ちっぱなしで、非常にカッコいいポストモダンな?設計 のものもありました。一見してクリニックには全く見えません。非常に美しいのですが、そういう設計は科によっては好ましくないのでしょう。
精神科医の中井久夫が著書で、精神科の外来に飾る絵画は印象派などが好ましく、絶対避けるべきはシュールレアリズムの絵だと発言しているのを読んだ記憶が あ ります。印象派が好ましいかどうかはともかくシュールレアリズムを避けろというのは説得力がありますよね。
院内の絵画でさえメンタルに影響を及ぼすならいわんや建築に於いてです。
受付横には何と中庭があるではありませんか。木の詳細は不明ですが草はまるお眼科と同じと見受けられました。ここも似ています。
下の部屋の名前は忘れましたが、当院でいうカンファレンスルームです。確かにまるお眼科より落ち着いた雰囲気ですね。
渡部建築士によると当院を担当してくれた白石建築士は割と奇抜な設計を好むということです。
確かに依頼した我々が思いもしないアイディアをどんどん提案してくれました。概観の雰囲気は似ていると感じますが、設計コンセプトの違いもあり当院の方が 全体に派手かなと。
自分がクリニックを建てるまでは建築には全く興味がありませんでしたが、一度建てると180°逆転して非常に興味深く建物を見ることが出来ました。
やましろクリニックのご発展をお祈り申し上げます。
終わり
やましろクリニック内覧会 その2
4月25日
やましろクリニックの内覧会。まず概観です。
第一印象はなんとなく「まるお眼科」に似ている、でした。
ガラス面と車寄せと木の配置がこの角度から見ると似ているのです。
角度を変えてもう少し寄ってみます。
中に入ると山城先生が丁度痴呆に関する講演をなさっていました。記帳をしているときに渡部建築士と目が合いました。
先生のご家族に紹介して頂いたあと、建築士の案内付きで色々な場所を見て回るという贅沢な内覧会になりました。
しかも4人衆の1人でまるお眼科を設計したのではない白石建築士(左から2人目)も筆者が講演を聴いているときに登場です。
本当に建築がお好きなようです。
つづく。
やましろクリニック内覧会
4月22日
少し前のことになりますが、4月2日に宇多津町に新規開院した
やましろクリニック
の内覧会 が3月31日に開催されたので参加しました。
やましろクリニックは心療内科、精神科を主に標榜しています。
三豊市の眼科医がなぜ宇多津の心療内科や精神科の内覧会に?知り合い?と疑問に思われることでしょう。山城先生は医学部時代の同級生とか、勤務医時代の元 同僚というわけ ではありま せん。内覧会まで一面識もありませんでした。
実はやましろクリニックを設計したのは当院を設計した
新企画設計
なのです。
当院とは担当者は異なりますが、先日当院を見学に来られた建築士4人衆の1人渡部建築士(右から2人目)が設計し、内覧会の案内を下さったので見に行って きたのです。
つづく。
トリプル∞
4月17日
前回のあらすじ
マシントラブルで手術を延期した後、当院のインフィニティに加えてアルコン社からバックアップ用にもう一台も準備しても らい、万全の態勢で延期した手術に臨んで無事終了したのであった。
教訓としてはバックアップマシンは同じマシンに限るということです。
バックアップマシンを起動する時点で、平常とは異なることが生じているわけです。そんな状態で普段使っていないマシンを立ち上げるのは術者だけでなくス タッフにも負担になります。
というわけで、
ジャーン。もう一台インフィニティを買ってしまいました。
当院のものが左の2台。お借りしたものが右端の1台。
一時的ではありますが院内にインフィニティが3台存在することになりました。
これは大学病院クラスの大病院でないとまず無い状態ですから、記念撮影をしておきました。
画面右側のマシンは借りもので残念ながら里帰りしてしまいましたが、左の2台はきちんと嫁いで来てくれたので、これからもずっと院内におります。
今後も手術の安全のためには惜しむことなく投資を続けて参ります。
終わり
ダブル∞
4月15日
当院の白内障手術機械はアメリカ、アルコン社のインフィニティビジョンシステムです。
インフィニティは 従来の超音波発振である縦方向の発振だけでなく、横方向にも発振でき、白内障で硬くなった水晶体の破砕効率には定評があります。
優れたライバルマシンも他社から発売されていますが、前任地でも使っていた機械なので慣れていたこともあり、開院の前からインフィニティを採用することは 決めていました。
そのインフィニティ、ずっと問題なく働いてくれていたのですが、3月初めに突然動かなくなってしまったことがありました。
手術患者さんの交代の時に機械が突然立ち上がらなくなったのです。
その日もそこまでは機嫌よく仕事をしてくれていたのに、ハンドピースを変えようが、カセットパックを変えようが頑として動きません。
当院にはマシントラブルに備えてもう一台の超音波白内障手術機械レガシーも準備しております。手術途中でインフィニティが動かなくなった場合、昔の術式で あるECCEにコンバートしなくてもよい様に レガシーも器財庫に置いているのです。
レガシーは同じアルコン社のマシンでインフィニティの前のモデル、すなわち兄貴分といえます。筆者も手術を始めたころはレガシーを使っておりました。ただ 最 後に筆者が使ったのは5年ほど前です。
手術の真っ最中に突然インフィニティが動かなくなったのなら間違いなくレガシーをたちあげたところです。しかし、 不幸中の幸いで動かなくなったのが患者さんの交代の時でしたので手術はまだ始まっていません。
5年ぶりのレガシーで無理して当日手術するよりも、手術を延期して慣れたインフィニティで捲土重来を期す方が良いと考えました。
というわけでベッドで寝ておられる患者さんには事情を話して手術を延期させて頂いたのです。
翌日にはアルコン社の担当のエンジニアが修理に来て、バックアップ用のインフィニティも置いて帰られました。
2台のインフィニティで万全の態勢を敷き、延期した患者さんの手術も無事に終えることが出来ました。
バックアップもやはり同じマシンがベストである、というのが今回のトラブルで痛感したことでした。
つづく。
第三回眼科研鑽会 発表
4月10日
3月30日に松山で行われた第三回眼科研鑽会で発表しました。
この会は容子医師の師匠である三好先生の一の弟子、即ち容子医師の兄弟子である松山のS先生が主催する白内障手術の勉強会です。
今回は特別講演に我が心の師徳田先生がいらっしゃると聞きつけたので出席したい旨伝えると、来るなら何か発表をするようにという厳命がS先生から下りまし た。
主催者の命令ですので、断るわけにはいかず何とか無い知恵を絞りスライドを作りました。
ただ鈴木眼科クリニックの見学の帰りに夜行バスに乗って風邪を引いた直後で体調最悪の状態での発表になってしまいました。
当日は第一演者で、座長の先生からの略歴の紹介までありました。愛媛は第二の故郷といってもよく、出席者は皆知り合いで、殆どが愛媛大学の先輩後輩です。 今更略歴紹介もないだろうと非常に恥ずかしく思いましたが恒例ということで過分な紹介をして頂きました。
内容は術直前や術中にヒヤリ・ハッとした点をどのように乗り切り、最高の結果を得られたかということを症例報告の形で発表しました。
発表中の突っ込み大歓迎の気楽な会ということもあり、S先生、徳田先生を中心にかなり議論が盛り上がり先陣の役割は十分果たせたのではないかと自負してお ります。
第二席は今治のボリュームサージャンM先生です。筆者はLRIの成績の良さに驚きました。
トーリックレンズの登場以来出番が少なくなったと思われるLRIですが、屈折矯正を専門にしている愛媛大学の先輩は「角膜の乱視は角膜で治すもの。角膜の 乱視を水晶体で治すというのは邪道。」という意味の発言をしておられました。
無論大学病院であればエキシマレーザーがあるのでそれを念頭に置いての発言と思われます。しかしそれをおいても確かに角膜の乱視は角膜で治すのが理想的で しょう。水晶体そのものに乱視を作ってしまうとコンタクトでの矯正が不可能になりますし、あとに打つ手が限られてきます。
LRIでM先生レベルの精度が得られるなら、わざわざトーリックレンズを入れる必要はないかも、と思わせる効果でした。
第三席は心の師徳田先生です。「嚢死医療の最前線」という演題で、破嚢処理の基本から、小切開ICCEと小切開眼内レンズ逢着、更にはその位置修正という アドバンステクニックまで水晶体嚢にまつわるトラブルの処理を色々とみせて下さいました。
会の終了後は二次会に参加しその後、会場になった松山全日空ホテルに宿泊し、朝食会場に向かいました。
ホテルの朝食会場は下の方の階であることが多いのですが、このホテルは最上階が朝食会場でした。
眺めがよいですし、オムレツをその場で焼いてくれるホテルでした。盟友の発案した
オムレツ理論
は正しいようです。風邪で食欲がなかったためサラダとフルーツだけ食べたので、オムレツそのも のは味わうことができないまま朝食会場をあとにしました。
オムレツの写真の代わりに会場から見た松山城の城山の桜の写真を載せておきます。
今回ばかりは「団子より花」でした。元気があれば、城山に登り桜を見てから帰ったところですが、寄り道する気力も無く帰宅しました。
終わり
鈴木眼科クリニック見学記 その3
4月8日
見学当日の手術はDCR鼻外法が1例、DCR鼻内法が2例でした。
3例を見ての感想はとにかく出血が少なく、操作が非常に分り易いということです。
術野に出血が多いと止血操作が必要になるので、手術がスムーズに終わるためには最初から出血させないことが重要です。
出血させないコツを教えて頂けました。コロンブスの卵でボスミンガーゼを術野に置いてからメスを入れるまでに5分以上待つということでした。
手術の名人ほど基本をおろそかにしない、というのはどんな分野の手術にもあてはまるようです。
勿論基本だけではなく、アドバンステクニックもありました。DCR鼻内法で吻合部の縫合を行うというもので、世界でもやっているのは2人だけだろうと いうことです。
3例目はチューブ留置併用ですが、2例目は何とチューブ無しで縫合のみです。
あっという間に時間が経ち、手術終了後先生の行きつけのすし屋に行くことになりました。外は既に暗くなっています。
遅刻寸前で撮れなかったクリニックの写真です。外が真っ暗なので
こんな風にしか撮れません。
奥様の運転ですし屋に向かっていると信号待ちでバスの後ろになりました。
偶然鈴木眼科の広告のあるバスでした。
行った寿司屋です。
回っていない寿司をカウンターで食べたのは何年ぶりでしょうか。どのネタも鈴木先生のおすすめでしたので、非常に美味でした。
色々話も尽きなかったのですが、私は翌日の診察があるので夜行バスで帰るしかありません。終電で帰ると8時半くらいに小倉駅発になりせっかくお誘い下さっ た すし屋に行けないことになってしまいます。それは避けたいと思い強行軍をくんでしまいました。
寿司を堪能したあと、3人で最寄駅から小倉駅に電車で向かい、少し時間が余ったのでホテルのラウンジで時間をつぶして、鈴木先生の案内でバス停に向かいま した。
お二人に見送られバスに乗り、結局一睡もしないまま丸亀駅に着き本山駅で降りてまるお眼科に翌朝戻りました。
この旅で風邪をひいてしまい無理のきかない年齢になっていることを痛感しました。
終わり
4月4日
鈴木眼科クリニック見学記 その2
受付の方に来意を告げると、早速エレベーターに案内されました。
まずはエレベーターの大きさに圧倒されました。クリニックのエレベーターは物凄く小さいものが多いのですが、何と9人乗りです。遅刻寸前だったのでクリ ニックの概観をじっくり眺める余裕はなかったのですが、クリニック自体も大きいものでした。
北九州市でこれだけの眼科を建てるのは大変だろうなあ、と思います。
エレベーターを降りると先生と奥様が出迎えてくださいました。F先生は鈴木先生と顔見知りですが筆者は鈴木先生とお会いするのは初めてです。しかし学会な どで講演をたくさんなさっているので初めてお会いする気はしません。
挨拶もそこそこに手術室に移動しました。
手術用顕微鏡は天井懸架型のカールツァイスVISU150です。涙道手術をすると、内視鏡、ドリル、レーザーなど機械が 多くなり、フロアスタンド型の顕微鏡だとすごく手狭になるのでスペースを稼ぐために天井懸架型にしたということです。
天井懸架型は天井に鉄骨を入れたりする必要があるので、フロアスタンド型の倍以上の投資が必要だということでした。
建物の設計段階から涙道手術にかけていらっしゃるわけですね。さすがです。
VISU150自体は当院と同じですので「VISU150はいいですよね。」というと「解像度はL社の方が上だけど、長時間手術しても疲れない。」と仰い ました。
筆者はおぎゃあと生まれてこの方手術顕微鏡はツァイス製しか使ったことが無いので比較はできませんが、鈴木先生は逆にそれまで最大のライバルL社のものし か使ったことがなかったそうです。
自分の道具の評価が高いと嬉しいですね。
つづく。
4月1日
新年度開始
年度が新たまり当院の職員が2人増えました。
当院の職員については「ルックスだけで先生が選んでいるという噂があるよ。」と開院直後に他の医師から指摘されたことがあります。
図星だったので驚きました(嘘)。
ルックスで選んだわけではないですが新入職員も目の保養になる見た目であると自負しております。
眼の治療、目の保養、両方出来る一石二鳥のクリニックを目指し、新年度も頑張ります。
3月30日
鈴木眼科クリニック見学記
3月27日に見学してきた
鈴木眼科クリニック
の報告です。
見学 を誘ってくださったF先生の車で観音寺駅に向かい、しおかぜ、のぞみと乗り継いで降り立った駅は小倉です。
愛媛県に住んでいた時はもっぱらフェリーで小倉に行っていました。博多に行くときは小倉から在来線に乗っていきましたので新幹線の小倉駅は初めておりまし た。
F先生も小倉駅は初めて降りたということで記念撮影です。
12時半前に到着し、小腹もすいたのでどこかで北九州らしい昼ごはんを食べようと、駅ビルで見つけた店が下です。
壁に貼ってあったランチメニューを見ると鉄なべに餃子が敷き詰めてあり、なかなかおいしそうです。店がそこそこ混んでい て、なおかつ客の入れ替わりが速い ことともポイントアップです。ラーメンも候補に挙がったのですが、1月の手術学会で一緒に博多で食べたこともありここに決定しました。
私は一番早く出てきそうな鉄なべランチを、F先生は鉄なべランチDXを注文します。
店員さんが鍋敷きを一枚しか置いてくれなかったので?と思っていると、やはり出てきた鍋は一つです。
「2人分一緒になってまして、ランチの方は10個、DXの方は20個です。」と店員さんに言われました。
いちいち数えながら食べるのはめんどくさいなあ、ポイントダウンと思いつつ10個きちんと数えて食べましたが、F先生は 途中でお腹いっぱいになったよう で、結局残りは2人で分けることになってしまいました。
注文が届くのに意外に時間がかかった上に食べるのにも時間がかかったので店を出るとはやくも13時半になっています。
「DXは多すぎましたねえ。」
とF先生。少食な私は絶対頼まない量でした。
小倉駅から鈴木眼科クリニックまではタクシーで所要時間25分です。手術開始が14時なのでギリギリで、渋滞でもあれば遅刻決定です。気が気ではなかった ので すが、運転手さんから北九州の名物やら見ごろの桜の薀蓄などを聞いているうちに到着です。
何とか13時55分には着きました。
クリニックの概観を撮影する予定でしたが、そんなことをする時間もなく、受付で来意を告げました。
つづく。
3月26日
眼科見学
3月27日に外来を休ませていただき、涙道で有名な九州のある眼科に見学に行ってまいりま す。
涙道を専門にしていらっしゃる下の二人の先生のうちのお一人が見学に行く時にお誘いくださったので、金魚の糞よろしく付いていくことにしました。
日本のトップレベルの手術を見学できるので楽しみです。
3月21日
職員慰労会
3月15日に職員慰労会を行いました。忘年会、新年会もしておりませんので、忘年「度」会、 及び4月からの新入職員歓迎会、更には提携機関である
近藤眼科医院
の職員との懇親会も兼ねてお ります。
場所は同じ三豊市ではありますが、高瀬町の「鮨駒」で、西讃眼科研究会の新年会でも行ったすし屋です。
西讃岐眼科研究会の新年会は毎年「鍋もの」と決まっているようで鍋が主体のメニューでした。
今回は下の様に鍋ではなく、普通の和食のコース料理でした。
開院後9か月、目の前の仕事をこなすのに精いっぱいで後ろを振り返る余裕は全くありませんでした。まあ今もその状態に特に変化があるわけではありません。
ただ、開院時の職員が一人も欠けることなく、当院で働き続けてくれているのは非常に喜ばしいことです。
普段は直接言えない言葉をこの場を借りて。
「頑張ってくれて有難う。」
今後も三豊・観音寺の眼科医療に貢献出来るよう精進しましょう。
3月18日
ムコスタ点眼液発売1周年記念講演会 in 高松 参加 その3
ここからはいつも通りの備忘録です。
層別診断・層別治療ということに関しての講演でした。
講演内容を記憶をもとに自分なりに大雑把にまとめると下の図のようになります。。
ジクアスとムコスタの作用点は下図の矢印のところになります。
またドライアイの86%がマイボーム腺機能不全(MGD)に関連している、ということで、これは予想外でした。
その他興味深い話を列挙します。
・カフェイン摂取により涙の量が3倍になる人がいる。コーヒーを飲んで眠れなくなる人。
・アルコールを摂るとBUTが短縮する。
・MGDでは眼瞼結膜の温度が2℃低い。 低い部分はマイボーム腺の導管に抜けがある。
・MGDは血流が正常の2分の1以下。
・入浴時の眼瞼マッサージはお勧め。縦横に。
終わり。
3月15日
ムコスタ点眼液発売1周年記念講演会 in 高松 参加 その2
さて、大幅遅刻で特別講演第一席からは山口大学のゆるキャラ「ヤマミー」の存在だけを学んだ のですが、講演会そのものも遅れて始まったようで、特別講演第二席「ドライアイ最新診療プロトコール」は最初から聞くことが出来ました。
まず日本の全都道府県の相対湿度ランキングが示されました。
湿っぽい方の1位は富山県だそうです。富山県に行ったことはないけれど、なんとなく納得できますね。
我が香川県は当然乾燥しており40位、47位は東京都でした。
しかし、讃岐といえば「うどん」か「ため池」のイメージがあり、45位以下を予想していたので意外に湿度が高いのだなあと思いました。
ドライアイ患者の推定数は800万〜2200万人です。高血圧が4000万人、糖尿病が700万人ということで、ドライアイは国民病と言ってもよい患者数 があるようです。しかし他の2つに比べて数に幅があり過ぎな気もしますね。
ただ、後2者は事実上中高年以降の病気であるのに対して、ドライアイは若年者もなるという点を考えると800万人は少なすぎという気もしました。
これまでは砂漠に水をジョウロでかけるような治療しかなかったが、新しい点眼薬のおかげで、治療概念がかなり変わってきているとのことで、涙液の「層別診 断」「層別治療」という考えが大切ということで、頭の整理になる講演でした。
つづく。
3月12日
ムコスタ点眼液発売1周年記念講演会 in 高松 参加
3月8日、上記講演会に出席しました。
常連の方は「あれ?前にも出席してなかったか?」と思われるかもしれません。前回の会場は東京で、今回は高松です。
講師の先生が東京とは違う方でしたので参加することにしました。
金曜日の19時半開始の講演会なので、外来がスムーズに終わればギリギリ間に合うかどうかというところです。
ところがこの週のなかばから花粉症で痒みを訴えて来院される患者さんが激増し外来がなかなか終わらず、大幅に遅刻して会場に到着しました。
受付で特別講演1がもうすぐ終わるところですと教えて頂けました。
特別講演1の講師は山口大学の先生です。
山口大学では今流行りのゆるキャラを作ったため、講演をする山口大学の職員はキャラを宣伝する使命を帯びて各地に赴くそうです。
下のキャラがそれで「ヤマミー」という名前です。
耳は山口の「山」を表現しているのでしょうか?なかなか可愛いですね。
結局特別講演1で学んだのは、山口大学にヤマミー在り!ということだけでした。トホホ。
つづく。
建築士集団
3月9日
当院の設計をしてくれた白石建築士(
新企画設計
)が同僚の建築士を伴って、久しぶりに当院を訪ねてくれました。
白石建築士(右端)については何度も当HPで紹介している通りセンスに惚れ込んだので設計だけでなく、ロゴデザイン、インテリアコーディネイトまで任せま した。その全てに期待以上の結果をだしてくれて今も感謝しています。
新企画設計にはもう一人白石さんという建築士がおられ(左から2番目)、筆者の勤務医時代の同僚のクリニックである「みかんこどもクリニック」(愛媛県八 幡浜市)の設計を担当しておられます。このクリニックは非常にきれいな建築で、建築関係の賞も受賞しています。
同じく元同僚の「柳田脳神経外科」(愛媛県八幡浜市)も新企画設計の担当した美しい建物で、これらを見て、設計コンペには新企画設計も参加してもらおうと 思ったのが、白石建築士との縁でした。
新企画設計が初めて設計した眼科クリニックが当院であるため、3人の同僚は興味津々という雰囲気で建物のあちこちの写真を撮り、白石建築士に質問を浴びせ かけていました。
休日にわざわざ県を超えてまで建物の見学をしようというのですから、単なる仕事で設計をしているのではなく、皆心底建築が好きと見受けられます。
建築好きの建築士と出会えて良かったと思います。
眼科医の季節感
3月5日
先週から目の痒みを訴えて来院される患者さんが急増していて、アレルギー性結膜炎の季節になったことを実感します。
アレルギー性結膜炎は春の季語になってもよいのではと眼科医には思われる単語です。
この時期はスギ花粉に対するアレルギーがメインと考えられます。
筆者は幸いスギに対するアレルギーはもってないので、この時期は平然としていられます。
しかしイネ科の植物っであるカモガヤには反応するので、連休前くらいから梅雨入りまでは目が痒くてたまりません。例年は結膜炎以外の症状は無かったのです が、昨年ひどい鼻炎も併発し、鼻が詰まって息苦しいため夜眠れない状態に陥りました。
アレルギー性結膜炎の点眼薬は多種類市販されていて、患者さんごとに相性があるような実感をもっています。
最初に処方された目薬が効かなくても諦めず、他の目薬を試してみるのもよいでしょう。
第14回 五国緑内障ラウンドテーブルディスカッション参加 その2
3月2日
いつも通りの備忘録です。
pub-medでの検索での報告
・PG製剤は全てDEUSを発症する。
・発症頻度は投与期間と主成分でことなる。長期投与の方が発症しやすい可能性あり。
・濃度依存性に発症すると思われる。トラバタンズとルミガンは臨床濃度で100%発現。タプロスは50%。
・点眼中止により回復する。
・ルミガンからキサラタンへの変更で7割はDEUSがもとに戻るとの報告あり。
・内眼手術後の黄斑浮腫はタプロスでは報告がない(単に一番新しい製品だからか?)
・キサラタンでは会場の3分の1の医師が内眼手術後の黄斑浮腫の経験あり。破嚢はリスクファクターと思われる。
特別講演の講師は東北の某県の大学の先生でした。
その県は1県で四国とほぼ同等の広さがあり、近隣の県も診療圏に一部含まれていて、関連病院への移動距離は平均100キロだということでした。しかも緑内 障の手術ができるのは事実上大学病院だけ、ということです。
治療方針は国内留学したN田眼科の方針を踏襲しているということで
・閉塞隅角緑内障は外科的治療、解放隅角は薬物療法が原則。
閉塞隅角の場合は
・相対的瞳孔ブロックにたいしてはLIまたはPI。場合によりPEA
・プラトーアイリスに対してはPEA
・水晶体前方移動に対してはPEA
ワンポイントレッスンでは
・視野異常と乳頭所見に矛盾があれば視神経、脳の疾患を疑う。
・フリッカーは手軽な検査の割に重要。
・視野異常の自覚の時期がはっきりしている場合は緑内障ではない可能性が高い。
・自動視野計は緑内障の視野異常を初期から捉えるようにプログラムされているので、グレースケールがわけのわからないものであれば、緑内障以外を疑う。
症例検討会では
・下垂体卒中は卒中を起こすまで無症状。
・抗凝固療法や妊娠はリスクファクター。
・脳圧亢進による嘔吐は実際に吐くとすっきりするが、緑内障発作の場合嘔吐しても嘔気が続く印象あり。
・Ex−press は虹彩切除をしたくないような症例(チン小帯脆弱例、破嚢例など)に使いたいが、一旦悪性緑内障になると虹彩切除部分がないのでレー ザーでの処置ができないという矛盾がある。
・緑内障発作に対する緊急PEAは予想以上に普及していない。薬物療法などで眼圧が下がっていれば緊急にやる意味が余りないし、眼圧が下がらないまま手術 に臨むなら硝子体切除を併用せざるを得ず、硝子体術者以外には抵抗がある。駆逐性出血のリスクもあり。
終わり
2月28日
第14回 五国緑内障ラウンドテーブルディスカッション 参加
2月23日土曜日に高松で行われた上記研究会に参加しました。
四国4県と岡山県を合わせた5県の緑内障専門家が一堂に会して、円卓(正確にはコの字型のテーブル)に着き、緑内障について語るという会です。
緑内障専門家でなくとも、これから緑内障を専門にしようかと考えている若手医師にも円卓ではない普通の席が用意されていて専門家の意見交換を聞いて勉強で き、時々発言を求められたりします。
プログラムは、各地の大学病院で緑内障外来を担当している専門家による特別講演、五県の大学病院や基幹病院、開業医で緑内障を専門としている医師によるワ ンポイントレッスン、緑内障専門家以外の医師も含めて珍しい症例、悩んでいる症例について発表する症例検討会と非常に充実しています。
筆者が愛媛に住んでいるときにこの会は発足したようです。緑内障専門家でも若手でもなかったので、当時は参加の声がかからなかったのですが、なぜか香川に 引っ越してから会に誘われるようになりました。
一度参加してみたところ非常に面白い研究会だったので、都合のつく限りは参加しています。
これまで参加したのは高松、岡山、松山で開催されたときです。地の利から高松、岡山での開催が多いようで、徳島、高知が会場になったことは知る限りではあ りません。
今回は高松開催で、外来終了後の出発でも十分余裕をもって間に合いました。
つづく。
2月25日
眼科電子カルテ事情 NAVISユーザーのつぶやき その2
それなりに欠点もある眼科用電子カルテNAVISですが、おぎなっって余りある利点とは?
それは実際に人が現場に足を運んでくれることです。
サポートセンターによる電話サポートはどこのメーカーの電子カルテでもやっています。
しかし、電話では伝えにくいが、一目見れば説明できる、ということなど山のようにあります。
現場に人がいてくれれば、トラブルに再現性があるなら、それをそのまま見せればすみますし、再現できなくてもとにかくメーカーの担当者が来てくれるのは物 凄く安心感があるのです。
高松支店の担当者は無論、大阪のNAVISチームの担当者も再々当院を訪問して下さいました。
人を一人送るのがどれだけのコストかは容易に想像がつきます。こういったサービスを継続するの企業の姿勢は高く評価できると思います。
全科用の電子カルテメーカーの中には電子カルテから撤退したところもあるとかないとか聞こえてきます。そうなってはまともなサポートが期待できるとは思え ません。
眼科専門メーカー、ニデックが眼科専用電子カルテから撤退する可能性はまずないと思いますし、NAVISを選んでよかったと思っています。
終わり
2月22日
眼科電子カルテ事情 NAVISユーザーのつぶやき
当院のカルテは眼科専門メーカーニデック社の電子カルテNAVISです。
使い心地は紙カルテと比べると正直良いとは言い難いです。
他社の電子カルテはまともに触ったことが無いので正確な比較のしようはないのですが、他院での代診の経験から、直感的な操作性という意味では、最大のライ バルP社の方が上かなあ、という気がします。
眼科は科の性質上画像データが多い上に、カルテにスケッチを描きまくるので、電子カルテ化が他科と比べて最もやりにくい、と言われる科です。
全科用の電子カルテの眼科用の部分は事実上実用に耐えるものは無いにといってよいでしょう。
その中で、P社のカルテ(というよりファイリングシステム)とNAVISは一応実用に耐えるレベルなのでこの二社が眼科電子カルテのシェアをかなり占めて いると考えられます。
最近は新興勢力のK社、B社なども眼科専用カルテを開発し、後発だけに先発の良い点を取り入れてかなり優れた製品になっているようです。
NAVISは先行カルテですから、痒いところに手が届く部分も多いのですが、逆に建て増しに建て増しを重ねた建築物が迷路のようになってしまい、初めて訪 れ ると行きたいところにさっぱりたどり着けないのと似たようなところがあって、操作感に統一性が無く、直感的に操作できないのです。
iPhoneやiPadとまではいかないにせよ、もう少しユーザーフレンドリーで直感的に使えるインターフェイスにはならないものか、とぼやきたくなりま す。
まあしかし半年も使っていると人間の頭がNAVISにフォーマットされてくるので、それなりに反射的に使えるようになってきました。建て増し、建て増しの 建物にも慣れると、目的地への最短距離が分るようになるのと同じことだと思います。
これだけ読むとNAVISの導入を考えている医療関係者は二の足を踏んでしまうでしょうね。
しかし、NAVISにはこれを補ってあまりある利点があるのです。
つづく
2月20日
ムコスタ点眼液発売1周年記念講演会参加 その4
以下、いつも通りの備忘録です。
・ドライアイの自覚症状とIL6は相関あり。
・ムコスタの苦味は7人に1人が感じる。
・点眼後の霞みは2分で元に戻る。
・ドライアイ患者では点眼後の見えにくさを自覚しにくい。
・原因不明の乾燥感とまぶしさの訴えあれば瞼をめくってlid-wiper epitheliopathyの有無を調べる。
・炎症がプライマリーにある疾患
シェエーグレン、スチーブンス−ジョンソン、類天疱瘡、眼瞼炎(MGDの一部)
・摩擦による二次性の炎症
結膜弛緩症、SLK、lid-wiper epitheliopathy
・摩擦による炎症が原因のドライアイはまず摩擦を減らす。抗炎症はムコスタにも期待。
終わり
2月18日
ムコスタ点眼液発売1周年記念講演会参加 その3
講演中にドライアイの悪循環についてよくまとまったスライドがあったので、記憶の範囲で再現 してみました。
昨年の当欄でアメリカではドライアイの本態は炎症だと考えられ、抗炎症作用のあるレスターシスが第一選択薬であることを記載しました。
講師の先生は日本人ですから、涙点プラグで涙の排水口に蓋をした時に、上皮障害が改善することを炎症説では説明できない、と述べておられました。
涙の排水口である涙点に蓋をすれば、炎症性の産物が排出されずにずっと眼の表面に貯まるわけですから、涙点プラグをするとむしろ障害は悪化するはずです が、それが起こらず改善するということは、炎症はドライアイの本質ではない、という説明で、非常に説得力があります。
アメリカの眼科医がどのように反論するのか興味深いですね。
つづく
2月16日
1万アクセス達成
本日このHPのアクセス数が1万に達しました。
開院1年も経たずにこれだけのアクセスがあるとは驚きです。
HPをきっかけに受診して下さる患者さんも開院前の予想以上に多いことが分りました。
更新を続けるのは正直なところかなり負担なのですが、継続は力なりの言葉もありますから更新を続け、三豊・観音寺地区の眼科医療に貢献したいと思います。
初心を忘れぬように最初の患者さんの診察風景をアップしておきます。
2月15日
ムコスタ点眼液発売1周年記念講演会参加 その2
第2部が終了してコーヒーブレイクになりました、一息ついて会場をうろうろすると、博多の学 会の時に話題にした、どんな学会にも出席し前から3列以内に座っている勉強熱心な後輩が案の定居ました。
ただ彼も仕事を終わらせてからくると開始には間に合わず、前の列には座れなかったということでした。
休憩時間が終わり、第3部に突入です。
座長の木下教授が興味深いイラストを監修されているので、下に引用します。
私が学生時代に東洋医学研究会の幽霊部員だったことは以前近況蘭で述べました。その時の部長から「お腹の中は体の外だ。」と言われたことを思い出します。
一休さんの頓智のようですが、確かに口から肛門までは上の図のように外界に接しているのです。数学のトポロジーなどでは消化管と皮膚は同じということにな るのでしょうね。よくわからんけど。
両生類であるカエルの体の表面はムチンにおおわれていた筈です。陸に上がった生物の皮膚はネバネバしなくなったけれど、目の表面はネバネバが必要というこ とですね。
つづく。
2月12日
ムコスタ点眼液発売1周年記念講演会参加
少し前のことになりますが、上記講演会に出席しました。
会場が東京で土曜の3時半開始なので、外来終了後ではどうやっても遅刻です。
しかしドライアイ分野は下の2剤、ジクアス、ムコスタ点眼液の発売以来治療方法が大きく進化しており、最新の情報が必要です。よい機会なので参加すること にしました。
会場であるANAインターコンチネンタルに到着すると博多の学会で知り合った先生がいらっしゃいました。博多では名刺を頂いたのに自分のを切らしていたの で、お詫びがてら名刺を渡せて幸先のよいスタートです。
受付をしているときに30分程度進行が遅れているとの声が聞こえました。
会場に入ると第2部の最後の講演が始まるところです。
ジクアスもムコスタもムチンの分泌を増やす作用は共通しています。
この2剤の違いとしてはジクアスは涙そのものを改善するのに対して、ムコスタは粘膜の状態を改善する作用が期待できるとのことです。
眼表面の水濡れ性を高めるには涙の表面張力は小さい方がよくまた粘膜が健常であるほうが良いわけです。
模式図の様にムチンは水の表面張力を下げるので眼表面が「しっとり潤う」わけですね。
テフロンで表面加工したフライパンは水をはじくので汚れが付かないわけですから、ドライアイではその逆をすればよいというのは理にかなっています。
つづく。
2月8日
第36回日本眼科手術学会総会参加 その6
学会最終日の朝は最新の眼内レンズ二次挿入術のコースを選びました。
扁平部逢着の他に今話題が1題ありますが、いまホットな眼内レンズ強膜内固定術がメインのため会場は朝から人でいっぱいです。
この術式の第一人者、O田先生とは京都の学会の食事会で同席させて頂きましたが、この術式の最大の利点は位置の修正が簡単に出来ることだと言っておられま した。今回もこの利点を強調されました。
逢着と比べてセンタリングもよいようです。針を用いた手技であれば特別な器具も必要無く、これからに期待できる術式と思われます。
・MA50, エタニティー7ミリ、VA65がレンズのディメンションからは強膜内固定に向いている。一番良さそうなのはMA50かも。
次は白内障手術に対する手術機器の有効活用のセッションに参加しましした。
特に新しい知識はなく頭の整理になりました。
・硝子体に絡みかけた核はビスコエクストラクションで処理する前に前房内に剪刃を挿入し、硝子体を切ってから移動させる。
学会はまだまだ続きますが、帰宅時刻から逆算して会場を後にしました。
外に出ると何と雪が降っているではありませんか。シャトルバスで博多駅に向かい、切符を買うと初めての「さくら」に乗れました。
2列2列の席で前後も広くてすごく快適と聞いていたので、駅弁も買ってゆっくり「さくら」の旅を楽しもうと思っていました。
ところが偶然となりの席に知り合いのI先生が座り、よもやま話をしているうちにあっという間に岡山に到着です。話に夢中になっていたので「さくら」も「の ぞみ」も違いが判らないままでした。
岡山駅で八雲に乗るI先生と別れ帰路につきました。
2月6日
第36回日本眼科手術学会総会参加 その5
土曜最後のセッションは外眼部手術のコースを選びました。
このセッションも知識の整理になりました。備忘録です。
・結膜弛緩症の焼灼術では専用セッシでなくても、昔使っていたレンズセッシで代用できる。
たっぷり勉強した後はT先生主催の食事会に三豊総合病院のF先生と参加しました。
今回は水炊きです。
付出しの鳥皮はこりこりした歯応えに味付けの酸味とタンパク質がマッチして非常に美味です。
鍋のスープは真っ白で、最初にこのスープを湯飲み茶碗で飲むのが作法のようです。
色からすると濃厚な味がしそうですが印象と異なりあっさりした味で、いくらでも飲めそうです。
鍋の具は一般的な水炊きの具ですね。
美味しく頂きました。
2次会はF先生に誘われ涙道関係者のいるジャズの生演奏が聞ける店に行きました。
ここでも以前から面識のある学会の重鎮M先生他、若手の先生からも色々涙道関係の話や人事の話が聞けて有意義な2次会でした。
学会は夜にこそアルコールも入って色々な本音が聞けるのが楽しいですね。
つづく。
2月4日
第36回日本眼科手術学会総会参加 その4
トラブルシューティングの後は引き続き同じ会場で眼形成手術の基本手技のセッションに参加し ました。
これは非常に勉強になるセッションでした。
・下垂のドレーピングでは必ず眉毛も出すこと。15センチの穴あきドレープがよい。
・面で麻酔をすること。
・挟瞼器を使うときは指で脱血すること。
・内反症の皮膚切除量の決定は内反の無い状態にして皮膚ペンの位置を固定したままで、一度内反させてそこにマーキング。
いつもの備忘録をここには書ききれないくらいです。
しかしこのセッションの講師陣はスライドを後に配布して下さるということでした。メモをとらずに講演に集中できますので、大変ありがたいことです。
その次は術後視機能・満足度から考える白内障手術のコースに参加しました。
最後のディスカッションで座長が演者に架空症例での質問をしまくりで、ここが一番勉強になりました。
・術前不同視のある場合に眼内レンズで不同視をなくすと、不等像視が前面に出てきて不満がでることがある。aniseikonia testを術前にしておくことが不同視症例では大切。
昼ごはんを食べながら勉強する、ランチョンセミナーはOCTのコースに参加しました。ニデック社のOCTが4月からバージョンアップするようです。
・5ライン、GCC,RNFL,センター縦横の順で撮影するのが最も能率が良い。
・強度近視眼で乳頭下方の黄色調の変化があり、脈絡膜の空隙が見られる場合がある(intrachoroidal cavitation)。
6時間近くぶっ続けで勉強して、疲れてきたのでセミナー終了後は機械展示場に向かいました。
色々な機械をみながら会場をふらふら歩いていると、声をかけてくる人がいます。義姉夫婦でした。お互い仕事で忙しいのでプライベートよりも学会場の方がよ く出会う気がしますね。
しばらく世間話をしてからドリンクコーナーで水分補給をして、ポスター発表をざざっと見て歩きました。
抗 生剤の前房内投与の研究
で有名なM先生からポスターを出してるから是非見に来てくれ、と言われていたので探してみましたが見つからずじまいです。
そうこうするうちに最後のセッションの時間が近づいてきたので、たまたま会った先ほどの後輩と、三豊総合病院のF先生とともに、機器展示会場を後にしまし た。
つづく
2月1日
第36回日本眼科手術学会総会参加 その3
学会初日は事実上移動で終わり、飲み食いしただけでしたが、翌日からはいよいよ本格的に勉強 です。
まずは朝8時からのモーニングセミナーに参加しました。朝食をとりながら講演を聴く一石二鳥のセミナーです。
白内障手術での安全性を重視したセッティングの話題で、特に目新しいトピックは無かったのですが、良い復習になりました。
その次は各種手術機械による眼瞼下垂のトラブルシューティングのセッションに参加しました。
最前列で聞いていると、少し遅れて愛媛大学の後輩が2つおいて隣に座ってきました。この後輩は筆者が参加するどんな学会にも常に出席している勉強熱心な後 輩です。
必ず前から3列以内で聴いていて、興味のある分野も重なるためしょっちゅう学会で接近遭遇します。
炭酸ガスレーザーの第一人者がレーザーをもちいて再手術をしている動画があり、再手術は金属メスでないと無理だと思っていたので、そうでもないのだ、と認 識を改めました。
ところが、ラジオメスの第一人者が先ほどの先生は「レーザーでうまくやってらっしゃいましたが、実際はそんなにうまくいきません。」と言いながら、ラジオ メスでの処理の話を始めました。
どんな手術でもそうですが、その道の第一人者の手術画像はいとも簡単にやっているように見えてしまうものです。特に学会発表で色々な人に見せるものはその 中でも綺麗な手術を選ぶことが多いので、うかつに真似をしようとすると痛い目に遭いがちです。
実際昨日食事を共にしたT先生はラジオメスを購入したけど、予想より出血するので炭酸ガスレーザーも買って、結局ラジオメスはお蔵入りしていると仰ってい ました。
ラジオメスにしろレーザーにしろ、結局道具に過ぎませんので、最後は術者がどう使うかにつきるということなのでしょう。
このセッションで一番勉強になったテクニカルなことは、組織の同定です。
通常は皮膚切開後、瞼縁がわに組織を剥離して、瞼板を同定するのですが、眼窩の脂肪をまず見つけてそこから瞼縁側に向かう方が組織の同定が簡単である、と いう点です。あと眼窩隔膜を剥離するときは外側上方から始めると、出血が少なくてすむということでした。
つづく
1月30日
第36回日本眼科手術学会総会参加 その2
カラオケルームの様なもつ鍋屋に行き、頼んだ料理です。
刺身は魚の甘味が感じられ、わさびもきちんとすりおろした美味しいわさびでした。
肉の加熱具合と歯応えも完璧で、飛び込みで入ったところとしては上出来です。
飲めないアルコールを飲んだので酔っ払い鍋が出来上がるころには写真を撮れませんでしたが、美味しく頂きました。
その後はラーメンを食べ、T先生、F先生の友人のいるワインバーに合流しました。
するとそこには先ほどのイブニングセミナーの講師のS先生がいらっしゃるではありませんか。
「前から2番目で聞いていました。」というと「顔を覚えてるよ。」と言われました。
せっかくの機会なのでラジオメスでの経皮的ミュラー筋タッキングのご経験は無いかたずねてみましたが、ミュラー筋タッキングには否定的でした。術後の筋の 収縮方向がタッキングでは下垂を改善する向きにならないといっておられました。
他にも涙道内視鏡の第一人者の岡山のS先生や、九州は宮崎の先生方とも知遇を得ることができ、有意義な三次会でした。
つづく
1月28日
第36回日本眼科手術学会総会参加
1月25日から博多で行われた手術学会に出席しました。
仕事が終わってから行く予定だったのですが、急きょ予定変更し午前の外来が終わった後すぐに多度津駅に向かいました。
多度津は松山方面から岡山に向かう特急しおかぜの他に高知方面から岡山に向かう南風も止まるので30分ごとに岡山行きの特急があります。
しかし南風が出たばかりのようで20分ほど待って乗れたのは結局しおかぜでした。岡山駅での新幹線の接続も余りよくなかったので、結局会場の福岡国際会議 場に着いたのは17時の少し前でした。
この日は17時開始の高周波ラジオメスによる眼形成分野のイブニングセミナーに参加したかったのですが、参加手続きをしてエスカレーターを駆け上るとぎり ぎり間に合いました。
高周波ラジオメスは金属メスと比べて切開した部位からの出血が少なく炭酸ガスレーザーとも異なり触れた部分が切れるのでレーザーほど扱いにくくはないよう です。
炭酸ガスレーザーは一度使ったことがあります。出血は殆どしなくて組織の同定はしやすいのですが、アームの取り回しが悪い上に、接触してない部分が切れる ので慣れるのに時間が必要だろうなあという印象でした。
講師の先生によるラジオメスの手術動画では予想より出血が多く、眼科医が苦手とする止血操作は必須のようです。
良くも悪くも金属メスと炭酸ガスレーザーの中間の道具のようで、当たり前ですが、これさえあれば手術が上手くいくという魔法の道具ではありませんでした。 ただ価格が3ケタを切るものも出てきているようで、導入したい器具ではあります。
この日のセッションはこれで終わりなのでホテルに向かいチェックインして部屋で休んでいると、携帯が鳴りました。
三豊総合病院のF先生からで、高知のT先生ともつ鍋を食べに行くので一緒にどうか、とのお誘いです。
夕食はどうしようかと考えていたところでしたので一も二もなく一緒に行きますと返事して、待ち合わせ場所に向かいました。
電話で予約しようとましたが、どこも満員で早くて8時半、遅いと9時からでないと入れないということです。
にしわき眼科院長おすすめのもつ幸
にも電話しましたがやはり、駄目。結局飛び込みでそのあたりの店に入りまし た。
案内された部屋はカラオケルームの様な部屋です。
つづく
1月24日
西讃眼科研究会参加 その3
前回までのあらすじ。
西讃眼科研究会の新年会で、香川で初めて回ってないすし屋に入った筆者は、この世のどこかにあるという銀座「久兵衛」の寿司に思いをはせるのであった。 (BGM
ガンダーラ
)
さて眼科研究会ですから食べてばかりいたわけではなく、勉強もしております。いつも通り備忘録を兼ねて概要をアップしておきます。
一番印象深かった症例は硝子体術後のp.acnesによる眼内炎でした。
p.acnesは俗にいうニキビ菌で、白内障手術後の眼内炎の原因のばい菌として有名です。
p.acnesによる眼内炎はブドウ膜炎との区別が付きにくく、この症例では基礎疾患にサルコイドーシスがあったので更に難しかったようです。
感染症では涙嚢結石が原因で起こったアレルギー性の角膜潰瘍に感染が併発したという症例もありました。頑固な角膜潰瘍は他の部位の感染も考えねばならない という示唆に富んだ症例でした。
角膜分野では抗がん剤TS−1による角膜障害の症例が印象深く、とにかく問診が大切であるという、基本に立ち返る姿勢を学びました。
難治性の糸状角膜炎の次の一手をどうするか?という提示があり、角膜が売りの愛媛大学出身者である筆者にふられたため、防腐剤の無いステロイドを追加する という提案をしてみました。
当院の近況2012年11月10日の記事でも述べたとおりドライアイにはステロイドが有効ですし、経験上防腐剤はドライアイの角膜に非常にに悪いのでこの 提案をしましたが、大体の出席者に賛同をえられ、安心しました。
またイントラコルネアルリングという昔近視矯正手術につかわれて、事実上ぽしゃった樹脂製のリングが最近円錐角膜の治療手段として復活してきており、その リングが入った角膜も写真を見せて頂けました。
円錐角膜は今新たな治療が色々でてきて今熱い分野のようです。
円錐角膜の患者で最も有名なのは「北斗の拳」の作者
原哲夫
でしょう。
絵描きが円錐角膜になるのは、音楽家が難聴になるのと同様のつらさだと思われます。
我々眼科手術医でいえば指の麻痺にあたることですが、考えるだに恐ろしい状況です。
なお、原哲夫は一生働かずに食べていける収入を得ているはずですが、円錐角膜発症後もマンガ家としての活動を続けております。
未熟児網膜症についての発表もあり、体重1250グラムが重症度の分れ目ということでした。
次回は5月に実施ということで、楽しみな研究会です。
おわり
1月21日
西讃眼科研究会参加 その2
筆者は寿司は大好きですが、回ってないすし屋には余り行ったことがありません。
飛び込みで入るのに最も抵抗がある飲食店の一つがすし屋であることを否定する日本人はあまりいないでしょう。
中が見えない作りの建物であることが多いのが一見さんお断りという雰囲気を助長しますね。
丁度最近「女ひとり寿司」という本を読んだところです。女性が一人で初めてのすし屋に入ることが、いかに困難かをレポートした本です。
本を書いたきっかけは、飛び込みで一人入った近所のすし屋で、歓迎されない雰囲気ありありの滅茶苦茶居心地の悪い思いをしたことです。それなら女ひとりが すし屋でどの程度歓迎されないのか、どんどん体験しようという気になったそうです。
編集者の意向で、まずは頂点からということになり最初の店が銀座の「久兵衛」本店でした。
「久兵衛」といえば、回ってない寿司には縁のない筆者でも名前だけは知っている超一流店です。
結果は、味は当然のこととして、女ひとりでも居心地の悪さを感じさせない一流のもてなしだった、ということで気負って行った本の著者もいささか拍子抜けし たようです。
超一流店は全てにおいて一流ということなのでしょう。
筆者は銀座の「久兵衛」に行ったことは当然ありません。
しかし実はホテル内の支店の「久兵衛」の寿司はたべたことがあります。眼科の講演会後の懇親会の時に寿司のコーナーに「久兵衛」と書いてあったので、こん な機会は二度と無いだろう、ということですかさず取りに行ったのです。
味は普通のすし屋の寿司とどうちがうのか正直分りませんでした。
本店ではなく支店で、それも店舗ではなく宴会場で食べたので、本店のカウンターで主人が握ったものと同じ味には勿論ならないでしょう。
にしても、この世のどこかにあるという「久兵衛」の寿司にやっとたどりついたというのに・・・・・・。期待が大きすぎたのでしょうか?
つづく
1月18日
西讃眼科研究会参加
昨日西讃眼科研究会に出席しました。
この研究会は西讃地域の眼科医が集まって行う症例検討会です。
観音寺、三豊、丸亀、善通寺の医師が主な出席者でしたが、ここ数回は愛媛県の四国中央市の眼科医師も姿を見かけるようになりました。
珍しい症例や診療に悩んでいる症例を持ち寄り意見交換を行うもので権威による特別講演もなく、非常に気軽な会です。
スーツにネクタイという姿の人は殆どいません。
年に3回行われ、毎年1月は新年会を兼ねており、三豊市高瀬町のすし屋「鮨駒」が会場になりました。例年会場に使っていた串ランドが今年からは使えなく なったそうです。
三豊市で行ったことのあるすし屋はまるお眼科の近所のスシローだけなので、香川にきてから初めての回ってない寿司屋です。
寿司は回ってないというだけでも美味しさ5割増しに感じますので楽しみですね。
まずは食事を始めます。
すし屋ですが、メイン料理は鍋でした。
串ランドが使えなくなったのは鍋ができなくなったからだ、との幹事からの説明がありました。
寒い日でもあり、鍋はうれしいですね。
勿論寿司もあります。
筆者は加熱してないネタの握りが好きなので少し残念です。巻物、稲荷、卵焼きなどはどうしても砂糖の味が強くて、子供のころからあまり好みではありませ ん。
この中ではシャコの握りが一番気に入りました。
つづく
1月15日
水の中
今年に入ってから「水の中で物を見ている様な感じの見え方になった。」という患者さんが来院 しました。
視力はそちらの眼だけ(0.08)程度まで落ちています。
眼科医ならばピンとくると思いますが、この方は網膜剥離を起こしていました。
網膜はカメラでいうとフィルムにあたる部分です。最近はフィルムのあるカメラは殆ど見かけませんので、この例えがいつまで通用するのか疑問ですが。
それはさておき、フィルムのど真ん中である黄斑という部分まではがれており、網膜剥離の中では重症タイプと言ってよいでしょう。
聞くと3日前から異常を感じていたということでした。
初日なら黄斑ははがれてなかったかもしれません。
それにしても網膜剥離の症状をこのように表現した患者さんは初めての経験です。
「水の中」で見ている様な見え方になった場合は早めに眼科を受診してください。
1月8日
手術初め
本日2013年初めての手術を行いました。
合併症無く全ての手術を終了しホッとしました。
新年初の手術は年末年始のブランクもあり、新年早々合併症を起こすと嫌な一年になりそうな気がしますので緊張感が高まります。
無事に終わって一安心です。
1月4日
謹賀新年
本日から2013年の診療を開始しております。
三豊・観音寺地区の眼科医療に貢献するべく更なる飛躍をめざしたいと思います。
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