MARUO  EYE CLINIC  HOMEPAGE

TOPに戻る

 
  

当院の近況 2012年

12月28日
信じる者は救われる
白内障手術は目の中の濁ったレンズを透明なレンズに取り換える手術で、眼の中に新たに入れる レンズは当然人間が工場で作った人工レンズです。

素材には色々ありますが、使われるレンズの大半はアクリル製です。

NY60

 
世界の各社が様々なレンズを開発しており、国産では恐らくHOYA社がトップシェアであると思われます。


HOYA社は開発スピードがとにかく速く、レンズそのものや挿入する道具であるインジェクターに改良を次々と加えて、アクリルレンズでは後発メーカーであ りながらシェアをどんどん拡大してきました。

その中でもNY60という最新モデルは

・1.8ミリの創口から挿入可能。
・ワンアクションで挿入可能。
・レンズの足と光学部本体がくっつきにくい。
・インジェクターに予め装填されたプリセットモデルもある。

という優れた特性からユーザーをどんどん増やしてきました。

リンク先であるにしわき眼科院長がその使用感をレポートしています。


筆者も数年前、市販された直後に何度か使用して、「これは素晴らしい。このレンズをメインレンズに使おう。」と思っていました。

しかし実際にはそれ以降使わずに今に至ります。

何故か?

容子医師の師匠である、白内障マスター三 好先生がこのレンズを「術後眼内炎が起こりやすい。」と指摘されたからです。


眼内炎とは眼の中でばい菌が増殖する病気で、白内障手術をする医師が最も恐れる合併症です。


レンズのせいで眼内炎が起こるというのはちょっと信じられない気もします。

他の白内障マスターに聞いても
「そんなことある訳ない。三好先生しか言ってないでしょう。」
と一笑に付されました。


しかし、我々夫婦の尊敬する三好先生の指摘です。
他に選択肢が無いならともかく、世の中には眼内レンズは多数あります。

君子危うきに近寄らず。自分が君子かどうかはともかく、患者さんに迷惑をかけることだけはさけたいので、使うのはやめておきました。 

以後しばらくこのレンズのことを忘れて日々を過ごし数年がたちました。


そんなある日


「HOYA社は、NY60(プリロード型251およびiMics1)挿入眼における
眼内炎発症率が従来より高いことを、11月16日付けでPMDA(独立医療機器行政機構)に報告しました。

本件につき、日本眼科学会ならびに日本眼科医会を通じて、当該眼内レンズ使用注意喚起の情報を発信することが社内 決定しました。」

という通達が所属する学会から届きました。

三好先生は正しかったのです。

三好先生の指摘を信じて箱舟に乗った我々夫婦は救われました。
何よりも自分の患者さんが、救われたのが喜ばしいことです。

優れた手術医というのは、単に手先が器用、というのではなく洞察力が優れているのだなあと改めて三好先生の慧眼に感銘を受けた次第です。


HOYA社は先ほど述べたように、開発力はぴか一ですので、原因を究明し、もっと素晴らしいレンズを開発してくれると信じています。

12月25日
超音波白内障手術機械 ステラリス体験記 その3
1例目はD&Cで不思議な感覚の手術を終えたので、2例目はいつも通りチョップをし てみました。ただしセカンドチョップして核片をすぐ吸引処理せず、分割を全て終了してから、一気に分かれた核を処理してみました。

すると核を全くはじくことなく、スルスルと核が吸い込まれていき、一つの核片の処理が終わると、勝手に次の核がチップに寄ってきます。

これ程核を弾かずに手術できたのは初めてです。
術翌日の角膜も大変綺麗でした。


ステラリスは噂通り、切れ味のよいチップで溝はどんどん掘れますし、チップを真ん中に置いてペダルを踏んでいると核処理も勝手に終わります。

ただ、滅茶苦茶気に入ったか?と問われると、自分で手術をしている気がしない手応えの無い手術になってしまい、しっくりしない感じが残りました。

ボシュロムの担当の方と相談した上で超音波パワーや吸引圧の設定をもっと弱くしてその次にのぞむと、打ち込みの手応えが少し得られて核の固定がしやすくな りました。


筆者は昔6.5ミリレンズを第一選択に使っていたこともあり、CCCが大きくなりがちなのですが、CCCの最中に眼が動き、いつもよりかなり小さいCCC になってしまった症例がありました。

拡張してから核処理をすることも考えましたが、拡張時にまた目が動いて流れたりすると目も当てられません。

ステラリスならハイドロさえ効いていれば何とかなるだろうと、そのままの大きさで手術を続行したところ予想通り、核がスルスルとチップに入ってきて核処理 はあっさり終わりました。

3日間だけの使用でしたが、セッティングがビシッと決まれば手放せないマシンになるポテンシャルは十分感じ取れました。

後でS先生からきいたところではステラリスの真価はバキューム350ミリ以上に設定しないと分らないということです。

筆者はせっかくのF1マシンで時速50キロ程度しか出さずに走っていたのかもしれません。また使用する機会があればもう少しアクセルを踏み込んでみたいと 思います。


最後にもう一度。このような機会を与えてくださったボシュロムさん、有難うございました。

終わり

12月22日
超音波白内障手術機械 ステラリス体験記 その2
一口にステラリスを使うといっても、チューブやチップに色々選択肢があります。

チューブは当然ステイブルチャンバー付のものを使わせていただきました。

O木先生に「ステイブルチャンバーの無いステラリスはどうなんですか?
」と質問したところ、一言

「ただのマレニアム。」

と返事が返ってきたことがあります。マレニアムはステラリスの前のボシュロム社のモデルですのでそれでは意味がありませんね。


超音波チップは1.8ミリ切開対応の小さいフレアチップを選びました。

ステラリスの超音波チップは切れ味がよいということで容子医師の兄弟子S先生が絶賛しておられます。


ステラリス


刃物の切れ味を確かめるなら、フェイコチョップより、溝を掘った方がよいだろうと思い、ステラリスでの初手術はD&Cで行うことにしました。


さて、CCC、切開、ハイドロを無事終えて、溝を掘り始めました。

核がグレード2程度でそれほど硬くなかったせいもあるのか、何の抵抗も無く掘れていきます。抵抗も無いが手応えも無く、ちょっと深く掘るのは怖く感じまし た。

普段溝を掘る場合はエピヌクレウスに達するまで深く深く掘るのですが慣れないベンチュリーマシンですし、打ち抜くのは最悪なので、適当なところで溝掘りを 中止し、割りにいきました。


ここで問題発生。


普段は左手に分割君を持つのですが、容子医師と器具を共通化するために、最近左手のフックを三好フックに変えました。


三好フックはフェイコチョップするには物凄くやりやすいフックでオリジナルのフェイコチョッパーより遥かに上と思うのですが、その独特の形状のため、 D&Cで2分割をしようとすると、手前の核が非常に割りにくいのです。


これまで三好フックはチョップでしか使ったことが無かったので、手前の割りにくさに気づきませんでした。


結局手前が繋がったまま回転し、4分の1の核片を作って処理し、残りの核片にチップを打ち込みにいくと、これまた打ち込みの手応えがなく、固定が出来て るという感触が得られません。

ペリスタと異なり完全閉塞で最高吸引圧になるわけではないからでしょうか?とにかくどこまででもチップが進んでいく感じがして、ここで固定して分割にかか ろう、という気持ちになれないのです。

何だかもやもやしたままに核を割り吸引をかけると、スルスルっと核がチップに入ってきます。
これまた超音波で砕いて吸っているといういつもの手応えがありません。

なにやら手術をした感じがしないまま手術が終わってしまいました。


大リーグボール3号と初めて対決したパ・リーグの打者はこんな気分だったのか?という何とも不思議な感覚で手術が終わりました。

つづく。 

12月20日
2012年手術終了
本日で今年の手術を全て終了しました。

白内障手術については112例を施行し後嚢破損やチン氏帯断裂、虹彩脱出などのメジャートラブルはなく、全て眼内レンズを挿入できました。 

最大のトラブルである感染性眼内炎も現時点では1例も発症しておりません。

職員も眼科手術経験のない状態から手術室の立ち上げをうまくこなしてくれました。

開院以来、ご協力くださった関係各位にこの場を借りてお礼申し上げます。

来年を更なる飛躍の年にしたいと思います。

12月17日
超音波白内障手術機械 ステラリス体験記
ボシュロム社の最新鋭白内障手術機械ステラリスを使用しました。

その体験記をアップしたいと思います。またもや眼科医以外には意味不明かもしれません。


現在日本で一般に入手できる白内障手術機械はアルコン社のインフィニティー、AMO社のシグネチャー、ニデック社のフォルタス、そしてこのステラリスで す。

インフィニティーはこの中で一番先に発売されていますので、その間細かいバージョンアップもあり、恐らく日本で一番普及しているマシンではないかと思いま す。

車でいえばモデル末期で初期不良を全部つぶした状態といえましょう。


前任地でインフィニティーを使っていたこともあって一番使い慣れており、こなれたマシンであるインフィニティーを当院でも採用しました。

インフィニティ


ただ、ステラリスの評判が非常によいので、以前から興味を持っていました。今回はボシュロム社のご厚意でステラリスをデモで使わせていただく機会を得まし た。ボシュロム さん有難うございます。


ステラリスの特徴はポンプがベンチュリータイプであることと、ステイブルチャンバーです。

これらについてはメーカーのカタログにも記載されていますし、リンク先であるにしわき眼科クリニック院長が詳しくブログで述べていますのでそちらを参照して頂けばよいでしょう。


我々が興味を持ったのは、実際使用した医師から生の声を聞いたからです。


容子医師の師匠である三好先生がまず絶賛しておられます。

三好先生の手術スタイルは角膜切開、チョップをしてハイバキュームで核を吸い取りとにかく手術があっという間に終了してしまいます。直弟子の容子医師なら ともかく、筆者はちょっと真似するのに勇気のいる速さですねえ。

ただ、速さだけを求めるなら通常の3倍の速さで手術が終了すると言われる白内障手術界の赤い彗星もこの世に存在しますし、そういうスタイルの術者にあった マシンだというだけかもしれません。


しかし、全く反対のタイプの術者でこれまた白内障手術界の重鎮であるO木先生もステラリスを絶賛しておられるのが興味深いところです。



O木先生の手術スタイルは三好先生や赤い彗星の極北で、強角膜切開で、溝を十字に掘り、低吸引圧、吸引流量、超低ボトルでのゆったりとした手術です。


とにかく手術スタイルが極北ともいえる2人の重鎮が共にべた褒めするマシンですから興味を持たずにはいられません。


ちなみに三好先生の一の弟子であり、容子医師の兄弟子であるS先生も溝こそ1本しか掘りませんが、低吸引圧、吸引流量、超低ボトル派でやはりステラリスを 絶賛しておられます。

直接話を聞いた大御所のうちでは、刊行予定の著書に「白内障術中における褥瘡予防」をお持ちの「銀河系で最も遅い術者」であるT先生だけは、違いがよくわ からん、と仰っていました。


さて実際に使ってみたらどうなのでしょうか?

つづく。 
12月15日
第一回JSCRSウインターセミナー参戦記 その3
さて初日のプログラムが終了したのは22時です。

親友であるにしわき眼科クリニック院長も出席していましたが、流石にどこかに遊びに行こうという気にはならず二人とも素直にホテルに向かいます。

キャピトル東急にそのまま泊まれば移動せずにすむのですがあまりに高いので筆者は東横インを予約しました。

再び溜池山王の駅を端から端まで歩き、目的の出口から出てホテルを探します。


こっちかな?と思うところで道を曲がると、いきなり道にバリケードがあり、警察官が張り付いています。自分が犯罪者というわけではないのですが、田舎でこ んな体験は無いのでドキッとしました。

せっかく警察官が居るので東横インの場所を尋ねると、バリケードの奥であることを教えてくれました。


どうやら首相官邸がホテルのすぐそばにあるようです。

写真を撮ってアップしたかったのですが、交番に連れて行かれると面倒なので止めておきました。


翌日はシンポジウム形式で術後の満足度の向上と合併症・難症例対策についてのセッションがありました。

再び備忘録です。

<白内障の病型>
・ウォータークレフトにDM、アトピーが重なると過熟になりやすい。
・IOL眼は60代の眼に戻るだけ。それより若い人の手術は満足度に要注意。

<角膜との関連>
・乱視の評価ではSAIよりSRIが相関が高い。

<眼内レンズ選択>
・SRK-T式は22.5ミリから26ミリまでは有効。この範囲を超えるなら他の式を使う。ハイジス、ハラデーなど。
・眼軸0.1ミリで0.5Dくるう。
・片眼だけが光学式で測れない場合は測れた方をAモードと比較する。
・左右差が0.3ミリ以上、屈折値40D以下、47D以上、左右差1D以上あるなら、合理的な説明がつくか再検討。
・トーリックで予測残余乱視が0.25D以上なら1ランク上のレンズを選択。

<難症例・合併症>
・IMSにはヒーロンVをうまく使う。
・tipを抜くときはMQAなどで創を押さえながら抜くと前房虚脱しない。
・白色白内障は30G針で液化部分をまず吸い内圧を下げるとアルゼンチンフラッグになりにくい。


2日間勉強漬けになり、おなか一杯です。


飛行機の時間にあまり余裕もないので、にしわき院長と羽田に向かいました。

終わり。 

12月13日
第一回JSCRSウインターセミナー参戦記 その2
ホテルの会場に入るとすごい広さです。

写真では写ってませんがスクリーンも1面ではなく右の方にももう1面ありました。

昨年の3倍くらいの規模になっているようです。

キャピトル東急


横浜でS先生に参加を誘われたときはまだまだ空きがあったのですが
会場のアナウンスでは、定員の300名は埋まっています。



初日はトラブル対策のセッションでした。


以前にも書いた通り白内障手術はほぼ完成されているので、逆にトラブル対策が全てという状況になっています。


知識の整理に有効なセッションでした。

以下は備忘録なので、眼科医以外では意味不明かもしれません。
トラブル対策を箇条書きにしておきます。


<逆ブロックによる術中急激な縮瞳>
・麻酔の追加
・OVDがある状態ならチン氏帯のところにBSSを入れて硝子体側の圧を上げる。
・チップでCCCを押さえ後ろにBSSを回す。
・ヒーロンVを入れてボトル30cmの低ボトルで手術。
・途中でマリューギンリングを入れるときはCCCに引っかけないように注意。
・I/Aならビスコート下でやるのもよい。

<術中疼痛、浅前房>
・潅流がきちんと出来てるかチェック。チューブの折れ、フィルターの詰まりは無いか?
・IFISで下手にチップを抜くと虹彩が出るので、抜かずに粘る。
抜くならボトルを下げOVDに置換か?

<バーン>
・ビスコート全置換でのCCCは要注意。
・リークに対して縫合するときはバイトを長く、健常部位から糸を掛ける。
・連続縫合はダメ。
・最初は仮止め、リーク止まってから本縫合。他の場所を縫うと最初に塗った部分が緩む。
・角膜切開の場合は結膜で被覆。

<緑内障発作眼>
・視認性をあげるにはウエットシェル。
・上皮を剥ぐ。
・マンニトール点眼でも一時的には見やすくなる。

<眼内レンズが落下しかけ>
・ヒーロンVを前房に入れておくと、くっつけられる時がある。
・フックは難しいのでセッシで持つ。

<核落下>
・CCC未完成の時にグラッときたら、ECCEにコンバート。
・毛様体扁平部からVランスを刺して持ち上げられるかも。
・基本的に底までまっしぐらに落ちることはなく、虹彩の後ろに引っかかっていることが多いが、インデントしないと見えない。
この時だけはコアキシャルの方が浮き上がる可能性あり。)

つづく。

12月11日
第一回JSCRSウインターセミナー参戦記
12月8日(土)、9日(日)に第一回JSCRS(日本白内障屈折矯正手術学会)ウインター セミナーに参加しました。

JSCRSのウインターセミナーは昨年もあったという記憶があり、現に参加した知人も2人いました。なぜ「第一回」なのかは謎です。

場所は東京のキャピトル東急ホテルでした。18時開始なので土曜の午前外来が終わってからでもなんとか間に合います。

愛媛県に住んでいるときはどこに行くにも飛行機を選択せざるを得ませんでしたが、香川に転居してからは東京も新幹線で行くことが多くなりました。

飛行機は事前にチケットが必要なうえに、便の変更がなかなか難しいし、荷物検査を受けたりと面倒なことが多いので、ふらりと乗れる新幹線の方が好きなので す。

しかし今回は新幹線で行くと遅刻決定なので、飛行機を予約し外来終了後すぐに高松空港に向かいました。


ナビの指示が遅く道を一度曲がり損ねた以外は順調にいき、出発の1時間前に空港に着きました。


昼食がまだなので、食事をすることにします。香川に住んでからは麺といえばうどんで、ラーメンを食べたことが無いのでレストランでラーメンを頼んでみまし た。

ラーメン

讃岐うどんのこしの強さに慣れると、麺が少し柔らかく感じましたがスープは美味しかったですね。 

破たん後初のJALに乗ります。 

JAL


少し遅れて羽田に着きました。


会場は地下鉄の溜池山王駅直結です。羽田からどうやって行くのが良いのかよくわかりませんでしたが、モノレールは今までに何度も乗ったのでとりあえず京急 で品川まで切符を買います。


電車の中で調べると、どうやら京急が地下鉄に乗り入れているので新橋まで行き、そこで銀座線に乗り換えるとよいのが分りました。


溜池山王の駅では南北線のホームに移動して端から端まで歩き、やっと出口に着きました。


都会は疲れるなあ、と思いながらホテルに入りました。

つづく

12月8日
電子カルテのサポート体制
11月26日にもアップした通り、当院のカルテは眼科専用の電子カルテNAVISです。

トラブル後に大阪からSEの方が来て対応してくれて、メジャートラブルは解決しました。


ところが、複数の端末からの同時書き込みを禁止する機構が正常に働かず、実際にはカルテを開いてない端末で開いていることになる状態が頻発しました。

こうなると他の端末からその患者さんのカルテが開けないことになります。正確には読むことは出来るが書き込みができない状態です。


コンピューターに付きもので、毎回そのトラブルが出るわけではなく、出たり出なかったりなのですが、SEの方の目の前でその状態が出現してくれたのが不幸 中の幸いでした。

NAVIS

翌週の月曜にはまた当院を訪ねてくださり、暫定的な処置をとってくれてトラブルは生じなくなりました。


全国のNAVIS導入施設で初めて出たトラブルということで、根本的解決には時間はかかるようですが、解決を確約してくれています。


電子カルテにはトラブルが付きものなので、リモート対応だけでなく、現場に人を送ってくれるのは非常に安心感があります。


電話やメールでは伝えるのが難しいことも、同じ場所にいればすぐ伝えられるということはいくらでもあります。


アナログ世代の筆者はやはり「会って何ぼ」という感覚がありますので、すぐ担当者が来てくれるのは高く評価できます。 

12月5日
三豊市豊中町女性会議主催 健康講演会 報告つづき
開演にあたってまず、会議の会長さんからの挨拶がありました。


その後は来賓の方の挨拶で、最初が三豊市役所の政策部企画財政課の課長さんの挨拶、次は三豊市議会の瀧本副議長さん、最後が三豊市の詫間議員さんの挨拶で し た。


主催者は女性会議であり、瀧本副議長さんも女性ですので「男女共同参画」という言葉を出され、近づく国政選挙のことも話題にし女性の力をもっと社会に、と いう 趣旨の熱い挨拶です。


議員さんの方は一転自らの眼科受診をネタにされ笑いを取っておられました。

お二人とも職業柄人前で話すのに慣れておられ、その後での講演は少しプレッシャーを感じます。


講演会3

その後会長さんから、アメリカ視察旅行の報告がありました。上の写真のスクリーンがその報告、画面左端で顔が切れている男性が詫間議員さん、その隣の女性 が瀧本副議長さん、副議長さんに隠ているのが市役所の課長さんです。





講演会4

画面左端でマイクを持っておられるのが報告中の会長さんです。


そうこうする間に更に出席者が増えていきます。
筆者の出番の前には来賓席の机も片づけ急きょ座席が増やされます。



講演は1疾患10分程度でほぼ予定時間に終わり、質疑応答の時間を設けました。


最後に少し時間が余ったのでHPのファイルを使い自己紹介をしました。


容子・浩久
容子医師は大学の先輩であり、白内障手術の指導者でもあるので、院内でも家庭でも既に男女共同参画を実践しているということを、副議長さんと主催者である 女性会議にアピールしておきました。


講演中は自分で写真を撮れませんのでその写真はありませんが、結局180人程度の出席者だったようで、余裕を持たせたつもりの資料は不足してしまいまし た。


三豊・観音寺地区の眼科クリニックは提携機関である近藤眼科医院と当院を含めて3件しかありません。

特に三豊市には、当院が開院するまで眼科クリニックが無かったので、気軽に眼科受診ができなかったこともあり、「よくある眼の病気」という講演内容に関心 を持っていただけたのかなと思います。


内覧会での三好先生のご講演も1回の予定を3回に増やす必要があったり、当地区は眼科情報に需要が多いことを実感しました。


講演は依頼がないとできませんが、HPは貴重な情報発信の場ですので、今後も更新を続けていきたいと思います。

12月3日
三豊市豊中町女性会議主催 健康講演会 報告
当ホームページのTOP画面でも告知しておりましたが12月2日に三豊市役所豊中庁舎で講演 会を行いましたので報告します。

主催の豊中町女性会議は毎年12月に健康講演会を開催しておられます。

今回は豊中町に新規に眼科が開院した、ということで当院を選んでくださったようで 講演をする運びとなりました


パソコンとプロジェクターの接続確認のために、30分前に会場にはいったところ、既に座席に座っておられる方がたくさんいらっしゃいます。


衆人環視のなか、接続チェックをしていると、その間にもどんどん人が集まってきました。

講演会1


開演前の会場です。会場は100人くらい入る大きさ、と聞いていましたが、15分まえくらいにはほぼ満席状態です。

資料は余裕をもたせて150部ずつ用意したのですが、足りるのでしょうか?



演題は「よくある眼の病気」といたしました。


講演会2


長生きすれば誰でもかかる白内障、日本人の40代以上で20人に1人、70代以上では10人に1人がかかる緑内障、生活習慣の変化で増加しているドライア イ、アレルギー性結膜炎について話すことにしました。

これらの疾患は自分が発症してなくても、家族が発症したりで、身近に
感じて頂けるのではないかと選んだものです。



開演は13時30分で、他のプログラムもあるため、筆者の出番は14時からです。  

つづく

12月1日
自動血圧計
当院には患者さんが自分で測れる自動血圧計を導入しております。内科などにはよく置いてあ る、腕を輪っかに突っ込んでスイッチを押すと自動で測ってくれるアレです。



血圧計


眼科クリニックで、血圧を測ることは滅多にないので、これまでは主に手術を受ける患者さんの手術前後の血圧を測るために回復室に置いていました。


しかし回復室を使う時は必ず職員が側にいるわけで、このタイプの血圧計を置く意味は殆どありません。自立型の場合は移動が必要になってしまい、せっかく手 術が終わってほっと一息ついているところに、また立ったり座ったりが必要になってしまいます。


そこで回復室での測定はポータブルタイプで行うこととし、自立型の血圧計は待合室に移動しました。、


給茶器の反対側に置いてありますので、待ち時間にでもご自由に測定していただければと思います。

11月28日
顕微鏡の電球
当院の診察用顕微鏡はカールツアイス社のSL120と30SLであることは以前にも記載しま した。


月曜日の午後に30SLの電球が切れたので、予備の電球に交換したところ、とにかく暗くて見えにくくなりました。


電球そのものはきちんと光っています。(下写真)


スリット不良電球




取り付け方が悪くて光が集光されていないのか?と何度もランプハウスに取り付け直しをしたのですが一向に改善しません。

電球の不良ということがあるのだろうか?とも考えましたが、もう予備の電球は無いので試すことが出来ません。


30SLの電球は12Vなので、6V仕様のSL120の電球と交換して試すということもできないのです。


診察が全くできないほどではないのですが、これがずっと続くなら、衝動買いしたSL120に入れ替えをせねばならないなあという程度です。


買っといて良かった。


一応12V電球を注文したところ、火曜朝一に届くということでそれを試してだめならSL120と入れ替えをしようと思っていました。


けれど火曜の午前の診察が始まっても電球が届きません。いよいよSL120と入れ替えが現実化してきました。


たまたま電子カルテの保守に来られていたニデック社の担当者に相談するとニデック社の顕微鏡も12V仕様のものがあり、カールツアイス社の電球と互換性が ある、ということです。


そこでニデックさんの手持ちの電球に交換すると、あらビックリ、元通りによく見えるではありませんか。下が交換後の電球です。


スリット不良電球



電球の個体差がこれほどとは。10年以上顕微鏡を使い続けて初めて知りました。


上の二枚の写真では殆ど差は分りませんが、顕微鏡を覗くと全然別物なのです。


おかげで診察も滞りなく進み、そうこうするうちに替えの電球も無事届きました。


ニデックさん有難うございました。この場を借りてお礼申し上げます。

11月26日
電子カルテの欠点
当院は眼科専用の電子カルテでニデック社のNAVISを採用していす。


NAVIS

その電子カルテの最大の欠点が24日土曜日に発生してしまいました。突如受付・会計用のパソコンが立ち上がらなくなったのです。


受付・会計にはそれぞれ1台ずつ端末を用意していますが、1台が死ん
だので残りの1台だけで両方の業務をこなすことになり、能率はガタ落
ちです。


また検査機器からのデータも飛んでこなくなり、いちいち手入力やプリントアウトした紙をスキャンすることになりました。


紙カルテの時はやっていたことではあるのですが、このあたりの能率化を目指して電子カルテを導入しているだけに、ここが上手くいかないと
電子カルテの融通の利かないところだけが前面に出てきます。

おまけに祝日開けの土曜日なので、普段より患者さんも多く、とにかく
お待たせしてしまいました。


この場を借りてお詫び申し上げます。


22日木曜日も起動の調子が悪く、サポートセンターに連絡したところ、様子を見るようにという指示で、不安を感じながらの23日の祝日を挟んでの土曜日の 外来のことでした。


最終的にはハードウエアの問題だったようで、外来終了後にパソコンの
マザーボードを交換することなってしまいました。


NAVISは他社の電子カルテと異なり、ハードウエア込みでの販売しかし
ておらず、ソフトが悪くてもハードが悪くてもトラブル時にはニデック社が責任を持ってサポートしてくれる、というのが売りだと思っていました。

無論機械ですから壊れることはあるでしょう。しかし今回は突然死したわけではなく予兆はあったわけです。


木曜日に不調を訴えているにも関わらず放置プレイをされた結果
最悪の事態が生じたのは残念でした。


ユーザーが不安を訴えているのですから、木曜午後か最悪土曜朝一で
人を送って欲しかったというのが正直なところです。


ただ、ハードウエアを自分で購入するタイプの電子カルテで同じことが
起こった場合は、まずソフトウエアの問題か否かをソフトウエア会社に判定してもらい、そこで問題無ければハードウエアの会社に自分で連絡して修理を依頼す ることになるわけです。


外来が止まりかけている時にその煩雑な手続きをこなす、というのは考えただけでも気が遠くなりますね。


NAVISは普段のサポートはよいですし、今も大阪から来られた担当者がソフト上の問題をつぶしてくれています。


パソコンの部品交換も土曜日のうちにはしてくれました。
パソコンについては国内メーカー以外ではこの対応は望めなかったかもしれません。


当院はどのみちNAVISと心中するしかありませんが、これから電子カルテの導入を考えておられる方は、使いやすさや機能より何よりハードウエア込みで、 サポート体制を重視して選択なさることをお勧めします。

止まれば終わりの電子カルテ。

11月24日
健康講演会
12月2日(日)に豊中町保健センター 健診ホールで講演会を行います。

お近くの方はお立ち寄りください。

案内のちらしです。クリックすると拡大します。



講演会案内



11月20 日
手術前室
当院の手術室と回復室の間には、手術を受ける直前の患者さん用の待機室があります。


ほんの数分しかここで過ごす時間は無いので、エアコンはこの部屋には取り付けておらず隣りの部屋のエアコンからの送風口も設けていません。


夏は問題なく過ごせたのですが、気温が低くなってくるとこの部屋で底冷えがするようになりました。


ドアを開けっ放しにできれば、気温は手術室や回復室と同じになり問題は生じないのですが、手術室のドアを開けっ放しにするわけにはいきません。


手術前室

寒さ対策として上の写真の様にヒーターを導入しました。


余り使うあてはなかったのですが、前室にコンセントを設けておいて良かったなあと思いました。

11月16日
衝動買い
筆者は車やブランド物などに興味がなく、物欲が強い方ではないと自分で思っていますが、先日 衝動買いしたものがあります。

細隙灯顕微鏡です。

オムレツ理論


眼科医にとっては自分の眼の延長であり、毎日使うものですから非常に大切な機械で、これなくして眼科診療はありません。




筆者は眼科医生活のほぼ全てをカールツアイス社のSL-120とともに送ってきました。


カールツアイスは光学機械の世界的メーカーでソニーのカメラにレンズが搭載されているので、眼科関係者やカメラマニアでなくともわかると思います。

同じツアイス社の顕微鏡では兄弟機のSL130の方がよく売れているようです。

SL-130と比べてSL-120は

・光源部が小さく軽いので動かしやすい

・光源部に手を置くと、手をそこから動かすことなくレバーでほぼ全ての操作ができ操作性がよい

・光源の集光用レンズが縦置きなので汚れにくい(これは眼光学や神経眼科がご専門の某大学名誉教授に教えて頂きました)


ということで、筆者はSL-120の方が好きなのです。


今使っているのはSL-130の前のモデル30SLで、これは後継機であるSL-130よりよく見えるので満足していますが、SL-120の良品を発見し て、ついつい衝動買いしてしまいました。今は暗室に置いています。



当院は新しい眼科検査機器が出てきたときに備えて、スペースには余裕を持たせた設計にしたつもりでしたが、診察室で撮影する予定だった眼底カメラを暗室に 移動したり、他の機器も購入したりで、暗室がどんどん狭くなっているところにSL-120まで買ったのでますます狭くなっています。



土地を衝動買い出来るくらいになれば問題ないのですが、そんな日は永遠に来ないでしょうから困ったものです。

11月12日
Dry Eye Symposium 参戦記その4 
オムレツ理論」をご存知でしょうか?

リンク先のにしわき眼科クリニック院長があみだした理論です。


朝食会場で宿泊客の目の前でオムレツを焼いてくれるホテルは食事自体が美味しく全般的にサービスが優れている、というものです。顧客サービスに対する意識 が高く、コストをそれだけかけている証拠だという理論なんですね。


下の写真はオムレツ理論が生まれた時の写真を院長日記から引用しました。



確かに出来立てのオムレツは美味しそうですし、これだけのために人を一人配置するのは大変なことでしょう。

オムレツ理論


京都の学会では旅館に泊まって部屋に朝食が運ばれてきたため理論の正しさを検証できませんでしたが、今回はホテルですので今度こそ検証するぞ、と思ってい ました。




しかし若いときから脂っこい食べ物が苦手だった上に加齢が重なり、ビュッフェ形式の朝食では、用意されていれば和食にお粥を選ぶので、洋食のコーナーをき ちんと見るのを忘れていました。目立つ場所ではオムレツは焼いていなかったと思います。食事そのものは美味でした。




サービス全般についてはチェックインに異常に時間がかかった上にプレミアムクラブ会員に順番を抜かされた恨みがありますので、どうにかしてもらいたいとこ ろです。


勿論プレミアムクラブ会員やスゥイートルーム宿泊客は相応の対価を払っているので、優先してもよいのですが、一般客の目に見えるところで露骨にやるのは考 え物ですねえ。せめて別室でやるくらいの気遣いはできないものなのでしょうか。



私がプレミアムクラブ会員ならあれだけ待っている人がいるなかで順番抜かしの権利を行使するのは気まずいです。優越感を感じるタイプの人もいるのでしょう けど。 


ホテルそのものが欧米由来のものですから、上流階級の人が露骨に特別扱いを受けることを当然とする文化があるのかもしれません。田中康夫あたりに聞いてみ たいところです。


チェックアウトに関してはあらかじめ精算しておき、好きな時に出ていくというやり方を採用していました。これはチェックイン時に精算する前払い制の安ホテ ル以外では初めての経験で、素晴らしい制度ですね。




これが出来るのなら、チェックインの時も手続きだけは先にできるようにしておき、チェックイン時間になったら渡したカードキーを有効にするようにしておけ ば長蛇の列は避けられるはずです。私が支配人ならそうするのですが。

どうやらオムレツ理論は有効なようですね。





朝食後はホテルの周りを散歩しゆったり過ごし、出発予定時刻までは余裕があるので昼食は中華街に出向きました。 

中華街


適当に入った店は名前も覚えていませんが、海老ソバが美味しかったですね。


20年ぶりの中華街は連休ということもあってか?とにかく人が多く、田舎暮らしの身にはこたえました。

終わり

11月10日
Dry Eye Symposium 参戦記その3
休憩時間も終わりいよいよ第二部特別講演です。タイトルは「Ocular surfaceの 診療の秘訣」。



講演に先立って講師の先生から出席者にアンケートがあり出席者の6割が開業医であることが分りました。開業医のドライアイに対する関心の高さを物語ってい ます。



もう一つのアンケートではドライアイ診療の際に、涙の蒸発するまでの時間であるBUTを測定するか?分泌量を測る検査であるシルマーテストをするか?とい う質 問がありました。



シルマーテストとは下の様な紙を瞼にはさみ涙のしみこむ量を測る検査です。


リンベタ



両方すると答えた医師が31.2%、シルマーのみが5.6%、BUTのみが57%でした。



このシンポジウムに参加している医師はドライアイの診療に関心が 深い医師と考えられますが、その割にはシルマーテストをする医師の割合が合計でも4割を切っています。より簡便なBUTだけの測定をする医師でさえ6割を 切っており、どちらもすると答えた筆者は自分が少数派であることに少々驚きました。





その後各国のドライアイ事情の説明がありました。米国ではドライアイは炎症だと考えられてシクロスポリンの点眼(商品名レスターシス)が第一選択で、ヨー ロッパには日本での第一選択薬であるヒアルロン酸の点眼もシクロスポリンの点眼も無いとのことでした。


レスターシスの抗炎症作用はステロイドで代用できます。経験状もドライアイに低濃度ステロイドであるフルメトロンを処方するとしつこい点状の角膜炎が消失 するこ とはたびたびあります。


防腐剤の入ってないベタメサゾンも一日一回2週間程度の処方で角膜障害に効果があるようですということでした。

点状表層角膜炎がある角膜に防腐剤のある点眼を使うのは矛盾しているのでなるべく使いたくないところです。

筆者はまだ処方したことがないのですが、当院では防腐剤のないステロイド点眼である、リンベタPFを採用しているのでよい処方を学べました。

リンベタ



そして講演のメインはやはりムチン産生を促す点眼薬の話題になります。





10月25日の記事にもアップした通りNHKの「ためしてガッテン」でムチン産生を促す、点眼薬であるジクアス、ムコスタ点眼薬が取り上げられて患者さん からの問い合わせが激増しまし た。この2つの点眼は日本でしか使えないので、日本はドライアイ点眼の選択肢が非常に多く、ドライアイ先進国です。


ヨーロッパでは、ヒアレインもなくレスターシスもないので、ステロイド以外では人口涙液点眼でなんとかするしかない状況のようです。選択肢が多すぎるのも 問題ですが、ヨーロッパの眼科医は辛そうですね。




講演のなかでドライアイ点眼治療薬の位置づけの図が示されました。頭の整理に役立つのでまず基本の図を掲載します。


 ドライアイ点眼の位置づけ1



動物実験レベルのこと等も含めればムコスタは抗炎症作用、ジクアスは水分分泌作用もあるということで、下図のようにオーバーラップした効果を期待できると のことでした。



ドライアイ点眼の位置づけ2


ムコスタにせよジクアスにせよ一石二鳥が狙える薬ということで、これが使える日本人は幸運ですね。



講演の最後にムコスタの欠点である、のどに来たときの苦味については、

・きちんと点眼できたことの目安になること、

・もともと胃薬であることから胃粘膜保護になるかもしれないこと、

・内服に関しては胃癌の頻度を下げるという内科的エビデンスがある、こと




これらをうまく患者さんに説明してドロップアウトする率を下げられるかもしれないことを冗談半分?で教えてくださいました。





早速外来で上の内容を説明したところ、「苦いけど、我慢して使います」という患者さんがいらっしゃいました。これだけでも横浜まで出かけた甲斐がありまし たね。

つづく

11月8日
Dry Eye Symposium 参戦記その2
やっとチェックインを終えて部屋に荷物を運び入れた時点で長旅と行列に精神・肉体ともに疲れ 果て、特別講演には充分間に合うので少し部屋で休みました。

体 力を回復して会場に入ると第一部の二席「オキュラーサーフェスに優しい角膜矯正手術」の途中でした。

フェムトセカンドレーザーを用いた屈折矯正手術についての 話題です。フェムトセカンドレーザーは眼科では角膜手術分野で導入され、切開の精度が物凄く高いことで話題になりました。

その後白内障手術にも導入されはじめ、超音波乳化吸引術以来の術式の革命ということで白内障手術界のでも話題の中心になってきています。このレーザーを使 えば切開から水晶体を砕くところまでほぼオートマ状態で出来るので手術が物凄く楽になります。レーザー単体では手術 を最後まで終わらせることが出来ず、結局は超音波乳化吸引術の機械も必要なのでしばらくは超音波乳化吸引術に取って代わることは無いでしょう。しかし電化 製品などと同じくこの手の機械はある閾値を超えると爆発的に普及するので、それがいつになるか慎重に見極める必要があります。

ついつい白内障手術の話題になってしまいましたが、フェムトセカンドレーザーでの屈折矯正手術従来のエキシマレーザーによる手術より角膜への侵襲が低いと いうことでした。

第一部3席は「白内障手術とドライアイ」です。

ドライアイのない正常眼に白内障手術を施行して、2週間以降に異物感、乾燥感、まぶしさ、眼痛、霞みなどのドライアイ様の自覚症状がある場合ムコスタを眠 前1回処方すると、自覚症状が改善するということでした。
通常ムコスタは4回点眼です。しかし白内障手術後は抗生剤やNSAID、ステロイドなど2から3種類の点眼が処方されているのでそこにただでさえさした 直後に霞むムコスタを4回も重ねて処方するのはアドヒアランスの問題からなかなか難しいが、眠前1回処方で充分効果があるということでした。

寝る前ならムコスタ点眼の弱点の一つである点眼直後の霞みが問題にならないのでこれはよい処方ですね。 

その他ドライアイ症例でも視機能改善効果があり、最重症のドライアイでシェーグレン症候群とGVHDの症例でムコスタ点眼が著効した症例の提示がありまし た。

ここで第一部が終了し、休憩時間になりました。
会場を出ようとすると、後ろから声をかけられました。京都の食事会で同じテーブルだったS先生です。神奈川在住なので買い物ついでに出席したということで した。筆者が高松に行くより気楽に横浜に来れるようでうらやましいですね。今の制度で研修医が都会の病院に集中するのも仕方ないことだなあと思います。

休憩時間中はS先生とずっしゃべっていたところ白内障手術のウインターセミナーに誘われました。参加したいのはやまやまですがこれも開催が東京なので二つ 返事で出席しますとは言えませんでした。

つづく

11月1日
Dry Eye Symposium 2012に参加
11月3日(土)4日(日)の連休で横浜に出かけました。先週の京都同様、残念ながら観光で はありません。Dry Eye Symposium in 横浜への参加が目的です。15時からの会なので普段なら外来を終わらせてからの参加は不可能で すが、3日土曜は文化の日でまるお眼科が休みですので参加することができました。

会場のパシフィコ横浜です。


パシフィコ

シンポジウムまでは時間があり、ホテルのチェックインもできる時刻ではないので、すぐ側にある大観覧車に乗ってみました。


観覧車

先週行った京都の学会といえば会場は必ず国際会議場で、周りは山しかありませ んが、横浜はすぐ側が海です。素晴らしい眺めですね。
まあ埋立地に会議場を作ったのだから当たり前といえば当たり前ですが。



観覧車頂点

観覧車の頂点での写真です。

秋晴れの中こんな景色を眺めているとシンポジウムに出席する気が失せてきます。このまま横浜観光でもしたいところですが、本末転倒になってしまいますの で、気を取り直してチェックインのためにホテルに向かいます。

預けていた荷物を受け取ってフロントに行くと40年以上の人生でこんなに長いチェックインの列は初めて見た、というくらいの長蛇の列が出来ています。 チェックアウトで並ぶのはよくあることですが、それでもここまでの列は経験したことがありません。ましてチェックインは宿泊客 毎に到着時間がバラバラのはずですから異常事態です。皆シンポジウムの出席者なのでしょうか?

遅刻確定ですが、今更列を離れる気もしませんのでそのまま並び続けました。

ホテルの従業員が「プレミアムクラブ会員の方はいらっしゃいませんか?」「スゥイートルームご宿泊の方はいらっしゃいませんか?」と列に時々声をかけてい ます。筆者より遥か後方に並んでいた方が一人手を挙げ、列を離れてカウンターに向かいました。

う〜ん資本主義の世の中を実感した瞬間です。前に並んでいる人であれば自分に影響はなかったのですが、残念。

結局20分以上並んだような気がします。

つづく

11月1日
臨床眼科学会参戦記その2
京都の2日目、昨日は実質移動だけで終わりましたので、ここからが学会本番です。

学会早朝には軽食を摂りながら講演を聴くモーニングセミナーという一石二鳥の企画があり、貧乏性の筆者にとっては非常に有難いのでこれまでほぼ全ての学会 で参加してきたのですが今回はパスしました。

朝食付きとは知らずに予約した旅館の朝食の評判がとてもよく是非食べてみたかったのです。チェックインの時に「何時に出発予定ですか?」と尋ねられ「7時 30分には国際会議場に行 きたい。」と言うと。「それでは朝食は間に合いまへんなあ。」と言われてしまいました。食欲に負けてモーニングセミナーはパスしてしまいましたが、その甲 斐 あって京風の薄味で美味しい朝ごはんでした。


アイマスク

会場ではまず勤務医時代なら絶対選ばない コース、適切なレセプト請求の仕方のコースに行きました。勤め人時代であれば事務方にまかせっきりで問 題ありませんでしたが、これからはそうもいきません。大変勉強になりました。

その次は周術期管理のシンポジウムに参加しました。白内障手術で最も恐ろしい合併症である細菌性眼内炎への対応です。最近話題の術中ヨード洗眼がもっとも 勉強になりました。原法ではポピドンヨード(イソジン)を使用していますが、眼への適応がないのが眼科医の悩みのタネです。適応のあるPAヨードでやる なら8倍希釈で洗浄するのがよいということでした。

現在当院では手術開始前の洗眼を6倍希釈のPAヨード(生食100にPAヨード20ml)で行っていますので、最初から8倍(生食100にPAヨード 14〜15ml)で希釈すればそのまま術中に使えます。

術中ヨード洗浄を行うと術終了時の房水の細菌汚染が0になるというのは画期的です。ただ手術開始直後からヨードで洗浄すると術野はかなり見えにくそうで、 そのために合併症を起こしたのでは本末転倒です。イソジンとPAヨードの色の違いによる見えにくさも不明ですし、採用するとしても慣れるまでは眼内レ ンズ挿入直前くらいから洗浄に使うのがリーズナブルかなと感じました。

ランチョンセミナーはビスコアダプティブ型OVDの使い方のコースを選びました。特に目新しい話題はありませんでしたが、ハイドロ時の眼圧上昇とバーンに は要注意という点の復習になりました。

その後は再び機器展示場を巡り、最後にOCTの読影の
インストラクションコースに行きました。物凄い人気のためメイン会場がほぼ満席でOCTに対する眼科医の関心の高さを物語っています。

OCT読影のコースではRAP,PCVの鑑別が特に勉強になりました。
PCVは異常血管網がダブルレイヤーサインとして描出される。
RAPは網膜内新生血管のため外網状層やRPEの断裂がある。
この2点だけは覚えておきたいところです。

この日の夕食は三豊総合病院のグループに丸亀のS先生と筆者が合流し豆腐料理屋に行きました。

専門店だけあってただの湯豆腐がとても美味しく、緑豆の豆腐がほのかな甘味がありもっと食べたかったのですが、一人一切れしか割り当てがありませんでし た。残念。我々以外にも眼科医のグループが多数店を訪れていたようです。

アイマスク

学会最後の夜ということで、皆疲れてきたのか二次会もなくそれぞれホテルに帰りました。

10月29日
秋の京都
先週末に京都に出かけました。
秋は京都観光に一番良い季節と言われていますが、残念ながら観光にいったわけではありません。
まるお眼科開院後初めての学会参加です。

白内障手術界の重鎮O木先生と開院の1年前に食事する機会があり、アドバイスを求めたところ、「絶対学会から離れるな。たとえ医院を閉めてでも参加せよ。 普段きちんと診療を行っていれば、学会で医院を閉めても文句を言う患者さんはいない。」との助言を頂きました。
とはいえ、開院4か月で休診にすることもできず、金曜午後と土曜を1診体制にして筆者一人で参加しました。

というわけで第66回日本臨床眼科学会参戦記をアップしたいと思います。備忘録も兼ねており ますので、やや専門的な話題もあります。

金曜の午前診察を終えた後、駅に向かい会場に着いた時はもう4時を過ぎていま した。講演などを聞くには中途半端な時間なので、受付をすませて機器展示場に向かいます。

学会の楽しみの一つに機器展示場巡りがあります。眼科関連の薬品や機械メーカーが勢ぞろいして一押しの物品を展示しています。その辺の電気屋などで売って いるものではないので、実物を触れる数少ない機会が学会展示場なのです。

入口のすぐそばにはまず花王のブースがありました。花王といえば洗剤のイメージですが、置いてあるのはアイマスクで、使 い捨てカイロと同様開封すると熱と蒸気が出てくる
使い捨てのアイマスクです。社員の方と目が合い「ホットアイマスクはご存知ですか?」と 声をかけられました。「ド ライアイの患者さんによく勧めてますよ。」と答えると非常に喜んでくれて、新製品のゆずの香り付のサンプルを下さいました。展示場では販促グッズやサンプ ルを貰えるのもうれしい点ですねえ。

アイマスク

手術機械で気になったのは極小切開対応の眼内レンズカッターでMEテクニカさんと、ホワイトメディカルさんが展示していました。当院にはステンメッツと下 分・ギルの2種類を置いていますが、特に前者は極小切開創から は使いにくい大きさです。しかし試してからの購入が出来ないのがこの手の器具のつらいところです。
一通り展示場を見てから宿泊先に向かいました。

臨床眼科学会は眼科の学会で最大規模のものですので、全国から眼科医が8千人くらい集まってくる上に、観光シーズン
の京都ということもありホテルを探すのに非常に苦労しました。土曜日 だけ違うホテルなった方や、京都のホテルは諦めて大阪のホテルに泊まった方もいるということです

私の場合は何とか連泊できるところをさがしたところ陶月という旅館を見つけました。こういうのも京都らしくてよいかなあと思い予約をしたわけです。超高級 旅館ではありませんが、なかなか趣のある旅館でした。部屋から見える庭です。

アイマスク

夕食はこれまた白内障手術界の重鎮T先生主催の会に三豊総合病院F先生とともに参加しました。隣りの椅子には白内障手術界の若手のホープS先生がおられ、 まだ公表できない研究中のネタを教えていただけたりと有意義な食事会でした。二次会にも参加し、ふと気づくと24時近い時間になっています。旅館には門限 があるとネットで見ましたので急いで旅館に帰りました。

つづく。

10月25日
テレビの影響
昨日のNHKためしてガッテンでドライアイが取り上げられ、日本でしか使えないムチン産生ド ライアイ治療薬ジクアホソル、レバミピドが紹介されました。商品名はそれぞれジクアス、ムコスタです。

ジクアスムコスタ



その後ネットを使っていると検索上位ワードで「ジクアホソル」が最上位に来ていました。さすが天下のNHK、すごい影響力だなあと感心していました。

本日当HPのリンク先のにしわき眼科院長日記を覗いてみると、昨日一日のアクセスが何と平均の10倍になっているという報告がありました。
ネットの出現で既存マスコミの影響力の低下が取りざたされていますが、テレビの底力を実感しました。

既に当院でムコスタを処方している患者さんでも番組をご覧になっていた方がおられ、診察中に話題になっていました。

9月20日の記事でもアップした通り、この2種類の目薬の登場で外科的治療の出番が減ったとドライアイの専門家も認めるくらい、よく効くという実感が確か にあります。
筆者自身もドライアイ気味でどちらの目薬を使っても調子が良いので自信をもって患者さんに勧められる点眼です。

10月24日
童話の教訓
医学部時代の後輩がテレビに出たそうです。この後輩は学生時代はホストもどきのバイトをした り、有閑マダムのツバメ(死 語?)の様なことをしたりとその方面ではかなりの猛者で今なお現役ときいていたので、刃傷沙汰に巻き込まれたのか?と心配しました。放映は見ていません が事件に巻き込まれて報道されたのではなく、きちんと医師としての仕事をして登場したようです。

同級生を見ても、学生時代遊び過ぎて留年を繰り返したような人が優秀な医師となったり、逆に学生時代は将来を嘱望されていたのに医師としては今一つパッと しない人がいたり、当然といえば当然なのですが学生としての評価とは比例せず様々な人生を歩んでいます。

たゆまぬ努力を続けた者が結果を出せるという、兎と亀の話はある程度人生経験を積んでからの方が実感できるのではないでしょうか。
まあ、えてして兎の方が休まず走り続け、亀に限って居眠りしたりするのも事実ですけれど。

10月20日
西讃漢方交流会参加
10月4日の記事に続いて18日にも漢方の研究会に参加してきました。
前回講師の先生に教えて頂いた処方を「自分の体で試し」たところ、慢性疼痛は軽減しています。もう少し本腰を入れてやってみるか、と思っているところに、 観音寺での研究会の知らせが届いたので参加しました。

眼科の研究会が開催されるのは香川だと殆どの場合が高松なので、平日診察終了後の参加は事実上不可能です。県内の眼科医の数と開催地へのアクセスを考えれ ば高松での開催は仕方のないことです。
一方、漢方の場合は科を選ばず漢方に興味のある医師や薬剤師は全て対象になりますので、三豊・観音寺地域で開催も可能になるのでしょう。演題は「漢方診断 の戦略入門」でした。

内容は漢方診察の基本で、総論的な話でした。10月4日の記事の講師は西洋医学的アプローチをとっておられましたが、こちらの講師は険しい道であっても古 典を読め、というスタンスの方です。症例提示が余りなく、あってもやはり内科・外科的疾患の話題がメインになるので、眼科医が明日から漢方を使うのは難し いというのが実感です。しかし、質疑応答の時間には内科的疾患に処方した薬で、精神科的疾患が改善したという症例について講師が陰陽五行説にもとづいて説 明したり、皮膚科の医師も質問をしておられましたので、勉強を続ければ眼科でも応用できるかもしれません。定期的に開催されているようですし、自院から近 いところでの開催ですのでこれからも出席したい会の一つになりました。

10月17日
医者の習性
10月10日にアップしたもう少しでiPS細胞を作ったかもしれない後輩から連絡がありまし た。山中研に行ってれば人生変わったかも、でも臨床を見据えていた山中先生は、理学部出身者の自分からみると山師の様な怪しさを感じてしまった、というこ とでした。 

山中先生の発言には「iPS細胞は一人の患者もまだ治していない。」というものがよく出てきます。私が聞いた講演でもこの発言はありました。
山中先生は日本人初の医学部出身ノーベル賞受賞者です。基礎医学者の中には医師免許をもっていても、一度も臨床をせず基礎研究に邁進する人もい るようですが、山中先生は実際に臨床を経験している研究者です。自分の研究が臨床に応用できるか否かに対する思いは他学部卒業者には理解できないものなの かも しれません。

大きな眼科医院の院長の発言で、医院の経営者として他業種の経営者と話すこともよくあるが、会社経営は「設けてなんぼ」の世界であり、「治してなんぼ」の 医者の世界と は根本的に相いれない部分がある。医者は経営的には損失が出ると分っていても、治せる病気は半ば本能的に治療してしまう、という趣旨のものがありました。

例え2年しか臨床医をしてなくても、医師としての本能が「iPS細胞は一人の患者もまだ治していない。」と山中先生に発言させるのでしょう。

10月15日
KOSの会参加
昨日第21回香川県眼科手術医(KOS)の会に参加してきました。
手術を行っている眼科医が集まり症例検討を行う会で、この手の会には珍しく、権威による特別講演がありません。各自が症例を持ち寄りひたすら議論する会で す。当然手術をしない眼科医の出席はありませんので勤務医がメインで、演題をだしているのも病院勤務の医師ばかりでした。筆者は2回目の参加になります。

以下は自分のための備忘録を兼ねていますので、専門的な話も混ざります。

白内障手術分野は、現在術式がほぼ完成されており劇的な変化はありません。あとはひたすら手術の精度を上げていくことに注力している状況です。白内障分野 の演題は必然的に難症例やトラブル回避になります。難症例の方は扁平角膜の症例が提示されました。強度遠視ですが小眼球ではなく、角膜曲率が測れないので 眼内レンズの度数決定が難しく、眼内レンズメーカーの規格内最大パワー40Dを使用したということでした。扁平角膜につきものなのか?角膜混濁があるとい うことで手術はスリット光を使いながらしておられました。眼内レンズは分厚いため挿入時にはカートリッジにひびが入るそうです。非常に珍しい症例でした。
トラブル回避に関してはレンズ挿入時の破損例です。レンズカッターやバナス剪刃で切断して交換していました。ディスカッションでは、レンズのセッティング は挿入直前にした方がよいという意見、室内の温度管理も重要というアドバイスがありました。筆者もレンズ挿入時にループがとれて、眼内で切断し交換したこ とはありますが、バナス剪刃で切るのに非常に苦労した記憶があります。永田剪刃に変えるとあっさり切れました。刃先の長さがバナスと永田では全然違うので バナスでは上手く届きませんでしたが、演者の先生はバナスで綺麗に切っておられました。


その他の分野では眼形成分野、角膜分野の発表がありました。角膜分野はクリニックでは手出しできないところもありますが、眼形成分野は明日にでも取り入れ ることが出来る手法もありました。またプリセット型CTRの入手法も演題にあり非常に参考になる会でしたので、22回もスケジュールが許す限り出席したい と思います。

10月10日
後輩の選択
学生時代の後輩で、理学部を卒業後、奈良先端科学技術大学院の修士課程に進学し、更に京都大 学の博士課程を修了した者がいます。専攻は何と発生学。何年か前に神戸だったか京都だったかの眼科の学会の後でこの後輩と久しぶりに食事をする約束をして いました。

その学会での特別講演の講師こそ山中伸弥、京都大学教授でした。ノーベル賞最有力候補の講演ということで会場は満席。急きょ別の部屋で講演の中継が見られ るように措置が取られました。
講演では手術で挫折し研究者を志したこと、日米の研究環境のちがいからの帰国後鬱状態の話など、今新聞でも取り上げられているネタを笑いをとりながら公開 しておられました。
帰国後研究者の道をあきらめかけ、そして起死回生で奈良先端科学技術大学院に採用されたことが話題になったときに、この後食事の約束をしている後輩が奈良 先端科学技術大学院で発生学を専攻していたことに気づきました。しかもその後の進学先は京都大学です。所属した研究室の名前などさすがに知りませんが、こ れはもしかして、もしかすると、と思い始めたところ、講演の最後の方で山中教授は「これがiPS細胞を実際に作ってくれたメンバーです。」と写真入りで部 下を紹介し始めました。ドキドキしながら写真を見たところ、その中に私の後輩は居ませんでした。

山中教授の講演を聞いてきたところだ、と後輩にいうと、山中研は自分の研究室の隣の研究室で、同じ発生学なのでどちらにいくか迷ったが山中研ではない方を 最終的に希望したということです。今山中先生の一の弟子としてマスコミに登場する高橋講師のことを「高橋君。」と言っていたことを覚えています。
「もうちょっとで、君がiPS細胞を作るところやったんやな。残念やな。」と言うと「自分の選択に後悔はない。」と言っていました。

自分はノーベル賞などとは無縁の世界で生きているので素直にお目出度いことだなあと思えますが、後輩の様にもう少しで自分がiPS細胞を作ったかもしれな いのなら、自分の選択を滅茶苦茶後悔しただろうなあ、と今回のノーベル賞の報道を見ながら思いました。

10月4日
三豊・観音寺地域医療講演会参加
9月28日に三豊総合病院で行われた講演会に参加してきました。
講演のタイトルは「急性期と療養型病棟で役に立つ漢方の使い方」です。

眼科クリニックでなぜ漢方?病棟?と思われる方も多いでしょう。筆者は学生時代、東洋医学研究会の幽霊部員だったのです。勉強会に出てはみたもの の陰陽五行説や、気血水やらという現代医学には無い概念に付いていけず、生兵法は怪我のもと、と考えて専ら飲み会だけに出る部員と化してしまいました。
講演会の案内チラシによると 講師の先生は、「的確な漢方処方に至る道には険しい山坂が延々と続く古典に準拠した方法」の他に、漢方薬を「数多くの化学物 質の集合体と捉え(超多成分系)」る「純粋に科学的なアプローチ」がある、との自説をお持ちです。それなら自分にもわかるかも、ということで学生時代以来 約20年ぶりに漢方の勉強会に出席してみようと思ったわけです。

確かに講演を聞くと、これなら自分にも処方の方法論が理解出来るかもという講演内容でした。そもそも漢方薬は慢性疾患にしか効かないというイメージがあり ますが、本来は急性期に用いるべきもので、病初期の免疫賦活作用と抗炎症作用の切れ味は鋭いそうです。数千年前の病気は殆どが急性疾患である感染症だった 筈で、これに対して無効であれば処方として生き残れない、というのは説得力がありました。数千年かけて壮大な人体実験をした上で有効だったものが現代の漢 方薬であり、現代の統計学的アプローチで有効であるというエビデンスも徐々に積みあがっているようです。
循環器科の医師や糖尿病内科に進んだ学生時代の友人が漢方は激烈に効くと言っていたことも思い出しました。

例示される疾患が内科・外科向けの疾患だったので、眼科医である筆者が明日から実践で処方するのは少し困難でもありましたが、帰りのエレベーターで講師の 先生と一緒になったので、自分が困っている骨折後の慢性疼痛について相談したところ、よい処方を教えてくださいました。
まずは自分の体で試してみようと思います。

10月1日
当院の滅菌機械について
手術で使う道具は、ばい菌が一つも無い状態にしてから使用しなければなりません。これを「滅 菌」といいます。似たよう な言葉に「消毒」というものがあり、日常的にはこちらの方が聞きなれていると思います。滅菌がばい菌を全滅させるのに対して消毒は人体に無害な程度にまで 減らすことを言います。

滅菌の方法には色々ありますが、高圧蒸気滅菌というのが一番一般的で、少なくとも手術を行う日本の医療機関でこの滅菌法が出来る機械を所有していないとこ ろは一件も無いと思われます。

やや専門的な話になりますが、高圧蒸気滅菌のやり方には重力置換方式と、プレバキューム方式の2種類があり、管状の器具を滅菌するには後者の方式 でないと対応できません。眼科の白内障手術では管状の手術器具を多用するので、プレバキューム方式を使うことが推奨されています。

当院の高圧蒸気滅菌機械は日本ではあまり普及していないとされるヨーロッパの厳格な基準に準拠した機械です。
安心して白内障手術を受けて頂けるように、今後も設備投資を続けていきます。

9月26日
新企画設計HPリニューアル
リンクのページで紹介している建築事務所、新企画設計のホームページがリニューアルされて、 作品集のコーナーで「まるお眼科」が紹介されています。

新企画設計は愛媛県の総合建築事務所で医院建築でも有名ですが、眼科クリニックの設計経験は無く、当院が事務所で初めての眼科クリニックです。無論、病院 建築で眼科部門を設計した経験はありますし、眼科クリニックも手術室の増築の経験はあったのですが、眼科単科のクリニックを一から設計したのは初めてでし た。

当院の設計にあたっては数社でコンペを行いました。そのときに最後まで新企画設計と争ったのが、四国で眼科設計といえばここ、と定評のあるM事務所でし た。医院建築の中でも眼科設計は特殊なところがあり、経験が無い事務所に依頼するのは物凄い冒険です。これが車なら乗ってみてどうしても気に入らなければ 最悪買い替えるという選択肢もありますが、建物はそう簡単にはいきません。M事務所の設計はたった一度の打ち合わせでさすがと思わせる痒いところまで手が 届く様な設計です。最後の最後まで迷いましたが、当HPのトップ画面にしている完成予想図の美しさに魅かれ清水の舞台から飛び降りるつもりで、未経験の新 企画設計に依頼することにしたわけです。

その代りに、担当の白石建築士同伴で数々の眼科に見学に行き、取り入れて欲しいところは全て伝え図面をひいてもらいました。香川県の眼科は当然のことな がら出身大学のある愛媛、徳島、高知と四国四県は制覇し、本州は広島の三好眼科、一番遠方は大分県まで泊りがけで一緒に見に行きました。おかげで機能面で も満足のいく建物が完成し、見学に来て下さった眼科医からもお褒めの言葉を頂きました。こちらの要望をすべて取り入れるだけでなく、更に改善案を提示して 実現してくれた白石建築士のセンス、力量と  、白石建築士を快く各地に送り出してくださった林社長の度量に脱帽です。

新企画設計の設計した医院はそれぞれ担当者は違っても皆とても美しく、昔の同僚の医院である、みかんこどもクリニックと柳田脳神経外科は表彰も受けていま す。お時 間があれば一度訪問してみてください。

9月20日
さぬき臨床眼科交流会参加
9月15日に第5回さぬき臨床眼科交流会に参加してきました。
講演のタイトルは「ドライアイ〜どう診る?どう治す?〜」です。

ドライアイは涙の量が少ない目、と一般には考えられていると思います。必ずしも間違いではないのですが、これだけではドライアイのごく一部を捉え ているにすぎません。ドライアイを大きく分けると、分泌減少型と蒸発亢進型に分けられます。涙の量が少ない目は前者であり、後者は量的には問題なくても質 が落ちて非常に乾きやすい涙になっているものです。
ドライアイでは目が乾いたり、傷がついたり、といういかにも「ドライ」な症状以外に、なんとなく見え方がおかしくなるという症状もあります。

診断に関してはこう言った視機能の低下を波面センサーという機械で1秒ごとに解析して見え方の悪化をシミュレーションするという研究も講師の先生はしてお られました。

TSASといって、目の表面の涙が乾いていく様子を1秒ごとに測る機械もあります。ドライアイ治療でもっともスタンダードなヒアルロン酸点眼の持続効果 を、TSASを用いて解析するという研究に参加していたこともあり、講演は非常に興味深いものでした。

治療に関してはこの数年で有用な新薬が次々と発売され、涙の排水溝に蓋(涙点プラグ)をしたりする外科的治療の出番はかなり減り、目薬で対応できる範囲が 広くなったとのことでした。確かに新しい目薬はよく効いている実感があります。

現代はパソコンや携帯、スマートフォンなどが生活に浸透し目を酷使する生活環境になっているためドライアイの患者は激増しているといわれています。
目が乾くという名前通りの症状ではなくても、なんとなく調子が悪いとか目が疲れるいうような時にドライアイが隠れていることもありますので、気を付けてく ださい。

9月15日
旧友からの便り
学生時代の旧友からメールが届きました。
「まるお眼科」開院の挨拶状を送ったところお祝いをくれたので、お返しに讃岐うどんを送ったら、お礼のメールが届いたのです。

旧友は東大法学部を卒業し、外資系の会社に勤務した後アメリカに渡り、その後も順調なキャリアを積んできましたが、40歳を過ぎていきなり大学院を受験す ると言い出しました。
11日の記事の先輩といいこの友人といい、人生の順調なコースを敢えて外れていく選択をする人が周囲には多いのです。
それはともかく、人間ドッグで緑内障が疑われて、眼科を受診したところ既にかなり進行していると診断されたと相談がありました。

リンクページの緑内障学会の解説にも書いたとおり、日本人は40代になると20人に1人が緑内障を発症します。これが70代では10人に1人まで増加しま すので、今や日本の失明原因のトップを占めるに至りました。緑内障の怖いところは発作型を例外として、初期には自覚症状が無いことです。友人の様に検診で 発見されたり、他の症状で眼科にかかってたまたま発見されるというのが大半です。
「40歳を超えて同窓会をしたらクラスに2人くらいは緑内障の人がいます」、と診察中によく説明します。ふと気づくと自分がその年齢になっていました。

40過ぎたら緑内障にご注意を。

9月11日
医師と弁護士
九州で弁護士事務所を開いておられる学生時代の先輩から手紙を頂きました。
「まるお眼科」開院の挨拶状を送ったところお祝いを下さったので、お返しに讃岐うどんを送ったら、丁寧なお礼状を下さったのです。

先輩は国家公務員T種試験に合格した経済系官庁のキャリア官僚でしたが、退職して司法試験を受験し、法律家になられた方です。
経済系官庁のキャリア官僚から弁護士への転身というと、赤坂の高層ビルに事務所を開き、企業買収などで年収は天井知らず、というような勝手な想像を働かせ てしまいますが、全く逆の道を選ばれています。田舎町で事務所を開設し、専門分野以外の案件も何でもこなし、それでも経営は赤字すれすれということでし た。

巨大な組織で働くと、個人で考えたことは殆ど実現できないが、自分の仕事が影響を及ぼす範囲は物凄く広大であるのに対し、個人事務所を開いた弁護士は支え る ことの出来る人の数は限られるが、自分の思いがストレートに実現できる、ということで現在のように地域に密着した法律家の道を選択されたようです。

我々も自分がベストと思う医療を提供するにはこれしかない、という思いで三豊・観音寺地区で開院しました。
エリート官僚の道を捨て去り、地方の弁護士を選択された先輩と比べるのはおこがましいですが、先輩の思いを知り、医師と弁護士、道は違えど志しは同じだな あと嬉しくなりました。「お互い、がんばりましょう。」という先輩からの言葉を励みにがんばります。

9月6日
「初の」白内障手術
「初の」白内障手術を合併症なく無事に終了できました。

あれ?8月22日に同じタイトルの記事があったのでは?と常連さんは思われるかもしれません。
当院初の白内障手術は容子医師が執刀し、その次は浩久医師が執刀予定だったのですが、キャンセルになりその後出番がないまま本日に至ったので、浩久医師の 初の白内障手術が本日でした。

他県で手術に呼んで下さる施設があったので、開院前にも浩久医師は手術を続けておりましたが、さすがに開院してからは他院に出張して手術をする暇がなく、 ブランクのせいで緊張していたため、とにかく丁寧な手術操作をいつも以上に心がけました。合併症なく終了し禊が済んだ気分です。
手術介助の看護師は手術室勤務経験こそ無かったものの、1例毎に進歩がみられ、頼もしい限りです。

職員一丸となって、安全最優先の白内障手術を今後も心がけていくつもりです。

9月3日
手術シンポジウム参加
9月1日に第8回香川眼科手術シンポジウムに参加してきました。
講演のタイトルは「閉塞隅角緑内障の治療戦略」です。

我々が眼科医になったころは、閉塞隅角緑内障といえばまずレーザー治療(以下LI)を行うのがゴールデンスタンダードでした。レーザーを使って虹彩(茶 目)に穴を開けるというのもので、普通の手術で穴を開けるのと異なり、眼の中にばい菌が入る恐れがなく、手術室に入らなくても外来で出来るという大きな長 所があったので一世を風靡した治療法でした。
しかし、LIには水胞性角膜症という角膜移植でしか治せない重篤な合併症が生じることが分っており、ここ数年でLIよりも「白」内障手術をするべきという 意見が増えてきております。

「緑」内障手術の間違いでは?と眼科関係者以外の方は思うところでしょうが、これは「白」で間違いありません。
緑内障にはいろいろなタイプがあり ますが、その中で、閉塞隅角緑内障は白内障手術が根本治療になりうるタイプの緑内障なのです。ただしこれも何でもかんでも白内障手術をすれば良いというわ けではなく、閉塞隅角の中でも更に場合分けが必要ということで、知識の整理に非常に役立つ講演内容でした。

医学の進歩は日進月歩であり、昨日の標準的治療は明日には時代遅れというようなことがざらです。当院のある三豊市は香川の西のはてに近く観音寺を超えれば 愛媛県です。学会や講演会に出席するのも都会の医師と比べると一苦労ですが、標準的治療において行かれない様に、今後も研鑽を積みたいと思います。学会等 で休診にしてご迷惑をかける場合もありますが、長い目で見れば地域のためになると思いますので、ご容赦下さい。

8月22日
初の白内障手術
昨日当院初の白内障手術を施行し、合併症なく無事に終了できました。翼状片手術を数例施行し て既に手術室は稼働しておりますが、白内障手術は内眼手術ですので緊張感がけた違いでした。

三好眼科で 修行し、白内障手術の免許皆伝をもらった、凄く手術の上手い先輩、と容子医師の評判を聞いて、「是非手術指導を。」と白内障手術を始めたばかりの浩久医師 が容子医師に頼んだことが結婚のきっかけだけに、夫婦の白内障手術にかける思いは並み一通りのものではありません。無事に1例目が終了し、喜びもひとしお です。

三豊・観音寺地区で白内障手術をしている眼科クリニックは当院の他では、提携機関である近藤眼科医院だ けですので、当地域の眼科医療レベルの向上に貢献すべく、白内障手術に邁進していきたいと思います。

8月20日
当院の椅子
リンク先であるにしわき眼 科クリニック、院長日記の8月17日の記事で当院のカンファレンスルームの椅子が紹介されていました。
当院の家具は椅子、机からゴミ箱に至るまで、全て設計担当の白石建築士のコーディネイトによるものですが、その中でこの記事の椅子だけは私が強く採用を主 張したものです。机に変形するだけにコストは同レベルの椅子の倍以上でしたが、このように他院に採用されたところを見ると入れて良かったと思えます。
待合の椅子とコンタクトレンズフィッテイングルームの椅子も内覧会で見てくださった眼科開業医からメーカーと型番の問い合わせがありました。この先生は眼 科に限らず色々な施設を数限りなく見学しておられる先生ですので、その方から尋ねられるのは非常に光栄でした。
家具に限らず他院に真似される施設を作り上げていきたいものです。

8月18日

植栽
8月17日ブルーベリー
当院の駐車場にはブルーべりーとメグスリの木が植えられていま す。
これは当院を設計した白石建築士の遊び心による選択です。

「ブルーべりーは目にいいんですか?」という質問は眼科医なら一度ならず患者さんからされたことがあると思います。「医者とはいう立場からはあえてお勧め するものではない。」というのが私の答えです。

ブルーベリーのサプリメントはそれほど高価でもないようですが、癌関係の健康食品などには人の弱みに付け込んだ半ば詐欺ではないか、という法外な値段のも のもあるようです。

庭に生えているブルーベリーをそのまま食べるのが医食同源という思想からも、経済的見地からもベストと、食べながら思いました。
とれたては何と言っても美味しいですしね。

8月10日

新型コンタクトレンズ

8月10日cl28月10日cl1
日本を代表するコンタクトレンズメーカーのメニコンさんから新型 レンズ゙のサンプルを頂きました。
驚くべきはそのケースの薄さです。従来型のおおよそ10分の1で厚さ1ミリだということでした。

長期旅行の時などは1日タイプは大量に持ち運ぶ必要があり、2週間タイプの場合はケア用品が必要になるので、どちらにせよかさ張りますが、これなら1月分 くらいならポケットに入れて持ち歩けるレベルです

メニコンさんは通常のソフトレンズから乱視用、遠近両用のソフトレンズ、更には伝統的なハードレンズまで豊富なラインナップを揃え、定額制のメルスプランと いう制度も用意するなどユーザーフレンドリーなメーカーです。

外資系メーカーにやや押され気味だったディスポタイプでもこのように戦闘力の高い製品を出してこられるあたりはさすがですね。市場に出回るまではもうしば らく時間がかかりそうですが、今後が楽しみなレンズです。


8月4日

思わぬ伏兵
8月4日pteモニタ
8月2日の翼状片手術のモニタ−画面です。眼科関係者なら違和感 を感じると思われますが如何でしょうか?これが白内障手術なら問題なしともいえます。

実は画面が90度右に回転しています。術者は普通に見えているのですが、CCDカメラが90度回転した状態で取り付けられていてこうなりました。手術の結 果そのものには何の影響もありませんので、このまま手術を続行しました。

手術手順も何度もシミュレーションし、内覧会以前にモニターの映り具合も確認していたのにこんなところに伏兵が隠れていました。
早速翌日にCCDカメラの向きを調整しました。



8月2日

当院初の手術
8月2日pte
当院初の手術を行いました。
記念すべき?最初の手術は翼状片でした。
スタッフは何日も前からシミュレーションをして、準備してくれましたし患者さんご本人も協力的な方だっおかげで、滞りなく終了しました。

今月下旬からは、白内障手術も開始する予定です。

7月19日
連載終了
6月30日の当欄でお知らせした、にしわき眼 科クリニック、院長日記の連載記事「まるお眼科探訪記」が全6回で終了したようです。

西脇院長らしく最後は単なる食べ歩き日記になっていましたが、5回までは当院を第三者の目で見た感想が述べられておりました。開院早々けなす記事をアップ する人は普通は居ないでしょうけれど、ほめ言葉が多く、少々面映ゆいところもあります。
記事に負けない実態を伴ったクリニックになるよう努力していきたいと思います。

7月14日
嵐の様な2週間
開院後2週間経ちました。初めてのことばかりで、一切の余裕がないままに過ぎた2週間でし た。2週目はスタッフも医師も業務に少し慣れてきて1週目と比べると能率よく診察できるようになってきたかと思います。
そうは言っても、まだまだ運営がこなれていないため、必要以上に患者さんをお待たせしている可能性があります。

待ち時間が余りにも長いと感じられた場合は、職員に一言声をかけてみて下さい。

7月11日
お花
昨日、他県で開業しておられる眼科の先輩と、医学部学生時代からの同級生から祝いの花が届き ました。
内覧会前後から花や観葉植物が届き始め、開院の日にはカナダのトロントから花を贈ってくれた同級生もいます。
開院1週間でもまだ届き、人生でこれ程花を貰うのは最初で最後と思われます。普段は「花より団子」の自分ですが、やはり嬉しいものです。

7月6日

七夕の飾り
7月6日七夕
職員が七夕の飾りつけを院内にしてくれました。

色々な願いが短冊に書かれています。

7月2日の2

当院初の患者さん
7月2日pt.第一番
当院初の患者さんです。
記念写真を撮らせて頂きました。
むろんこんな明るい状態では診察できないので、これは「やらせ」写真です。
何人か顔なじみの方が受診してくださいました。有難いことです。自分たちの診療が評価されていたと実感が沸きます。
この日の気持ちを忘れないように、恐らく最初で最後の同日2回目のアップです。

7月2日
本日開院
本日2012年7月2日当院は開院しました。診療案内でも記載したように学校帰りや買い物のついでに気軽に立ち寄れるような三豊・観音 寺地域の町の目医者さんを目指しています。

開院当初は混乱が予想されますが、ご容赦下さい。


6月30日
自主練
職員研修は昨日で終了しました。しかし本日はスタッフ有志が自主的にクリニックに集合して、 模擬診療や業務改善のための事務処理をしてくれています。やる気のある優秀な職員に恵まれて有難いことです。

にしわき眼科クリニック院長の日記に「まるお眼科探訪記」が掲載されています。院長は「お笑い系眼科医」を自 称するだけあって、眼科関連のネタを面白く解説するのがうまく、日記は全国からアクセスされています。「まるお眼科探訪記」はどうやら連載モノのようです ので、一度訪問してみてください。


6月25日
6月24日は当院の内覧会でした。三好輝行先生による開院記 念講演会は席が不足し立ち見も出たたため、急きょ開始時間を10時30分 に早め、計3回講演をして頂きました。ご訪問下さった方に大変ご迷惑をかけましたことを、この場を借りてお詫びするとともに、ご協力くださった関係各位に 感謝申しあげます。
下の写真は上から第一回講演、第二回講演、第三回講演です。第三回の講演の画面はASCRSでグランプリを獲得した三好 先生が表彰式でマジックを披露している場面です。
三好先生
三好第一回
三好先生第2回
三好先生魔術


6月23日

2人の白内障手術医
6月23日徳田花
明日は当院の内覧会です。
掃除をしていると、花が届きました。
贈り主を是非確認してください。

一般の患者さんには分かりにくいことでしょうが、徳 田芳浩先生からの祝いの花が飾られた自院で三好輝行先生の開院記念講 演が実現するなど、白内障手術を志す新規開業医とし ては想像を絶する幸せです。

期待を裏切らぬよう三豊・観音寺地区の眼科医療に貢献したいと決意を新たにしました。

6月11日
職員研修開始
職員研修が始まりました。眼科のことというよりは、建物や電気器具などの使い方がメインの内 容です。詳細は自分たちも把握していないので一緒に聞きたかったのですが、ハード面からソフト面まで、細かい詰めを色んな業者さんから迫られ、殆ど研修に 参加できませんでした。

開業直前1か月には二度と戻りたくない、と複数の経験者からきいておりましたが、なるほど納得の初日でした。

6月7日
電子カルテ体験
本日は午後から総合眼科機器メーカー、ニデック社のSEの方が大阪から来院されるので、電子 カルテNAVISを いじり倒す予定でした。しかし、さまざまなアポもあり、アポ無しで来院する業者の方もあり、白物家電が搬入されたりで、寸断されて殆ど何も体験できずに終 わりました。

また購入5日目くらいのノートパソコンが起動しなくなるトラブルも出ましたが、デオデオゆめタウン三豊店で購入したものなので、歩いて持って行き修理依頼 ができました。担当して下さるSさんはIT系に詳しく、親身に相談に乗って下さるので非常に助かります。電気製品は、あれが足りないこれも欲しい、で毎日 デオデオでお買い物状態です。

6月5日
顕微鏡搬入
6月5日手術室
本日予定通り手術顕微鏡が搬入されました。

手術用の椅子型ベッドも入り、ようやく手術室らしい雰囲気になってきました。

肝心の白内障手術機械が入ってないのは画竜点睛を欠いていますが、搬入される頃には更新する余裕がないかもしれません。

6月4日
機材搬入開始
いよいよ各種検査機器などの搬入開始です。
電子カルテと明室の機器はほぼ全て運び込まれました。その他は診察用顕微鏡(スリット)、手術用ベッド、処置用ベッド、レーザー、超音波検査機械(Bモー ド)です。
明日は手術用顕微鏡が入る予定です。

6月1日
患者さん第0号
建物の引き渡しも終わったので、午後から荷物の運び入れをしたり、植栽の水やりなどをして過 ごしました。その間に「診察して欲しい。」という方が一人来られました。

「工事進捗状況」にアップした白石建築士自らが貼ってくれた「7月2日開院」の張り紙が、建築写真を撮影する都合ではがされてそのままになって いたため、診療が始まったと勘違いなさったようです。
近隣の眼科の先生からも既に「紹介状を書いて渡してある患者さんがいるからよろしく。」と言われたりで、非常に有難いことです。

三豊・観音寺地区の皆様の期待を裏切らぬように、眼科医療に貢献するべく努めたいと思います。

ページの先頭に戻るTOPに戻る

   
inserted by FC2 system