京都の2日目、昨日は実質移動だけで終わりましたので、ここからが学会本番です。
学会早朝には軽食を摂りながら講演を聴くモーニングセミナーという一石二鳥の企画があり、貧乏性の筆者にとっては非常に有難いのでこれまでほぼ全ての学会
で参加してきたのですが今回はパスしました。
朝食付きとは知らずに予約した旅館の朝食の評判がとてもよく是非食べてみたかったのです。チェックインの時に「何時に出発予定ですか?」と尋ねられ「7時
30分には国際会議場に行
きたい。」と言うと。「それでは朝食は間に合いまへんなあ。」と言われてしまいました。食欲に負けてモーニングセミナーはパスしてしまいましたが、その甲
斐
あって京風の薄味で美味しい朝ごはんでした。
会場ではまず勤務医時代なら絶対選ばない
コース、適切なレセプト請求の仕方のコースに行きました。勤め人時代であれば事務方にまかせっきりで問
題ありませんでしたが、これからはそうもいきません。大変勉強になりました。
その次は周術期管理のシンポジウムに参加しました。白内障手術で最も恐ろしい合併症である細菌性眼内炎への対応です。最近話題の術中ヨード洗眼がもっとも
勉強になりました。原法ではポピドンヨード(イソジン)を使用していますが、眼への適応がないのが眼科医の悩みのタネです。適応のあるPAヨードでやる
なら8倍希釈で洗浄するのがよいということでした。
現在当院では手術開始前の洗眼を6倍希釈のPAヨード(生食100にPAヨード20ml)で行っていますので、最初から8倍(生食100にPAヨード
14〜15ml)で希釈すればそのまま術中に使えます。
術中ヨード洗浄を行うと術終了時の房水の細菌汚染が0になるというのは画期的です。ただ手術開始直後からヨードで洗浄すると術野はかなり見えにくそうで、
そのために合併症を起こしたのでは本末転倒です。イソジンとPAヨードの色の違いによる見えにくさも不明ですし、採用するとしても慣れるまでは眼内レ
ンズ挿入直前くらいから洗浄に使うのがリーズナブルかなと感じました。
ランチョンセミナーはビスコアダプティブ型OVDの使い方のコースを選びました。特に目新しい話題はありませんでしたが、ハイドロ時の眼圧上昇とバーンに
は要注意という点の復習になりました。
その後は再び機器展示場を巡り、最後にOCTの読影のインストラクションコースに行きました。物凄い人気のためメイン会場がほぼ満席でOCTに対する眼科医の関心の高さを物語っています。
OCT読影のコースではRAP,PCVの鑑別が特に勉強になりました。
PCVは異常血管網がダブルレイヤーサインとして描出される。
RAPは網膜内新生血管のため外網状層やRPEの断裂がある。
この2点だけは覚えておきたいところです。
この日の夕食は三豊総合病院のグループに丸亀のS先生と筆者が合流し豆腐料理屋に行きました。
専門店だけあってただの湯豆腐がとても美味しく、緑豆の豆腐がほのかな甘味がありもっと食べたかったのですが、一人一切れしか割り当てがありませんでし
た。残念。我々以外にも眼科医のグループが多数店を訪れていたようです。
学会最後の夜ということで、皆疲れてきたのか二次会もなくそれぞれホテルに帰りました。
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